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テックリードが振り返る 社会課題を解決するためのプロダクト立ち上げ初期に〝あえて〟大切にしたこと

エクサウィザーズの2022年アドベントカレンダーの11日目の記事です。

エクサウィザーズ の技術統括部CareWizグループで「CareWiz トルト」のテックリードをしている佐藤知哉です。

私からはCareWiz トルトのWebアプリ版をリリースしてからハイスピードでプロダクト改善を行なっていった話をご紹介したいと思います。技術的な観点での細かい話はあまりせず、開発チームのポリシーやビジネスメンバーとの連携などのチーム作りを中心に話そうと思います。

技術の細かい話も気になる方は、エクサウィザーズのもうひとつのプロダクトである介護音声入力アプリ「CareWiz ハナスト」のテックリードの原さんが面白い話をされているので、そちらもチェックしてみてください。

また、そもそも「CareWiz トルトって何?」と思われた方は、こちらの松下さんのアドベントカレンダーの記事も是非ご覧ください!

これまでのキャリア

学生時代に、OCRを利用したtoB向けの帳票管理ツールを販売している会社の技術部でプロトタイプの開発や画像処理による認識精度向上のための研究などを行なっていました。

大学院卒業後は、Webポータル系のtoCサービスを扱っている会社にフルスタックエンジニアとして入社しました。いくつかの事業部を渡り歩き、主に新規事業開発を行なっていました。新規事業は事業としてうまく成り立たないことの方が多く、立ち上げと同時にクローズ対応も多々経験しました。

エクサウィザーズにはこれまでと同様にソフトウェアエンジニアとして入社して、立ち上げフェーズにある自社プロダクトやAIプラットフォーム事業の開発を主に担当しています。

CareWiz トルトの開発チームについて

CareWiz トルトの開発チームは以下の6人体制で行っています。

プロダクトマネージャー: 稲葉さん
ドメインエキスパート: 吉村さん
デザイナー: 児玉さん
テックリード: 佐藤
ソフトウェアエンジニア: 髙橋さん、千葉さん

みなさんそれぞれの領域のエキスパートの方で、かつ、フットワークが軽いのが特徴です。特に介護業界でプロダクトを発展させていく上では、ビジネスチームではなく、開発チームにドメインエキスパートが存在するのがかなり重要なポイントです。我々のプロダクトがどのようにユーザーに影響を与えるのかをチーム内で確認できることは開発サイクルを早めていく上でかなり有効です。

プロダクトはリリースしただけで終わらない

以前のCareWiz トルトは iOS版のモバイルアプリで提供を行っていたのですが、「Androidデバイスを利用しているユーザーでも使いたい」、「素早いPDCAを回すためには現状の体制だと厳しい」などの理由から、リニューアルも兼ねてWebアプリ版のリリースを行うことになりました。iOS版をなるべく踏襲しつつも、全体の見直しを行い、今年3月にWebアプリ版 CareWiz トルトをローンチしました。

リリース後に開発チームとして目標としたことは「必ず毎週アップデートを行う」ことです。アップデート内容は新機能となるものから、利便性向上のための機能修正など粒度感は様々ですが、毎週欠かさず何かしらのアップデートを行っていて、今でもこれは実施しています。そうした理由は主に2点になります。

1.リリース内容がユーザーに有効に受け入れられているかを常に検証する

2.ユーザーの声を早く拾うことができる

1がかなり重要です。CareWiz トルトはまだまだ生まれたばかりのプロダクトなので、長い時間をかけてじっくり機能要件などを煮詰めて、UX調査して、堅実に実装をしてリリースしたとしても、実際にユーザーに使われるかどうかはわかりません。(もちろん、大きめの新機能などでユーザーへの影響が大きいものをリリースする際は慎重に進めていくこともあります)

しかし、基本的にはMVP(Minimum Viable Product)の考え方になるべく基づいて、とにかく早くリリースして効果検証をしていくことを目的としています。必要最低限の機能状態まで実装・リリースし、効果があればさらに磨きをかけて、ユーザーに還元します。

この開発方針で進めていったこともあり、リリース時のCareWiz トルトは必要最低限の機能で、かつそれもシンプルな状態でした。しかし、サービスを利用される方は介護業界の様々な業種・職種の方なので、メインで利用する目的や機能の使い方が少しずつ異なるという特徴があり、その動向を見ながら今に至るまで、素早く機能拡充・修正を行っていって多くのユーザーにとって使いやすいプロダクトになるよう常に改良を重ねています。プロダクトを良くすることが、利用者のユーザビリティ、そして社会課題解決につながっていくという思いがあるからです。

2も重要で、介護業界ではあまり前例のないプロダクトを開発していくことになるので、貴重なユーザーの声を反映して、多くの方に受け入れていただけるようなプロダクトに成長させていくことと、さらにユーザー自身がCareWiz トルトのファンになっていただき、一緒にプロダクトを伸ばしていきたいという思いもあります。

そのために、開発チームとビジネスチームで分断されないよう気をつけていて、私やプロダクトマネージャー、ドメインエキスパートを中心に日常的にプロダクトのことやセールス、マーケティングについてみんなで話す機会を作るようにしています。

プロダクト立ち上げ初期のポイント

プロダクトの立ち上げ時のお話しにも触れたいと思います。開発も含めてプロダクトをどうしていくか?の設計が必要です。ただし、その際にはなるべく中間製作物を作らないようにしています。例えば、カスタマージャーニーマップやペルソナなどは極力排除して、プロダクトのコアバリューの認識をメンバー全員で徹底して揃えることに注力しました。それによって、より早くプロダクト実装にたどり着いて早くリリース&効果検証を行っていくことができます。

プロダクト成長という観点では、プロダクトKPIもプロダクトグロースサイクルを定めて、そのサイクルのキーポイントのみを最初のKPIとして追っていくことでよりシンプルにプロダクトの全体感を掴むことができ、方針を決めるための意思決定のスピードを早めることができます。

また、チームメンバーのパーソナリティとして「ネガティブケイパビリティ」をどれだけ身につけているかは重要です。これまでの話の通り、ハイスピードでPDCAを回していくことを重視しています。その反面、かっちりとした仕様を決めずに進めることも多いです。そのような進め方に対して個人がどれだけ自分の中で折り合いをつけてパフォーマンスを発揮していけるのかが重要ですし、そのためのコミュニケーションの機会やプロダクト・プロジェクトの立ち位置を共有するようにしています。

開発チームの今後

開発チームとしての今後を見据えたポイントは2点あります。

1つめは新しい解析機能の開発です。CareWiz トルトの主要機能は歩容解析機能です。今後は歩容解析に閉じずに色々な解析機能を増やしていきたいと思っています。特にフレイル予防の観点で見ると、オーラルフレイルも重要になっていきます。例えば「噛みやすさ」だったり、「飲み込みやすさ」、「話しやすさ」などを解析できるAIを開発することで、これまでリーチできなかったサービス種別の事業所やニーズにリーチできるようになります。

2つ目は既存の歩容解析機能のアップデートです。今の解析機能でも多数のユーザーにご満足頂いているのですが、より使いやすく、よりわかりやすく、いろいろな切り口の分析結果を提供できるようにしていきたいと思っています。具体的にいくつかの取り組み事項をあげると「解析時間を早くする」ことや「解析結果の共有のUX改善」など粒度も大きいものから小さいものまでバラバラですが、これらもハイスピードでリリースしていく予定です。

最後に

ここまで読んでいただきましてありがとうございました!
今後もハイスピードで社会課題に挑戦していくためには、一緒にスピードを押し上げていただけるメンバーが必要です。特に上記にあげたように既存と新規の両面でプロダクトをより伸ばしていきたいと思っていますので、エンジニアでもデザイナーでも、はたまた別の業種の方でも、もしご興味があればお話ししましょう!

まずはカジュアル面談を申し込みたいという方はこちらから。

12日目は社長室の生田研一さんです!

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