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製薬、電機、金融、出版ーーーさまざまな業界から専門スキルのベテランが集まる社長室、AIスタートアップにおける役割とは

この記事は、エクサウィザーズアドベントカレンダー18日目の記事です。

はじめに

エクサウィザーズには多様な人材がいますが、そのなかでも各分野のプロフェッショナルを揃えているという面で異彩を放っているのが社長室です。現在8人が在籍していますが、その多くが50歳以上のベテランとなります。

社長室の英文名称は「Corporate Strategy Office」。経営企画とは異なる目線で、経営陣とともに全社の様々なビジネスを支援しています。

今回は、ビジネス系出版社の日経BPから今年(2021年)の9月に転職、社長室に所属し「マネージングエディター」を務める市嶋が、それぞれのベテランメンバーに、「なぜエクサウィザーズを選んだのか、実際に入ってみてどうか」「専門性をどのように生かしていくのか」「今後、実現していきたいこと」などを本音で語ってもらいました。

「地元や世の中の社会課題解決に貢献できる」

市嶋:まず皆様にお聞きしたいのが、エクサウィザーズにジョインすることになったきっかけです。社歴の一番長い、中嶋さんにお聞きできませんか?

中嶋:社歴が長いと言っても、2018年の入社です。実はもともと転職する気はありませんでした。前職は製薬業の興和だったのですが、ある会食を通して会長の春田さんとの接点ができ、「最近の製薬業界のトレンドはこうですよ」と少しやり取りをするようになりました。

そしてたまたまですが、エクサウィザーズの求人に自分にあったポジションが掲示されていたのですが、残念ながら「募集終了」となっていました。そこで春田さんに半分冗談で「受けようと思ったのに、終了していました」とメールを送ったら、「本当に来る?なら、人事を紹介する」と返事をもらいました。

私は福岡市の出身ですが、生まれ育った街に何か還元できそうというのも入社を決めた理由です。そういう意味でも、エクサウィザーズが本国と連携して取り組む認知症ケアの技法「ユマニチュード」※の存在が大きかったです。福岡市は「認知症フレンドリーシティ」を目指し、行政としてユマニチュードの普及を行っています。

※「ユマニチュード」はフランスの二人の体育学の専門家イヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティが開発したケア技法で、フランスのSASユマニチュード社の登録商標です。エクサウィザーズは、日本で唯一ユマニチュードの正規事業ライセンスを保有し、SASユマニチュード社認定を受けたインストラクターによる研修事業を展開しています。

図3

市嶋:北島さんはいかがですか?なぜエクサウィザーズを選んだのですか?

北島:私はソニーで人事・採用の統括部長をやっていたのですが、毎年ものすごい量の新卒の方からご応募をいただいていました。採用はある意味スピード感が必要な業務です。当時、元々知っていた社長の石山さん(当時はリクルート)に「応募書類の選考にAIの力を得られないか?」と相談したのです。すると、学歴に関係なく、こちらの考える活躍が期待できる人材の特徴から、それぞれの応募シートに仮の順番をつけてくれるAIロジックを開発してくれたのです。それを該当する事業部の責任者に渡したところ、「これほぼあっているよ!」との評価を得られました。

それ以降、石山さんはAIで課題を確実に解いてもらえる稀有な人で、それをエクサウィザーズでも展開されているのだなと思っていました。その後、ソニーで役職定年となったタイミングで、「エクサウィザーズで私のこれまでの経験をお役に立てないか」と聞きましたところ、エキスパートの集まる社長室に是非来てほしいとご提案いただき、参画させてもらうことになりました。

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市嶋:秋山さんは私とほぼ同じ今年の秋入社ですね。秋山さん、北島さんの経歴はAIスタートアップらしからぬと思っていましたが、SMBC日興証券という大手証券会社の元常務ということで、さらに驚きました。

秋山:エクサウィザーズは前職とはまさに対角線上にある会社ですね(笑)。私の場合、みなさんと少し違うかもしれません。いったん社会人人生を一区切りつけてからエクサウィザーズに転じました。今年6月に定年となって次のステップをどうしようか考えていました。36年間の会社生活で積み上げた経験やネットワークを、若くて伸び盛りの会社の成長のサポートに使うことができないかと思うようになっていました。

そうして退職から3ヵ月ぐらいした時、知り合いを通じて、社長の石山さんと、取締役の大植さんと会うことになりました。そしたらもうその場で「お手伝いしますよ」となったのです。社会課題解決という会社の向かっている方向、お二人の人柄ですぐに決めましたね。自分自身が貧困や格差をなくすことやSDGs的なもので社会に貢献したい、とも思っていましたので。

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市嶋:私は日経BPで、ビッグデータ活用のメディアを立ち上げたり、米国シリコンバレーに赴任させてもらったりしていました。本当に感謝していますが、こうして先端に触れているうち、自分自身でもそこに立ちたくなっていました。記者は様々な企業や要人を名刺一枚で取材できますが、ほとんどが製品やサービスが出来てからの関与です。もっと最初からか関わりたい、という思いが止められませんでした。

そう考え始めた時でした。早朝に、以前よく取材していた石山さんから日経新聞のニュースの件で意見を求めるメッセージがきたのです。それもたまたま赴任先のアメリカから日本に帰国していた時でした。なんだか偶然というか、嗅覚がすごいというか(笑)。

石山さんと話をしているうち、メディアでの経験を生かしつつ、自分が求めているビジネスの内側に関わる仕事ができると思いました。米国に赴任する前は、データを活用した国の地方創生の取り組みにも関わっていたこともあり、社会課題の解決にも問題意識がありました。

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新ポジションの創出にチャレンジ

市嶋:皆さん、誰もが知っている大企業から、スタートアップへの転身です。家族や周囲は引き止めたりしませんでしたか?

ちなみに私の場合は、妻や娘が「定年まであと10年だし、やりたいことを選んだら」と背中を押してくれました。周囲は、「メディア出身者が、AIスタートアップで何をするの?大丈夫?」という反応が一番多かったです。

中嶋:僕の場合は周囲の9割ぐらいが「スタートアップはリスクがあるんじゃないの」「やめたほうがいいのでは」という反応でしたね。製薬会社では好きなことをやらせてもらえていましたし。ただ、今後の高齢化社会を考えたら、エクサウィザーズが取り組んでいるAIを活用した介護の支援など社会課題の解決はやりがいがあると感じていました。そこに貢献するという将来を選びたいと思っていました。

市嶋:北島さんはソニーの人事統括部長をやっておられたということですが、人事のプロの目から見てどうだったのでしょうか。

北島:まず感じたのは、この会社は社員から経営陣まで多彩な人がいるということですね。そしてお互いがしっかりと連携している。エクサウィザーズは、経営会議などをビデオ会議で全社員に公開していますが、そうしたオープンな文化もプラスに働いているのではないでしょうか。

秋山:私は海外勤務が多く、家族で一緒に海外に住んだり、一人で赴任したりしていました。家族のそれぞれが「やりたいことをやる」という感じで、特に反対はされませんでした。一方で、元の会社の同僚らは「なんで茨の道を」とびっくりする方もおりましたね。

市嶋:みなさん、それぞれの専門性を、エクサウィザーズでどのように生かしていこうと思われていますか?

私はずっと編集にいたので、今の「マネージングエディター」として、エクサウィザーズの会社、ソリューションやプロダクトをもっと様々な方に伝えて行きたいと思っています。エクサウィザーズに入って驚いたのが、非常に多くのソリューションやプロダクトがあることです。顧客の課題や置かれた立場で、どれをどう伝えていくのか編集目線で貢献できればと思っています

海外の企業に目を移すと、大手メディアからの転職先として、テクノロジー大手のGAFAなどにマネージングエディターというポジションが普通にあります。日本でももっと増えればいいと思いますし、それに貢献していきたいと思います。

若い担当に同行し案件支援

中嶋:私は大きく3つあります。1つ目は、製薬会社の研究所で働いていたので、製薬業界、実際の現場がどうなっているのかという知見を伝えることができます。

2つ目として、私が入社した時にはあまりシニアの人がいませんでした。顧客の上層部と面会するような場合に、若い担当者と一緒に顧客を訪問して、一緒に話を聞いたりコメントしたりしていました。

最後が渉外的な役割です。エクサウィザーズの取り組んでいる社会課題解決は、自治体や官公庁に関連することが多いです。そういうところとの関係作りも重要な役割だと思っています。笑い話かもしれませんが、飲み会の幹事も得意です。その飲み会で、会長の春田さんに出会ったので、人生はわからないものです。

秋山:私はこれまでの大企業との営業リレーションを使って、1社でも多くの企業にエクサウィザーズのソリューションやプロダクトを紹介し、採用されればいいと思っています。もちろんエクサウィザーズの良さが失われないような形がいいですね。現在は何社か繋がらせてもらい、併走しています。私もエクサウィザーズやAIについて勉強中なので、これからと思っています。AIに興味もありますし、実はこの業種はバンカーとして担当していた領域でもあります。

また、エクサウィザーズに入ってから、人材の多様性というもの、そしてその重要性を実感しました。ただ逆に、いろんな人がいる強みもあれば弱みもあると思うのです。大企業にいたので、そうした点で貢献していきたいですね。

北島:新型コロナウイルスの感染拡大が契機ですが、オンラインが前提の働き方になってきた時に何が変わるのか。どの企業も人事として共通課題であるはずです。これまでのやり方にこだわらない新たな方向性を考え、顧客へのソリューションとして提供したり、エクサウィザーズのプロダクトに盛り込んだりしていきたいと思っています。欲張りかもしれませんが、最初は気づかないものでも、だんだんとスタンダードとなって影響力を持っていくようなものをいち早く創出したいものです。

「大企業かスタートアップか」という選択は終わった

市嶋:今回の記事を読んでくださった方、特に40代、50代のエキスパートの方などは、ご自分のキャリアがエクサウィザーズでこのように生かせそうだというイメージを描いてくださっているかもしれません。ただやはり、東証マザーズの上場企業とはなるものの、スタートアップへの転職には踏み切れないという方もおられるのではないでしょうか。

転職を最終的に決断したポイントがあれば教えていただけませんでしょうか。

秋山:私はバンカーとして、顧客に会って話すとその場で相手のことが相当わかると思っています。石山さん、大植さんと会って感じたのは、ビジョンを持って夢をしっかりと語り、将来性がありそうだなということ。そして表裏がないというか、駆け引きのようなものもないと思いました。1時間ほど話を聞いて、その場で入社を決めてしまいました。

中嶋:私は前職で再雇用されている人を見て、60歳以降の将来イメージを描いていました。大企業ですので安定しています。でもエクサウィザーズに行くことで、なんか70歳になっても、やりたいことをやっている自分の姿を考えるようになりました。

あとは、あれほどすごい人なのに腰の低い石山さん、プロ野球の球団オーナーだった春田さん、この2人から「youやっちゃいなよ」と背中を押された気になり、入社しました。

北島:ソニーの歴史を振り返ると、確かに創業者は実にスケールの大きな人物でした。しかし、発足当初、会社の規模拡大は、そんなに簡単でないのが現実でした。ソニーは創業時に、戦前活躍したトップクラスの金融家などが参画し、資金や会社運営などの面で経験を活かしたバックアップしていました。これが結果的に会社の急速な発展につながった側面があります。いろんな専門性を持った、様々な世代の方がいるエクサウィザーズも、まさに同じフェーズにあるのではないでしょうか。

もちろんソニーも最初はスタートアップでした。こう考えると、転職や就職に際して、「安定した企業か?スタートアップか?」で迷うよりも、むしろ、その会社が「日本のみならず世界視点で社会貢献を目指している集団か」、「そのなかで自分は何が貢献できるのか」という判断基準を意識することが、極めて大切なのではないでしょうか

市嶋:成長を続けるエクサウィザーズに、社長室のメンバーの専門性と経験は欠かせないものとなりつつあります。日々、経営や様々な部門と連携しながら働いています。ベテランが若い経営陣を支えるという日本の新しい企業の形ではないかと確信しています。もちろん50歳以上という条件はありません(笑)。30代で米大手投資銀行から転職し、上場やその後の投資戦略を立てているメンバーもいます。コンサルティング会社の出身者は、各事業やプロダクトの戦略を立てたり、AIコンサルタントやエンジニアと連携して顧客提案をしたりしています。

こんな専門スキルが生かせそうと思いましたら、是非一度門を叩いてみてください。

図7
本メンバーで12月上旬に実施した忘年会。中嶋さんの都内の行きつけの店で定期的に開催し、会社のこと、家族のこと、世の中のことなどざっくばらんに話しています。

明日は、今井さんに博士課程進学支援制度について書いていただく予定です。

(更新しました)

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