各ファーム出身者が大集合!今何をやっているのか、それが前職とどう違うのか
外コン・外銀出身者による座談会、全7回シリーズの最終回です。
今エクサウィザーズでどんなことをしていますか?
羽間:
エクサウィザーズでは医療・介護の事業責任者をしていまして、大きくは製薬企業様向けにエンタープライズソリューション事業としてビジネスコンサルティングやデジタル戦略の立案、AIプロダクトや共同サービスの立ち上げなどを行っています。また医療・介護施設向けの事業立ち上げや国や自治体のプロジェクト、中長期的な時間軸としてアカデミアとの共同研究なども行っています。もちろん事業責任者なので、財務の目標を達成していく責任を負いながら事業を作っていくことと、組織を採用して強くしていくという全体の部分もやっています。
ATカーニーは個人のエッジを大事にしている会社だったので、わりと少数精鋭でした。なので個人個人が光るという文化があり、若手の頃から前に立つという場面が多かったです。そういう意味では、自分で責任をもってコミットするというスタートアップのカルチャーとかなり近しいと思います。また良い意味で変わった人が多かったので、多様な人たちと協働して何かをするという点で、エクサウィザーズと似ている部分があります。結果責任を負うという点や、その数字を上げるために自分で事業作っていくという点は、エクサウィザーズで本格的に経験したことです。チームマネジメントの観点では、仲間になってもらって組織を大きくして力を高めていくということに今取り組んでいます。
前川(知):
私もパートナーまでは行かず若手のうちにコンサルをやめたのですが、コンサルの中ではすでに熟れたプロジェクトを自分たちでデリバリーするという事はかなりやらせていただきました。一方でエクサウィザーズに来てからは、プロダクトの事業をやるうえで熟れたものは存在しないので、そもそも自分で何を売り物にするか、から考えています。お客さんの話を聞きながら売れそうなプロダクトを企画して、またプロジェクトと違い実際に作らなくてはいけないので、エンジニアを集めてものにしていくというのは大きく違いますね。頭の使い方が全然違うので難しいですが、とても面白いです。
売るという点については、コンサルだと大きなお客さんから数億円規模の案件を1件ずついただくといった形になるかと思いますが、プロダクトは何百社、何千社のスケールで売っていくので、ウェブマーケティングやインサイドセールスも含めて、スケールを出すために何をするのかを考えます。コンサルの時とは頭の使い方が大きく異なり、数字が目に見えて毎日移り変わっていくので非常に刺激的です。
羽間:
BCGはBCGデジタルを作ってデジタルのケイパビリティを拡張していると思いますが、そことエクサウィザーズはどう違いますか?
前川(知):
コンサルはあくまでもコンサルティングビジネスなので、お客さんの要望のもと作るという関わり方ですね。エクサウィザーズの場合はお客さんに要望されて納品するというよりは、各社に共通する課題を見定めてプロダクトを打ち込んでいくので、出発点がお客さんの中にあるのか自分の中にあるのかが大きく違うと思います。
マネージャーまで経験した立場として、マネジメントの観点でどのような違いがありますか?
前川(智):
マネジメントの観点だと、まるで違うという感じですね。コンサルはプロジェクト単位でチームを組成してプロジェクトにマッチした人をアサインするので、ある意味期間限定のチームマネジメントという形です。一方でエクサウィザーズは事業会社なので、中長期的なゴールに向かって一緒にやっていきます。チームをある程度固定しながら大きくしていくという点で、使っている筋肉は大きく違うなと思います。またエクサウィザーズの場合は人材の幅が広いので、今まで一緒に働く機会がなかったような方と一緒に働きながら事業を大きくしていくことになります。あと、BCGではマネージャーレイヤーでもメンバーと同様にプロジェクトにアサインされる形ですが、エクサウィザーズでは攻めたい領域や一緒に進めていきたい企業さんを自分で選べるという点が違いますね。大手コンサルファームではお付き合いをすることが難しかった、比較的小規模な企業さんと一緒にやれることは面白い部分ですね。
羽間:
新卒でソニーに行かれていますが、ソニーと比較するとどう感じますか?
前川(智):
これはまた全然違いますね(笑)ソニーはガジェットに詳しくて家電好きの多かった印象で、ある意味共通の価値観があったと思います。エクサウィザーズの場合は「社会課題を解きたい」という大上段のゴールは共通していて、そこに至る道筋で歩んできたキャリアがそれぞれ全然違うので、多様性はやはり大きな違いですね。
コンサルから経営企画に行くというキャリアについて、ベンチャーでの経営企画のやりがいは何ですか?
守屋:
コンサルとして経営企画的な業務をするのと、事業会社側でそれをやるのがどう違うのかという点でお話します。共通するのは問題解決という点ですね。経営企画は最低限の定型業務はもちろんありますが、どちらかというと全社としての課題と目指すことのギャップを埋めるのが主な仕事です。それは問題解決プロセスとして共通していて、頭の使い方はコンサルで習ったことがすごく活きますね。ただコンサルだから習えるのかというとそうではなくて、コンサルにいた人やそれに近いカルチャーを持った会社であれば問題ないと思います。分かりやすい例でいうと、エクサウィザーズの社長の石山は新卒でリクルートに入り、一番最初に配属された上司が元マッキンゼーの方でした。そこで徹底的に鍛えられて、コンサル的な頭の使い方を身に着けています。なので、周りの環境次第で問題解決力はどこでも学べます。これは経営企画の仕事をしていく上ではすごく大事な思考ですね。
知識面や業務面だと全く別ですね。戦略コンサルのある種の付加価値は、事業会社が滅多にやらないことをやるという点にあると思います。年中M&Aをやったり、毎年コスト削減のためのリストラをしたりする事業会社はないので、それらを常々やり知見を蓄積して顧客に付加価値として提供するのがコンサルです。エクサウィザーズにきて1年半くらいは、やはり新たな学びが色々ありました。例えば機関運営の話だと、株主総会や取締役会の中で自社が最速で戦略を決めて実行していくためにどういうステップで何をどこで決めないといけいないのか、といったことは知識面として必要です。また資本政策や株式周りは成長のために活用できるツールで、それによってすごく差が出てくるところです。こういった点は新規に学んだことですね。またエクサウィザーズはM&Aもやっていますが、コンサルだとどこを買うか、買うとしたらどうしたらいいのか、買った後どうするのかという描く部分はやります。しかし実際に自分たちが当事者として相手の経営陣と交渉をしたり、また買った後に一緒になるために毎週集まって人間関係の構築をしていくような部分は、事業会社ならではのところですね。
投資銀行で経営者に提案する立場から、エクサウィザーズとして投資家の方とお話する立場になる中で、何かギャップはありましたか?
河井:
入社してまだ3か月ですが、トランジションの中ではあまり大きな違和感はなかったですね。13年弱投資銀行にいましたが、どちらかというと企業目線でどう見えるか、どう考えるかということをかなり意識してやっていたからだと思います。とはいえ企業の考え方だと投資銀行が考えるきれいなS型にはならないというケースが多く、それがなぜなのかというもどかしい気持ちはかなりありました。エクサウィザーズに入って、今は機関投資家関連や資本政策、M&A周りの考え方などに携わっています。世界の中で日本の企業が特殊であることが結構多く、日本の考え方を世界の投資家に伝える部分で伝え方を間違えると、なかなか理解されないことがあります。エクサウィザーズの優秀なウィザーズの方々は、機関投資家が言っていることを事業に反映させるためにどうすればいいのかを真摯に対応してくださり、また事業としてやりたいことを外にどう伝えていくのかを1つ1つ真剣に考えているので、気持ちよく働かせていただいていますね。
羽間:
事業側からすると、コンサル的な考え方と投資銀行的な考え方が融合して一つの取り組みを推進しているということを改めて思いましたね。
河井:
そうですね。大体の企業は事業中心で考えると思いますが、コンサルの芽が沢山あることと投資銀行的な芽があったりすること、また多様なドメインの専門家の芽があることで面白い会社になっているなと思います。
今新卒として入社するのであればコンサルのようなプロフェッショナルファームに行くのか、エクサウィザーズのような事業会社に行くかどちらを選択しますか?
羽間:
まずエクサウィザーズのインターンに行くかどうかでは、100%行っていますね。新卒でATカーニーに入りましたが、サマーインターンは外コン、投資銀行、ベンチャーと複数社に行きました。まず一次情報として自分の体で体感するということが一番大事だと思っていたからです。エクサウィザーズのように、これだけ面白いメンバーが集まっていて急成長している企業はなかなかないと思うので、絶対に見に行っていますね。
内定をもらえた後の話でも、エクサウィザーズのような会社に行く確率は高いと思います。機会と環境を取りに行くべきだと思っていて、今年から新卒採用を始める、かつ狭き門でこれから大きくなるという企業は意外と少ないと思います。それがユニークな自分の人生やキャリアを作っていくと私は思っているので、大きく広がっている機会の中で勝ち上がっていくモデルよりは、稀有な機会に飛び込んで自分なりの人生を作っていくというのが良いですね。今のエクサウィザーズはそれができる環境だと思うので、そういう意味で選ぶ確率は十分に高いなと思います。
前川(知):
最終的にどういうキャリアを歩みたいかによって、それに近いものを選ぶと思います。最終的に自分で事業をやりたいならエクサウィザーズのような事業会社に行くと思いますし、アドバイザリーをやりたいというのであればコンサルに行くと思いますね。僕自身振り返ると、あまり軸のない就職活動をやっていて電通と日銀とBCGで迷うという状態でした。私の恩師である元マッキンゼーの瀧本哲史さんに「日銀に行ってからコンサルに行ってもいいかな」という相談をしたところ、「後々行きたいと思っているところがあるなら、最初から行った方がいい」と言われて腹落ちし、BCGに決めました。同じような話でコンサルの次に事業をしたいということなら、最初から事業会社に行った方が人より若いうちから経験が積めていいと思います。起業するにしても、35歳でやるのと30歳でやるのでは全然違うと思うので、ストレートに行きたいところに行くのがいいと思います。
前川(智):
今のエクサウィザーズのステージは、10~20年後に振り返って「新卒一期」というレアなカードを取れる貴重な時だと思います。BCGやマッキンゼーでも、初期の内定者が1桁しかいなかった時の伝説や武勇伝をたくさん聞きます。その会社の母体を作った人たちなので、歴史を作れるということですね。まだまだ知名度が低い頃から、自分のキャリアを会社と一緒に育てていける機会だと思うので、個人的には今だったらエクサウィザーズ、もしくは同じくらいの規模で新卒第一号の称号をもらえるベンチャーやスタートアップに行くと思います。
守屋:
成長したいということを前提にすると、成長の方程式は「方向性 × 組織・周囲の優秀さ × フィードバックループの回数」だと思います。「方向性」は、自分が将来何をやりたいかですね。その上で、2つ目、3つ目ができる会社かどうかを見極めるのはすごく大事だと思います。2つ目は「組織・周囲の優秀さ」ですが、中にいる人のようになりたいと思うかどうかという観点が1つだと思います。もう1つは「方向性」と少し重なりますが、方向性に関する知見を蓄積している組織かどうかです。AIなどデジタルの観点でコンサルとエクサウィザーズを比べた時に、それができる組織的な能力はエクサウィザーズの方があると個人的には思います。3つ目は「フィードバックループの回数」ですが、これは企業の文化や規模に紐づいていると思います。コンサルやエクサウィザーズでは、1~2週間単位で自分が何をやって、その結果がどうで、だからどうすればいいのかというフィードバックを上司からもらえる環境です。それができているスタートアップもあれば、できていないスタートアップもあると思います。なので、スタートアップだから成長できるかというとそうではありません。自分が成長するための仕組みが根付いている会社か、という点についてよく見た方がいいと思います。以上をまとめると、AIやデジタル、また事業を作ることに興味があるなら、コンサルに行かずエクサウィザーズに行くと思います。
河井:
私は、自分がやりたいことを見据えて、そこにリスクを取ってダイレクトに行くのが重要だと思います。自分の例で行くと新卒でゴールドマンに行きましたが、もともとは会計士や商社、コンサルに行くことを真剣に考えていました。入ってすぐクビになる可能性も全然あるところにいきなり入っていいのかと迷い、会計士の資格やMBAをとって5年後くらいに投資銀行に行くというようなことも、大学時代に思い描いていました。ただ当時は「早くクビになったらそれだけ得だ」というようなマインドセットも持っていて、死ぬ気でやろうと覚悟してゴールドマンに飛び込みました。結果的にはそこですごく良い体験ができましたね。エクサウィザーズを選ぶかという観点でいうと、これから5~10年のエクサウィザーズの成長や、AIが当たり前になってくる段階において、飛び込む多少のリスクはあると思います。ただやる気があれば全て自分の大きな糧にできると思うので、むしろほとんどリスクがないと考えられると思います。やりたいところに最初に飛び込んで、そこで頑張って食らいつくというのが一番の成長に繋がるのではと思いますね。
事業会社とコンサルでは、どちらの方がデジタル領域における企業のニーズを深く知れますか?
前川(知):
テクノロジーの会社であれば、事業会社の方がいいと思います。デジタルと言っても色々あるので、デジタルマーケやAIなど、基本的にはその領域の事業会社が一番詳しいと思いますね。
羽間:
エクサウィザーズの場合は、法人向けだけでなく医療や介護の現場のコンシューマー向けのプロダクトもあるので、幅は広いと思いますね。法人の個社に対して提供していくのと、そもそも根本的にスコープが違う取り組みが事業会社にはあると思います。
前川(知):
エクサウィザーズなどの事業会社でプロダクトを作るときは、プロダクトが何百万社とか、場合によっては海外に広まって結果として儲かればいいなというのがストレートなゴールです。事業所有者としてプロダクトを作れるということは、エクサウィザーズに来た1つの理由でもありますね。
各メンバーと話してみたい方はこちらからご連絡下さい:
前川(智)さん:
河井さん:
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