生成AI業界の1人目デザイナーとは?
このアドベントカレンダー(概念)は、株式会社エクサウィザーズの子会社であり、生成AIサービスの開発や販売に特化した株式会社Exa Enterprise AIについて、各メンバーがリレー形式でそれぞれのミッションや想いについて執筆するものです。
今回、新規事業・exaBase 生成AI事業がサービスリリース開始1年でARRが約9億円規模に到達し日本屈指のスピードで成長するSaaSとなったこと、そしてデロイト トーマツ ミック経済研究所の「法人向け生成AI導入ソリューションサービス市場動向 2024年度版」に関して2023年度のマーケットシェア1位を獲得したという、2つの素晴らしい成果も祝して、各メンバーが記事をお届けします。プロダクトやメンバーの魅力をより多くの方に知って頂けましたら幸いです。
前回の記事は、フルスタックエンジニアの ロイドデイビス・ジョナサンさんの「エクサウィザーズと共に歩むAIの挑戦」でした。今回は、デザイナーのCHOIが執筆します。
ものづくりへの情熱。他者に喜びを伝える使命
私は、2014年に日本へ渡り、武蔵野美術大学の造形学部にて視覚伝達デザインを専攻しました。
小さいころからものづくりが好きで、自分の作りたいものではなく、自分が作ったもので誰かに喜びを伝えたいと思っていました。そんな時に、武蔵野美術大学に私の考え方と合致する学部があると知りました。この学部では、「なぜこのデザインになったのか」プロセスを言語化できる点が魅力的で、ものづくりだけでなく物事のリサーチも学べることに惹かれました。
2018年に卒業後、新卒として広告代理店に入社し、その後IT・インフラサービスの事業会社でデザイン周りの業務全般を担当していました。自分が作ったものでユーザが喜んでいるのかどうかが見える業務をもっと突き詰めたい、だからプロダクトデザインに焦点を当ててやってみたいと思い、2022年9月にエクサウィザーズに入社し、現在に至ります。
AI技術とデザインの融合、プロダクトデザインへの挑戦
エクサウィザーズに入社した主な理由は、組織横断的なコミュニケーション、デザイナーとしての成長、そして新しい技術との関わりの3つです。
デザイナーの仕事は、ユーザーにサービスの価値と喜びを伝えることだと考えています。しかし、世間的にデザイナーはビジュアル担当という偏見も一部あり、組織的に他部署と関われないことを課題として感じていました。エクサウィザーズの面接を受ける中で、自分の課題に共感し、解決しようと挑戦している経験豊富なデザイナーの先輩が多く在籍していたことから、その環境で成長したいと思いました。
また、IT業界の人間として、AIという最先端の技術に近い場所で仕事ができ、AIの価値をユーザーに伝えるためのデザインを考え、実現していくことがデザイナーとしてのやりがいにつながると考えたことも入社を決めた理由の一つです。
エクサウィザーズに入社当初から、いつかはプロダクトデザインを経験したいと思っていました。そして、入社1年目のタイミングでExa Enterprise AIのプロダクトデザイナーとなりました。
最初は、子会社の1人目のデザイナーをやり切れるかという不安がありました。しかし、生成AIという最先端の技術の中心でプロダクト開発を経験できる機会だと思い、1ヶ月間悩んだ結果、「失敗よりも新しい経験を通して成長したい」という思いが強くなったため、異動を決意しました。困ったときは、本社のデザイナーメンバーや周りの方々に相談しています。
エクサウィザーズに入社して最初の1年間はデザインコンサル部門に配属され、主にクライアントワーク向けの提案活動や開発関係のデザイン業務をしていました。
2023年の10月からExa Enterprise AIに異動して、exaBase 生成AIとexaBase IRアシスタントなどのプロダクトデザインをメインにしています。もう少し詳しく説明すると、プロダクト制作に必要な設計(デザイン)に関わる全般的なことをしています。
例えば、サービスを使うユーザーの体験設計を探るために、PdM(プロダクトマネージャー)やビジネスメンバーと連携してニーズや課題を理解するための調査を行っています。そのニーズに基づいて分析やアイデア出しをしています。そして、生まれたアイデアをユーザーに届けるために開発メンバーと連携し、サービスのUI/UXを設計して実装しています。このようなルーティンが終わってからもユーザーの課題がちゃんと解決できたのかなどディスカバリーのワークを繰り返しながらプロダクトを成長させています。
そのほかにもExa Enterprise AIのコーポレートやマーケティング関係で、自社やプロダクトの情報を外部に伝えるため、バナー、LP、印刷物などのコミュニケーションデザインにも関わっています。
デザイナーとしてのやりがい「ユーザーの声」が原動力
デザイナーとしてやりがいを感じる瞬間は、自分がデザインしたものがユーザーに届いたときです。実際のユーザーから「とても使いやすかったです!」などのコメントを直接聞くことは、日々のモチベーションとなります。また、そのような体験を届けるまでのプロセスにもやりがいを感じます。
例えば、新機能の開発時に開発メンバーと『より良い開発をするためのデザインとは?』について議論しながらプロダクトをデザインしたり、新機能開発後にビジネス側と『この新機能をユーザーに届けるために、営業したくなる営業資料とは?』について議論しながらランディングページ(LP)や資料をデザインすることがあります。
つまり、サービス作りに関わるメンバーの業務体験(UX)が改善されたことで、最終的にユーザーの体験(UX)が向上したことを実感した時に、最もやりがいを感じます。最近では、ビジネス側から『この顧客の声はぜひデザイナーにも聞かせたい』と会議に誘ってくれたり、開発側から新しい視点での開発を提案してくれたりすることが増えており、ユーザーにより良いサービス体験を届けるための接点が増えてきていることを嬉しく感じています。
Exa Enterprise AIの1人目のデザイナーとして苦悩したことは、デザインを理解している人が自分だけだったことです。デザイナーの業務に必要な情報を議論する会議に招待されなかったり、デザインについての理解度や求められる役割が人によって異なっていたりしました。
最初はタスクに追われてバタバタしたり、ビジュアルだけを描く役割に制限されたりして寂しい思いをしました。そこで、「デザイナーの役割」について1on1や会議などで少しずつ周りに伝えていくことから始めました。
その結果、現在ではデザインが必要になりそうな時にいろんな方と相談できるようになり、事業の優先度からデザインのタスクを整理できるようになってきました。また、仲間も増えてきたので、引き続きデザインを広めていきたいと思います。そのためにも自分自身のデザインスキルを磨き続けることが重要だと考えています。
おまけとして、自分の業務改善のために、自分がユーザーになって自分が設計したプロダクトをいろいろ試してみることも、モチベーションにつながっています。例えば、ユーザーインタビューの練習をするためにexaBase 生成AIとリハーサルをしたり、インタビューの分析をするためにexaBase IRアシスタントの議事録要約機能を活用したりしています。
AIを活用した、顧客体験の継続的改善へのチャレンジ
今後は、引き続き、AIの技術を活用してユーザーにより良い体験を届け続けたいです。BtoBのサービスがメインなのでBtoCとはまた違う観点が必要ですし、変化が激しい業界でユーザーの課題とニーズもそれに合わせて変動が早いので、長期的にプロダクトディスカバリーをし続けたいです。
フェーズによっては、ビジネス目的とユーザーのニーズが一致していなかったり、開発のスケジュールによっては必ずしもベストなデザインが提供できない時もあります。1年が経っているものの、まだまだ挑戦どころは多い領域だと思います。このバランス調整を含めて、ユーザーの課題を解決するために適切な手段を活用して挑戦を続けたいです。
AI×デザイン、そして人。新しい技術の進化に合わせて、そのビジネス価値を正しく、ユーザーに伝わるようにすることがエクサウィザーズのデザイナーの役割だと思っています。そのプロセスはまだ未知で、誰も正解はわからないものだと思いますが、その価値に向けて探索し続けることが大事だと思います。
次回の記事は、IRアシスタントグループ・事業開発の牛田さんの「AI経験・コンサル経験・ソフトウェア知見zero〜異業種未経験分野への挑戦〜」です。お楽しみに!
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