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"不確実性"は、成長に欠かせない"筋肉痛"。元DeNAのPdMが次の挑戦の場としてエクサウィザーズを選んだ理由。

「PdMとして個人的に一番大切にしているのは『何をやらないか』を決めること。様々な専門分野の人が一緒に考えてくれる環境なので、『やりたいこと』が尽きることはありません。捨てがたい候補の中からやらないことを思い切りよく決める力が求められていると思います」

「エクサウィザーズ」で活躍する“ウィザーズ”たちを紹介するストーリー。

今回は、エクサウィザーズで開発した「幼稚園・保育所向けAIカメラサービス」でPdMを担当する若狭さんが登場。DeNAで様々なプロダクトのPdMを経験した若狭さんに、今のエクサウィザーズだからこそ経験できるPdMとしてのやりがいや挑戦について伺いました。

◾️ プロフィール

若狭達也(わかさ・たつや)

2008年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。新卒でディー・エヌ・エーへ入社し、ECモールの営業、海外航空券予約サイトのWebマーケティング、スマートフォンゲームのサーバーエンジニア・分析・企画を担当。その後、タクシー配車アプリのプロダクトマネージャーを担当し、Mobility Technologiesに転籍。2020年10月より、エクサウィザーズに参画。


適材適所を軸に歩み、たどり着いたPdMという職種

——若狭さんは前職のDeNAではもともと営業職からスタートしたと聞きました。どんな経緯でPdMになったんですか?

私は「人生をかけて成し遂げたいこと」があるタイプではなく、どちらかと言うと「自分に向いていることでいかに結果を出すか」を中心に意思決定してきました。

営業職は、大学時代のテレアポのアルバイトでいい成績を出せたこともあり「自分は営業職に向いているのでは」と興味を持っていたんです。

1日300件ほどコールドコールをすることもありましたが、最終的には月間MVPをもらえるほどの結果を出せるようになりました。

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——ご自身で思っていた通り、営業職に向いていたんですね。

そう思っていたのですが、営業をやればやるほど、努力では追いつけない高いレベルの人たちがたくさんいることがわかりました。そういった人たちに追いつくために頑張っていましたが、一方で「営業職以外の職種もチャレンジしてみていいのでは?」と思うようになったんです。

そこで、マーケティング部へ異動し、旅行サイトの流入数を上げるために、広告のコンバージョンレートを改善する施策に携わるようになりました。施策の中には、Webサイトを改善するものもあり、サービスを改善するという観点でPdMのような役割も担っていました。

ただ、開発経験がないために、エンジニアと踏み込んだやりとりができなくて。もっとサービス開発の知見を得たいと思い、サーバーサイドエンジニアや分析業務の経験を経て、DeNAの主力事業であるゲーム事業のPdMになりました。

より不確実性の高い環境への欲求

——いざPdMになってみてどうでしたか?

それが…なかなかうまくいきませんでしたね。特に悩んだのが、ステークホルダーのマネジメントでした。

私が担当したプロダクトの中には、企画面で関わっている企業、開発を依頼している企業など、複数社で共同で開発するものがいくつかありました。いろいろな方向を向いているステークホルダー間での合意を取り、同じ方向を向くように調整するのが私の役割でしたが、良い落とし所を見つけることができない場面が多かったです。

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——何が失敗要因だったのでしょうか。

関係者全員に同じ方向を見てもらうことの大事さを理解してなかったことだと思います。それ以来、合意形成のためのコミュケーションに時間を惜しまないようになりましたね。

——DeNAではずっとゲーム事業のPdMだったんですか?

いえ、いくつかのプロダクトを経て、タクシー配車アプリ「MOV(現:GO)」へ異動しました。

MOVはDeNAで最後に携わった事業だったのですが、この頃には最初の弱みだったステークホルダーマネジメントは強みに変わっていて、タクシー会社や開発会社などとうまく合意形成を取りながら進めることができるようになってきたと実感しました。

——自分の向いていることを仕事にできていたにもかかわらず、転職しようと思ったきっかけはなんだったんでしょうか?

私がMOVへ異動した時、すでにプロダクトのコアの機能は完成しており、グロース戦略に重きを置くフェーズでした。働く環境として全く不満を感じていませんでしたが、もう少しプロダクトのコアを決める「1から10のフェーズ」に近い、不確実性の高い中で意思決定する機会に身を置きたいと思うようになったんです。

そんな折に出会ったのが、エクサウィザーズでした。

「1から10のフェーズ」のプロダクトで、これまでのPdMスタイルをガラリと変える

——エクサウィザーズのどこに惹かれたのでしょうか。

エクサウィザーズにはプロダクトが多く、「ミニCEO」な役割を担うPdMが求められていると聞きました。裁量が大きい環境なら、自分の力を試せると思ったんです。

決定打となったのは、今自分が携わっているエッジAIカメラを使った新規事業にワクワクしたから。

もともと、「記録をする」という行為をテクノロジーでもっと簡単かつ付加価値のあるものにできないかと思っていて。例を挙げると、自分はボディメイクの大会に出るくらい筋トレや食事制限をしっかりするんですけど、やっぱり記録って面倒なんですよね。それを自動化できたら、ボディメイクに限らず食事管理をしないといけない方の役に立ちそうだな、とか。

記録を自動化することで解決できる課題が多いと思い、その領域でチャレンジをさせてもらいそうなエクサウィザーズへの入社を決めました。

——入社後は無事AIカメラの事業を?

そうです。今はAIカメラを利用した新しいサービスのPdMとして関わっています。保育園や幼稚園でAIカメラを活用することで、日々の振り返りを短時間で可能にし、子ども主体の保育をサポートしたり、園と家庭が一体となった保育・幼児教育の実現を目指しています。

子どもの主体性を育むのが狙いですが、親が意識しなくても、我が子の自己肯定感を高めるコミュニケーションを”自然としている状態”を作りたいと思ってます。

私が入社した時はAIカメラを保育園・幼稚園向けに何か活用できないかとサービスのコアバリューを定義している最中。まさに挑戦したいと思っていた「1から10のフェーズ」でした。

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——エクサウィザーズでは、PdMとしてどんな挑戦をしていますか?

一番の挑戦は、不確実性の高さを言い訳にせずに、事業の可能性を主張し続けること。もともと、データに裏付けされた確実性の高いところだけ自信を持って言うようなコンサバティブなコミットをするタイプでした。

しかし、新規事業の「1から10のフェーズ」は不確実性だらけです。「確実性があるものしかやりません」では、誰も投資してくれない。元々のキャラではないので、今でも内心不安に思うこともありますが、自分の意思を主張することで、新サービスの事業計画を承認いただけたり、コアバリューの定義ができたりと、不確実性の中で決めに行くという挑戦ができていると感じます。

「社会課題解決ができるPdM」として挑戦するため、目の前のことに向き合いたい

——入社して若狭さんが感じるPdMとしてエクサウィザーズで働く魅力はなんだと思いますか?

技術シーズから始まるプロダクト開発に携われることですね。

一般的に、ユーザーニーズから入ると、課題解決の手段が似たようなものになりがちです。競合も多く、プロダクトの力より、ビジネスの力で決まってしまうことも。

一方エクサウィザーズでは、持っている技術を組み合わせて、ホワイトスペースを生み出せる可能性があります。

また、一緒に働くメンバーも魅力的です。同じ部署かどうかは関係なく、サービスを良くするためなら進んで力を貸してくれる。例えば、元文科省出身の生田さんからは、幼児教育専門家の方を紹介いただき、自分が開発中の新サービスが提供できる価値について新しい知見を頂きました。

——最後に、これから若狭さんがエクサウィザーズで何を実現していきたいのかを伺いたいです。まずはPdMとしての今後のビジョンを教えてください。

PdMとしてのビジョンは、目の前のプロダクトを成功させることに尽きます。

サービスが使われているだけでは、「PdMとして成功した」とは言えません。現在開発中の新サービスに関しても、保育園や幼稚園で受け入れられるだけではダメ。保育・幼児教育のあり方を大きく変えるようなプロダクトにできて初めて、成功したと言えると思います。そうなれば、「社会課題解決ができるPdM」としてもっと大きな挑戦ができます。だからこそ今は、ただただ目の前のことに向き合い続けたいですね。

——それでは、新サービスを通じてどんな社会にしていきたいと考えていますか?

幼児教育に関心を持つ人が増えて、不確実性の高い世の中でも主体性を持って行動できる子どもたちが増えたらいいなと思っています。

私自身、サービスの開発に関わるようになってから、幼児教育について詳しく勉強したり、自分の子どもとのコミュニケーション方法を変えるようになったのですが、子どもにも自分にも変化を感じています。

子どもの成長が見て取れた時にちゃんと褒めてあげたり、逆に困っている時はすぐに全部助けて上げるのではなく、お手本を見せて、自分の力でやってみさせたり。子どもをよく観察するようになるんですね。そうすると日々の微細な変化にも気付くようになり、親としても嬉しい瞬間が増えるし、子どももどんどん主体性が身に付いていく。

そうしたコミュニケーションが増えて、幼児教育や保育のあり方をより良い方向に前進させたいですね。

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文:福岡 夏樹 編集/写真:稲生 雅裕


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