AIを活用することで広がる採用担当キャリアの可能性〜実はハードルが高くない!備えるべきAIスキル〜
この連載企画は、株式会社エクサウィザーズの採用部の各メンバーがリレー形式で執筆するものです。前回は部長の松永による「事業成長のドライバーを目指して~採用を起点に広がる∞の可能性~」でした。今回はリクルーター・高松が、なぜ今AI企業に入るべきなのか、そして採用業務におけるAI利用事例をお伝えします。
特に、採用・人事のキャリアを検討されている方や、エクサウィザーズの採用ポジションに興味を持っていただいている方に読んでいただけたら嬉しいです。
みなさん、こんにちは。エクサウィザーズ&子会社であるExa Enterprise AIでリクルーターをしている高松(@ai_takamatsu_hr)です。
前回は、exaBase 生成AIというエクサウィザーズの新規事業の採用担当をする中で、新規事業を支えるために実行した採用についてnoteに書いてみました。
わたしは、エクサウィザーズには2022年9月に入社し、そこから主にAIプロダクト事業の採用に携わっています。セールス・PdM・BizDev・エンジニア・デザイナーのほか、コーポレートメンバーの採用を担当してきました。
0→1・1→10、10→100など幅広いフェーズ、HRから介護から生成AIという幅広い業界で、とにかく事業が立ち上がってグロースしまくる環境で採用力を鍛えてもらってます。
そして、エクサウィザーズの採用チームの最高にいいところは、「なんかボール落ちてそうだな」「コレやりたいな」と思ったら、ぐぐっと染み出していけるところです。そのため、採用広報や制度作り、組織のモメンタム作りなど、色々なことを体験させてもらっています。
そんな中で最近、リクルーターという職業柄、人のキャリアに向き合う機会が多いため、日本社会に対して危機感を感じるタイミングがあります。
そこで今回は、採用活動をする中で感じる危機感について書いてみようと思います。そして、今のうちから採用担当が取り組める危機回避の方法についてエクサウィザーズの方法を一部お見せしたいと思います。
いまの社会人がAIを知らないと起きる“未来のたとえ話”
社会人の皆さんは、AIと聞いて、どのような印象を持つでしょうか。AIベンチャーで採用をしていると『AIの概念が理解できない』『AI関連の業務経験がないため、AI企業への転職に対して不安を感じる』といった声を聞くことがあります。
わたしもAIを専門的に学んできたわけではないですが、わからない・怖いという気持ちを乗り越えてでも、このタイミングでAI領域に踏み込むことはキャリアにとって有利だと感じ始めています。だからこそ、エクサウィザーズに興味を持つ方が増えることはもちろん嬉しいことですが、エクサウィザーズに限らずAI技術を基盤にした会社でキャリアを積み上げることが重要だと、実際に行動を起こす人が増えてほしいと考えています。
その理由は、AIに使われる側ではなくAIを使う側になったほうが、今後の市場価値が上がる未来がはっきり見えてきたからです。
たとえば、現在、当社では新卒採用のインターンテーマに「生成AI」という要素を組み込んでいます。そして大学生たちは生成AIを利用してうまくアウトプットを出しています。
生成AIを自然に使いこなす大学生たちは、あと2〜3年で社会人としてデビューします。そして、生成AIで効率化できる業務を感覚的に理解し、実行し、生産性の高い働き方をすることが当たり前だと考えてお仕事をする時代がすぐそこまで来ています。
もし現在の社会人がAIを利活用していなかったとします。その瞬間から、ITツール導入・BPO活用などとは違った新しい生産性向上の手法を知っているかどうかの差が、新入社員との間に生じます。
と、少し危機感を煽るように聞こえたかもしれませんが、AIを利活用することは実はそんなにハードルが高くありません。わたしたちエクサウィザーズのリクルーターたちは、生成AIプロダクトを活用して業務をしています。その事例をいくつかシェアしてみますので、実際の業務に取り入れられそうなら是非真似してほしいです。
今まで通りに採用活動しながら、アドベントカレンダーを企画/実行して、採用イベントも進めた方法
わたしは今、exaBase 生成AIと、CareWizという2つの事業への採用活動を行っています。
exaBase 生成AIは日本のSaaS市場屈指のスピードで事業拡大し、インサイドセールスからエンジニア、PdMまで全ポジションで採用枠を開けて急ピッチな人員拡大をしています。
一方CareWizは今もFAXを利用するようなレガシーな介護の領域で、プロダクトを6つほど開発・運営しています。それにも関わらず正社員18名という超効率的な少数精鋭部隊のため、採用数自体は多くありません。
全く性質の違う事業に対し、リファラル・エージェント・スカウトなど多くのチャネルを利用して採用を進めています。
ベンチャーで採用経験がある方なら、複数事業を横断して担当することや、面接官たちの採用ペルソナがどんどん変化することは当たり前と思いつつも、実はちょっと大変だなと思っているんじゃないでしょうか(わたしはめちゃめちゃに思う!)
そのような状況下でも、エクサウィザーズの魅力を世の中にもっと発信したいと思い続けていたので、FY24の上半期はちょっとした挑戦をしていました。
それが、見出しでも書いた「採用+アドベントカレンダー+採用イベント」を並行して進めることです。
実は生成AIを利用して採用活動することは難しくない
その①採用活動での利用編
エクサウィザーズメンバーは、自社プロダクトであるexaBase 生成AIのアカウントを付与されています。このプロダクトはChatGPTやGemini、Claudeといった生成AIモデルが使えるプロダクトで、ChatGPTやGemini、Claudeを利用したことがある方なら、それらと似た使い方ができると思っていただければと思います。
exaBase 生成AIの便利な機能の一つに、プロンプトのテンプレート登録があります。
採用チームではたくさんのテンプレを登録していますが、個人的には求人票確認のテンプレが秀逸、かつ常に悩ませてくれる存在です。
エクサウィザーズの採用チームのルールとして、この「求人公開前確認プロンプト」で4点満点を獲得した場合のみ求人を公開しています。
観点は次の画像の通り6つあり、この6つをどう言った観点で評価するのかという点をプロンプトテンプレに組み込んでいます(詳細はここでは秘密です、プロンプトの細かい内容を知りたい方は記事下部からカジュアル面談をセットください!)
もし4点満点を取れていない項目があった場合、「どの文章を変更すれば4点になるのか具体的に教えて」とexaBase 生成AIに質問し、何度もブラッシュアップを進めていきます。
全項目で4点満点の求人票が書き終わる頃には、「他企業の似たポジションとどう差別化できるのか」「社内のみで通用する言葉や内容になっていないか」など採用担当としての視野の広がりと素敵な求人に仕上がったという自信を手に入れられます。
ちなみに、上の求人は2024年の夏ごろに出した求人なのですが、半年経った今、もう一度「求人公開前確認プロンプト」を試してみると全項目が4点ではなくなっていました。これは、AI技術の革新によるものだと考えられます。
exaBase 生成AIを動かすLLM(大規模言語モデル。いわゆる生成AIプロダクトの中枢にあたる部分)が日に日に技術革新し、また社内データも生成AIプロダクトに蓄積されていくため、過去よりも現在の方がサービスが賢くなっています。そのため、以前よりも低い点数結果となったのです。
その②アドベントカレンダーでの利用編
ベンチャー界隈ではアドベントカレンダー形式で担当者が日替わりで記事を公開するという施策があります。そのアドベントカレンダーの企画・運営の際は、かなり多くの場面で活用しました。
・候補者がほしい情報と、今わたしたちが出している情報の差分の割り出し
・文字数が少し足りていない人にインタビューし、記事に追加
・記事の見出しの提案
・校閲チェック
例えば校閲チェックにおいては、「文章を徹底的に校正・校閲し、誤字脱字を含むあらゆる問題点を洗い出し、高品質なビジネス記事に仕上げてください。」というメインのプロンプトに加え、アウトプットのフォーマットや観点を追加で入れてテンプレを作っています。
ちなみに、この記事の1つ目の段落を、生成AIに校閲チェックしてもらった結果は次のように出てきます。
そして、段落ごとの見出しを再検討してもらって、執筆者と広報に確認依頼をしていました。
アドベントカレンダーの連載期間真っ只中の時は、校閲と見出し作成のプロンプトテンプレ利用だけで、1記事1-2時間程度の削減にはなっていましたので、記事内容の追加や企画部分も合わせると31記事リリースに対して少なくとも50時間程度は削減できていると思います。
本当に感謝という言葉しかないです。
③採用イベントでの利用編
採用イベントは、自社単独で開催するものや共催で実施するものなど2-3ヶ月の間で3つほど企画をしていました。
企画する際、なんとなく内容はぼんやり決まっていても、そのアウトラインを明確にし、漏れなく準備することは大変です。
実際にはもう少し具体的な設定を追加しましたが、この程度の大まかなリクエストにも生成AIは対応してくれます。
イベント企画は約30分程度、登壇者への確認やLPの作成を含めても約1時間で完成させることができました。
ちなみに直近で実施するイベントは、若手のセールス職の方に向けたキャリアセミナーにしました。
今回はわたしの活用方法を3つほどご紹介しましたが、採用業務と生成AIは本当に相性がよく、他にもたくさんの活用方法がありますし、エクサウィザーズのリクルーターたちは工夫を重ねながら業務の効率化を図っています。
時間が短縮されると、今まで時間がなくて手が出せなかった業務にチャレンジすることもできます。今回アドベントカレンダーをやってみて感じたのは、選考中の候補者に対してどのタイミングでどの情報を出すのが最適解なのかを科学する必要があるということでした。なので、自分なりに考察を始めています。
早いタイミングでチームメンバーに叩きを持っていき、生成AIを利用してマニュアル化できたら、より良い採用広報ができちゃうんじゃないかと、ワクワクします。
AI技術が発展すると人間の仕事が減るという仮説が世の中にはありますが、必要以上に怯える必要はないと思います。日本の就労人口は1995年をピークに減少傾向にあるため、業務量に対して働き手が不足する状況がおきてくるでしょう(参考:総務省HP)。
現状、AIは人間の指示があって初めて動き出すため、人間がいないと始まらない技術です。しかし、今後AIが自律的に動作する時代が来た場合、急速にAIが世の中に浸透するためAIを理解していないとどんどん取り残されるかもしれません。
生成AIは思ったよりも導入しやすく、革新的に業務効率を向上させてくれます。AI企業らしい採用活動に興味がある方は、ぜひ一度カジュアル面談でお話ししたいです。
採用担当が不足して困っている企業さんは多数いらっしゃると思いますが、人手不足という社会課題を乗り越えて、楽しい採用をもっと考えていきたいです!
エクサウィザーズの採用部に興味がある方は、以下リンクよりカジュアル面談のお申し込みやAI採用担当に気になることを質問してみてください!
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