機械学習エンジニアからソフトウェアエンジニアへ。社会貢献への情熱が導いた新卒社員のキャリアチェンジ
2023年に機械学習エンジニアとしてエクサウィザーズに入社し、現在はソフトウェアエンジニアとしてexaBase IRアシスタントの開発に携わる倉津さん。学生時代から機械学習や深層学習に興味を持ち、社会課題の解決に貢献したいという思いから、エクサウィザーズへの入社を決意しました。インターン経験や入社後の業務を通して感じた成長と学びについて語っていただきました。
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学生時代の研究が切り拓いた、エンジニアとしての将来像
── 学生時代の研究について詳しく教えてください。
倉津:大学の研究室では、画像ドメインを対象とした深層学習の研究を行っていました。具体的には、大量の画像を深層学習モデルに学習させ、機械学習の手法の一つである「教師あり学習」を用いてより精度の高いモデルを構築するための探索を行う研究です。当時はLLMよりもTransformerを用いない深層学習の方が画像分類問題における手法として主流で、「畳み込みニューラルネットワーク」と呼ばれるアーキテクチャを使って画像分類問題に取り組んでいました。
── 機械学習に興味を持ったきっかけは、何だったのでしょうか。
倉津:私が大学生になった2017年頃は、第4次AIブームの真っ只中でした。AIの技術的な革新があり、囲碁でAIが人間に勝利したり、工事現場での作業にAIが活用されるなど、社会でのAI活用が進んでいました。そうした時代背景もあり、AIの原理を学び、モデル構築や論文執筆を通して社会に付加価値を提供できる人材になりたいと考え、機械学習の研究を始めました。ただ使う側に立つだけでなく、原理を理解し、自分でモデルを作り出せるようになりたいという思いがありました。
開発したシステムが特許を取得。インターンでの経験が入社の決め手に
── 就職活動の軸となった考え方について教えてください。
倉津:就職活動を行う上で、私が重視したのは「機械学習の社会実装に挑戦できる環境があるか」と「世の中の変化への対応力」です。研究を通して機械学習の可能性を感じていた一方で、実社会への適用はまだ黎明期であり、ビジネスでの利活用における課題も多いことを認識していました。また、変化の激しい業界であることを踏まえ、新しい技術やサービスを柔軟に取り込み、適応し続けられる組織文化も重要な判断材料としました。そうした観点から選考を進めた結果、最終的にAI領域のスタートアップであるエクサウィザーズと、メガベンチャーの2社でインターンをさせていただくことになりました。
── エクサウィザーズのインターンでは、どのようなプロジェクトに携わりましたか。
倉津:エクサウィザーズのインターンでは、河川監視カメラの画像を活用した危険度検知システムの開発プロジェクトに参画しました。このプロジェクトを通して、私は機械学習を社会課題解決に活かすためのアプローチを体得することができました。現場の声に耳を傾け、技術の強みを最大限に引き出すプロダクト設計の重要性を学びました。また、インターンで作成したシステムは高く評価され、特許を取得することもできました。
これほどの成長機会を得られたインターン経験は、私にとってかけがえのない財産になり、入社の決め手にもなりました。
生成AIの登場で感じた不安と、新たな価値創造への転換期
── 入社直後の業務について教えてください。
倉津:入社直後は機械学習エンジニアとして、主にクライアントワークに従事していました。学生時代の研究分野であった画像ドメインの案件が多く回ってきて、クライアントの課題解決のために機械学習モデルを構築する業務を担当しました。自分の専門性を活かした開発ができる面白さを感じていました。
── 機械学習エンジニアとして働く中で、生成AIの登場をどのように捉えていましたか。
倉津:生成AIの登場は、自分の仕事や将来に大きな影響を与えるのではないかという不安を感じています。特に、自然言語処理や画像生成の分野においては、生成モデルの性能が飛躍的に向上しており、これまで機械学習エンジニアが手作業で行っていた学習データの収集や前処理、モデルの微調整といった工程が自動化されつつあります。また、APIを介して簡単に利用できるようになったことで、プログラミングスキルを持たない人でも、機械学習の恩恵を享受できる時代になりました。これは、一面では機械学習の民主化とも言えるポジティブな変化ではあるのですが、長年積み上げてきた自分の専門性が、どこまで通用するのかという不安を感じずにはいられませんでした。
一方で、不安に怯えているだけでは、この変化の波に飲み込まれてしまうだけです。むしろ、生成AIをどのように活用し、新しい価値を生み出せるかを考えるべき転換期なのだと、前向きに捉えられるようになりました。生成AIは確かに強力なツールではありますが、あくまでもツールでしかありません。重要なのは、そのツールをどう使いこなし、ユーザーの課題解決につなげていくかというビジョンだと気づかされました。
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機械学習からソフトウェア開発へ。exaBase IRアシスタントプロジェクトが切り拓いたキャリアの転機
──exaBase IRアシスタントの開発に携わることになった経緯を教えてください。
倉津:機械学習エンジニアとして働く中で、徐々に自分のスキルセットに対する危機感を抱くようになりました。一方で、以前からウェブサービスの構築に興味を持っていたこともあり、機械学習以外の分野でもスキルを磨きたいと考えるようになりました。ちょうどそのタイミングで社内でexaBase IRアシスタントのプロジェクトが立ち上がり、ソフトウェアエンジニアの募集があったので、自ら手を挙げて参加することにしました。キャリアの幅を広げるチャンスだと捉え、新しい領域に挑戦しようと決意した転機でした。
──ソフトウェアエンジニアとして働く面白さや、苦労した点について教えてください。
倉津:ソフトウェアエンジニアに転向して印象的だったのは、プロダクト開発の面白さです。exaBase IRアシスタントはSaaSのプロダクトで、ユーザー課題の解決に直結する開発ができることにやりがいを感じています。
機械学習エンジニアの頃は研究開発色が強く、技術検証の側面が大きかったのですが、今はよりビジネス課題に近いところで開発に取り組めています。PdMやデザイナーとも連携しながら、ユーザーの声を反映した機能開発を進められる点が魅力です。リリースした機能に対して顧客から喜びの声が届くこともあり、自分の仕事が価値創出に直結しているのを実感できます。
一方で、納期やスケジュールの面でのプレッシャーは大きいです。機能のリリースを公言している以上、どんなことがあっても期日を守らなければなりません。チーム一丸となって品質と速度を両立するための工夫を重ねる毎日ですが、それ自体がプロフェッショナルとしての成長につながっていると感じています。
──exaBase IRアシスタントのプロジェクトを通して、最も成長を実感したことは何ですか。
倉津:exaBase IRアシスタントのチームに加わった当初は、ウェブ開発の経験が浅かったこともあり、右も左も分からない状態でした。ある機能のUIを実装するだけでも1〜2ヶ月かかることもありました。それが今では、同じようなタスクなら2〜3日でこなせるようになりました。その成長ぶりを、新しくチームに加わったメンバーへのサポートを通して実感しています。わずか10ヶ月ほどでしたが、コードレビューでアドバイスできるようになったり、技術的な相談に乗れるようになったりと、自分自身の成長を目の当たりにしています。
プロダクト開発の経験を通して、単に技術力が向上しただけでなく、チームのために行動する意識や、エンドユーザーへの価値提供への責任感も芽生えてきました。スピード感を持ちながらも、仲間と助け合い、高め合うカルチャーは、エンジニアとしての成長に欠かせない要素だと感じています。
あなたの可能性は無限大。情熱を絶やさず挑戦を続けることが成長につながる
── 今後のキャリアで目指したいことを教えてください。
倉津:現在携わっているexaBase IRアシスタントを、事業としての成功に導きたいという想いがあります。リリースしたプロダクトに自分の指紋を残し、ユーザーの課題解決に貢献し続けることが直近の目標ですね。
長期的なキャリアの軸としては、プロダクト開発のあらゆる工程を自力でこなせるフルスタックなエンジニアになることです。機械学習や深層学習は重要な武器ではありますが、それ以外の分野、例えばソフトウェアアーキテクチャやインフラ、データ基盤など、さまざまな領域でスキルを高めていきたいです。その上で、事業目線や経営感覚も身につけ、より広い視座でプロダクトの価値向上に寄与できる存在になりたいです。
── 機械学習やソフトウェア開発の領域を目指す若手エンジニアに向けて、アドバイスはありますか。
倉津:自分の情熱や興味の赴くままに、学びと挑戦を続けて欲しいです。エンジニアとしての成長には、何かに没頭できる熱量が不可欠だと感じています。目の前の技術トレンドに流されるのではなく、自分の信念に基づいて、学ぶ姿勢があってこそ、難しい課題に立ち向かう原動力になるはずです。
エンジニアを志す学生の中には、生成AIの発展を脅威に感じる方もいるかもしれません。他にもクラウドの普及や、ノーコードツールの台頭など、劇的な変化が起きています。そうした変化の波を恐れるのではなく、むしろ、新しい技術を積極的に取り込み、自らのスキルセットを進化させ続けることが大切だと思います。
また、技術的なスキルと並んで、ビジネス感覚やコミュニケーション能力を養うことも忘れないでください。特に、プロダクト開発の現場では、エンジニアリングの専門性だけでなく、ユーザー視点に立った発想力や、関係者を巻き込む調整力が問われます。技術の力を社会課題の解決につなげるためには、自らの殻に閉じこもるのではなく、積極的に外の世界とコミュニケーションを取ることが不可欠です。学生時代から、インターンシップや課外活動など、様々な経験を通じて視野を広げておくことをおすすめします。
──学生に向けて、メッセージをお願いします。
倉津:私からのメッセージとして、「あなたの可能性は無限大である」ということを伝えたいと思います。興味の赴くままに、様々なことにチャレンジし、時には失敗も恐れずに、前に進んでください。そうした姿勢を持ち続ける限り、きっと、あなたの可能性は無限に広がっていくはずです。是非、自分の信念を大切に、テクノロジーの力で、社会課題の解決に挑戦し続けてください。
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