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Social Problem Solversとしてのデザイン組織

この記事は、エクサウィザーズアドベントカレンダー20日目の記事です。

エクサウィザーズ デザインチームでプロダクトマネージャーをしている小俣です。

「プロダクトマネージャーなのにデザインチームに在籍してるの?」なんて言われることがありますが、エクサウィザーズのデザインチームは一般的なデザインチームよりもかなり幅広い役割を担っていて、僕がデザインチームにいるのもその一例といえます。他にもデザインチームらしくない人材を数多く抱えています。

この記事では、「AI x Designのテーマで社会課題解決に向かっていくエクサウィザーズのデザインチームがどんな組織か」、「AI x Designという領域をどのように捉えていて何をしているのか」をご紹介します。この記事を通じてなにか一緒にやってみたい!なんなら一緒に働きたい!という方がひとりでも多く増えたら、と願っています。

■記事の想定読者
デザイナーとして新しい挑戦を求めている、そろそろデザイナーという枠組みを超えて行きたいと思っている方
AI x Designの最前線、近い未来のデザイナーの役割に興味がある方
■読了時間の目安:5分
■記事のポイント
•エクサウィザーズは実はデザインにかなり力を入れていて、3年で1=>20人以上へと拡大している
•デザインチームの役割は一般的なデザインチームの役割よりもずっと広く、プロダクトマネージャーやエンジニアもいる
•見据えているもの:AIによりデザインオペレーションは大きく変わり、デザイナーの役割も変わっていくのでは?

■筆者紹介
小俣 剛貴(おまた・ごうき)
exaBaseデザイン部 プロダクトマネージャー
Fullerの立ち上げ、ライフネット生命、Pivotal Labsのプロダクトマネージャーなどを経て現職。This is Lean(翔泳社)監訳。

3年で1→20人以上へと拡大したデザインチーム

エクサウィザーズはAIの利活用による社会課題解決に取り組んでいるため、デザインチームは社会課題を生む構造や仕組みを理解したり、課題を解決するためのアプローチを考えたり、その中におけるユーザーへの提供価値や体験を考たりするなど、マクロな構造からミクロな体験までをデザインの対象としています。

これがいわゆる「デザイナー」の役割かはわかりませんが、エクサウィザーズのデザイナーやデザインチームのメンバーは社会課題解決の担い手を自覚しているというのは自信を持って言えます。解決すべき課題を軸足にして、自分の専門範囲を越境し、仕事を通じて独自の専門性を編んでいくような働き方をしているチームメンバーが数多くいます。

また、AIによる社会課題解決においていわゆる「デザイン」は重要だと組織的にも認識しており、特にユーザーや社会が受容できるような方法で提供していくということが不可欠だと考えています。こうした背景からエクサウィザーズはIDEOとパートナーシップを組むVCであるD4Vから出資をいただき、組織的なデザインの力を高めるための支援もいただいています

2019年にデザイン組織を統括している前田さんが最初のデザイナーとして入社したところからデザインチームはスタートをしていて、いまでは業務委託の方も含めて25名程度の規模になりました。

組織がどう作られてきたか、果たしている役割やメンバーがどう変わってきたのか、ご興味がある方は前田さんが振り返りの記事を出しているのでぜひ見てみてください。

事業企画やサービスに関わりたいデザイナーやプロダクトマネージャーには嬉しい環境

エクサウィザーズは、
①クライアントとのAIプロジェクトを主とするAIプラットフォーム事業
②自社のプロダクト開発を行うAIプロダクト事業
ふたつの活動から知見と技術を蓄積させていく事業モデルを取っていて、デザインチームはこの両事業に関わっています。両事業への関わり方の比率は人によって違い、両方に携わっているメンバーもいます。

マーケットやクライアントへのアクセスがしやすく、同時にOne to manyを志向するようなプロダクト開発への投資体制が敷かれていて、プロダクトを企画・推進しやすい環境と言えるでしょう。

エクサウィザーズの事業モデル

個人としては新規事業やプロダクトの創出がミッションで、自分で企画したりインキュベーション組織を作って組織的なアプローチで進めたりする立場にあるのでAIプロダクト事業への意識が強いです。

一方、AIプラットフォーム事業があることで顧客やマーケットに対する感覚を養ったり、インキュベーション中のプロダクトを育てるパートナーを探せたりできるのはありがたいと感じています。

プロダクト企画を加速させるこんな取り組みも行っています。

AI xDesignを探求する

デザインチームはAI x Designというまだまだ探求が始まったばかりの領域に取り組むラボのような場でもあります(ラボというほど仰々しくはないですが...)。

データとアルゴリズムに駆動される課題解決の対象がどんどん広がる中で、デザインとはどういった営みになるのか、そこにおけるデザイナーの役割とはなにかといったテーマに、小さな一歩を積み重ねていっています。

「意味のイノベーション」で有名なロベルト・ベルガンティ氏はAIの登場によりデザインオペレーションに大きな変化が起きるという考えを提唱しています。

AIを内包しない従来の製品では、上図の左側が示すように設計・開発・利用というステップを経て生まれたユーザーへのインサイトからまた人が設計を行うといったフローを取るのに対し、AIやデータを利活用した製品ではそのプロセスが自動化されループ構造になっていくと言います。

このようにソフトウェアが自律的にソリューションを改善させられるような時代においては、デザイナーの役割は変わっていくはずです。まだまだ道半ばですがこうした考えに基づいてプロダクトの開発を進めています。

介護施設向けAIプロダクトでの実践

ひとつの実践例として、「CareWiz ハナスト」という介護施設向けのAIプロダクトでの取り組みをご紹介します。

介護施設では介護スタッフの方が施設の利用者に対して行った介護の内容を記録する業務に多くの時間を割いている現状があります。これは介護保険制度に基づく法律で定められた内容を記録したり、介護士の間の情報共有のために行っているものですが、紙での管理が多かったり、入力端末の台数が限られているために紙に書いたものを転記するなど業務に時間がかかる状況にあります。

記録などの間接業務をできる限り減らし、デジタルデータとして利用可能な形にすることで、介護のプロの方々が施設利用者の方と向き合う時間を増やすことができ、介護の質を高めることにつなげられると考えてプロダクトが運営されています。

「ハナスト」導入による記録業務の削減効果

「ハナスト」では、介護現場でもともと行われている利用者への声かけ(介護を行う前に行為への同意を得たり、行った後に一緒に共感して喜んだりするプラクティス)の中に記録業務に利用される情報が多くが含まれていることに着目しました。音声認識技術を活用することによって「その場で話せば完結」というUXを目指しています。

こうした課題解決のアプローチの裏側で、前述のProblem Solving Loopを設計し回す試みを同時に行っています。

「ハナスト」のProblem Solving Loop

まずは記録のしやすさを提供し→記録をしてもらう→音声データがたくさん入る、①アルゴリズムを通じて音声の認識精度を上げ、更に、②多種多様な介護記録のデータも取得する→③AIが様々な記録にも対応していき→④更に記録がしやすくなるというループです。

こうした次のデザインオペレーションを目指す実践を「CareWiz ハナスト」のデザインとプロダクトマネジメントを担当するカッキーがまとめてくれた記事が詳しいのでこちらもぜひご覧ください。

未来にポジティブでどこか偏ったメンバーが揃っています

ここまでかなりカッコつけてデザインチームを紹介してきましたが、なんといってもチームの一番の売りはキャラの濃いメンバーがたくさんいることです。前述の前田さんの記事で詳しく紹介していますが、とにかくいろいろな人がいます

一例をご紹介すると、元DMM社の取締役、UXデザイナー兼エンジェル投資家、d.school出身でUXリサーチ歴10年のデザイナー、柄谷行人さんのビジョンを持つアルスエレトロニカer、Well-being x BrainTechで事業開発中の元物理学者、SFC時代からスタートアップカンファレンスを仕切ってた次世代デザイナー、市役所勤務→認知症xAI 研究@エストニアからのUXデザイナーなどなど(何かのカンブリア期なのか)

「元UXコンサルがデザイナー1号としてデザイン組織を作りながら考えたこと」より

ワーケーションの実践者も出てきました。

「住所はメタバース内にあります」なんて人も、そう遠くなく現れるかもしません(法律上の問題は一旦無視します)。

というわけで、ここまででエクサウィザーズのデザインチームに少しでも興味をもっていただけたら、まずはカジュアルなお話でも、カジュアルな応募でも、シリアスな応募でも、あなたからのお声かけを心からお待ちしています!

明日はKUTIさんにPlatform Engineering部について書いていただく予定です。


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