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機械学習エンジニアからソフトウェアエンジニア、そして介護のプロダクトオーナーへとキャリアが広がっていった話

エクサウィザーズの2022年アドベントカレンダーの4日目の記事です。

介護音声入力アプリCareWiz ハナストアドベントカレンダー3日目の記事に詳細があります)のプロダクトオーナーを務める亀山悟です。今回はエクサウィザーズでのキャリア形成について、自分の経験を振り返りながらお話しできればと思います。

ジョイン前のキャリア

まず、私は横浜国立大学大学院工学府を修了した後、重電機器メーカーの株式会社明電舎に入社しました。学生時代からコンピュータビジョンを専攻していたので、画像処理の研究開発部門に配属され、架線検測装置の画像解析エンジンの開発を担当していました。架線検測装置は、電車の上空をカメラで撮影し、トロリ線がどれくらい摩耗しているのかを撮影・解析、保守点検の効率化と省力化が見込めるプロダクトになっていてます。

与えられた研究開発テーマに対し、それを実現するための理論検討 ・知財化や、実装しての現場検証や仕様書に落としこんでの製品化、さらには運用保守まで幅広く経験させてもらいました。自分の裁量でできる部分も多く、いろいろな経験を積めたのが自分の肌に合っていたと思います。

なぜエクサウィザーズを選んだのか

エクサウィザーズに入社するそもそものきっかけは、2016年に東京大学EDGEプログラムという研修に参加したことです。1年弱かけてアントレプレナーを育成するプログラムで、豊富な起業経験を持つメンターにアドバイスを頂きながら新規事業を考えるものです。研修の最後にはシリコンバレーでVCに対してピッチを行いました。
 
プログラムのやりがいはもちろんあったのですが、仲良くなった人たちが実際に起業している様子を間近に見て、自分でも会社を起こせるようになりたいと考えるようになりました。そこで、ベンチャー企業の実態を知るために、AI技術を強みとした企業を探していたところ、エクサウィザーズからカジュアル面談のオファーが来ました。すぐに当時の役員や取締役会長の春田さんと面接したところ、本気で社会課題を解決しようとしている姿勢に感銘を受け、「ここしかない!」と考えて入社を決めました。

機械学習エンジニアからのスタート

入社後まずは、機械学習エンジニアとしてプロジェクトに参画しました。技術は画像だけでなく、構造化データや音声、NLPなど様々な機械学習モデルを作成しました。関わる業界も多様で、自動車、鉄鋼業、ロボット、銀行など幅広い経験を積めるのは、社会課題という広いテーマを対象にしているエクサウィザーズならではだと思います。
 
その中でも特に、介護業界に関するプロジェクトを担当することが多かったです。各プロジェクトでの私の役割は機械学習モデルを作成することがメインでした。しかし、ユーザーに価値を届けるためにはソフトウェアエンジニアリングの能力も必要です。私の関心は次第にソフトウェアエンジニアリングや、プロダクト開発に移っていきました。そんな中、CareWizシリーズとして介護業界向けのプロダクトを作ろうという話が社内で出てきます。
 
そこで、取締役の坂根さんの弟子のような形でソフトウェアエンジニアとして家族の介護を行う方を支援する「CareWiz 家族支援」(今はサービス終了しています)というプロダクトを開発しました。当時ではまだ情報が少ないSwiftUIでの開発に苦戦しながらも何とか形にし、自分が手掛けたものがプロダクトとして世にリリースできたことにとても喜びを感じました。

新しいプロダクト開発にも挑戦

次は、施設で働く介護スタッフのためのプロダクトということで、CareWiz ハナストを開発することになりました。CareWiz ハナスト(当時は「CareWiz 話すと記録」)は、介護現場で働くスタッフの介護記録や申し送りなどにかかる時間を削減し、スタッフが利用者と向き合う時間に当ててもらおうと作られたアプリです。
 
画面操作でなく、音声のみで介護記録の入力をしたり、インカムとして他のスタッフと連絡をとることができます。作成した介護記録はケアコネクトジャパン様の「CAREKARTE」に連携されて、請求まで一気通貫で行うことが出来ます。
 
プロダクトオーナーである結城さんを中心に、PdMの下、ドメインエキスパートとして秋葉さん、デザイナーとして佐久間さん、AIエンジニアとして大西さん、そして私はソフトウェアエンジニアとして参画しました。

約2年でエンジニアからプロダクトオーナーに

ソフトウェアエンジニアからテックリードになり、プロダクトマネージャー、そして気づいたらプロダクトオーナーと、約2年の間にどんどん立場が変わっていきました。いい意味で、ベンチャーならではのスピード感だと思っています。それに従って、考え方やプロダクトへの関わり方にも変化が出てきました。
 
ソフトウェアエンジニア時代は音声処理、音声認識や介護記録への構造化AI、画面を見ずに声だけで操作できるUI/UX、長時間フォアグラウンドといった機能面をどうやったら実現できるのか、純粋に良いプロダクトを作りたいというのが着目点でした。
 
その後テックリードとなり、どうすればメンバーの力を最大限に発揮させられるかといったチーム開発の効率性に関する点や、 商用版リリースに耐え得るシステム構成や運用体制はどうすれば良いかなどプロダクトの運用に重きを置きました。

プロダクトマネージャーとしてはプロダクトの方向性、開発計画、仕様作成などプロダクトの品質を担保する番人として動いていました。さらに、Bizも含めたチームビルディング、ユーザーへのヒアリングも積極的に参加し、よりユーザーの視点に立った見方を大切にするという意識に変わっていきました。
 
また、プロダクトオーナーとして、マネージャーの業務に加えて、PL管理や長期的なプロダクトの戦略も考えるようになりました。さらに、これまでよりも大きな意思決定をすることが多くなりました。このほか、事業部長や社長、会長と直接話すことも増えて、新しい学びがあり毎日がとても刺激的です。

思わぬ方向に広がったキャリアはこの会社ならではの強み

このプロダクトは、介護の現場で働いた経験のある介護福祉士の資格を持つメンバーが、現場で働く人達のために考えて作ったものです。まだまだ改善すべき余地はありますが、常にユーザーのことを考えて進化し続けているプロダクトだと自負しています。(興味を持った介護事業者の方は、ぜひオンラインデモで体験してみてください)
 
エクサウィザーズでは、本気で社会課題を解決しようという意思の強い人たちが集まっています。そして個々が突出した能力を持っています。自分1人ではとても考えつかないアイディアでプロダクト作りができる環境はとても貴重だと思っています。
 
私は元々コンピュータビジョンの機械学習エンジニアでしたが、今では介護業界で利用されているプロダクトのオーナーを務めるまでとなり、予想していなかったキャリア形成に繋がっています。エクサウィザーズでは新しいことにチャレンジでき、自分のキャリアが思わぬ方向にも大きく広がっていく土壌があるという点は魅力的だと思いますね。
 
私自身まだまだ未熟だと思っているので、まずはCareWiz ハナストのプロダクトオーナーとしてきっちりやりきることが第一です。そしてその先は、私のようにエンジニアからプロダクトオーナーになるような、大きなチャレンジをする人たちをもっと増やしていきたいと考えています。そのための仕組みやサービスが将来的には作れると面白いなと考えています。

5日目は人事総務部の中村海太さんとDovile SESICKAITEさんです!

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