【通期インターン体験記】インプットとアウトプットの繰り返しだった日々は、インターンというよりも副専攻のようでした。
はじめに
2020年11月より約1年半、技術統括部 AI Frontier部 構造化データギルドでインターンをさせていただきました千葉です。この記事では、機械学習・AI初心者レベルだった学生がエクサウィザーズでインターンをした経験やその学びをお伝えします。エクサウィザーズでのインターンが気になっている方の参考になれば幸いです。
自己紹介
私は、東京工業大学 生命理工学院の博士後期課程1年生で、主な研究テーマはヒト腸内細菌と疾患の関連性の解析です。ヒトの健康や疾患には腸内細菌が関与しています。私はこのことに深く感動しており将来、腸内細菌を用いたヘルスケア技術の確立を目指しています。
修士課程在学中に、前述の技術を実現するためには、腸内細菌から健康状態や体質を予測・診断する必要があると気づきました。しかし、腸内細菌は数や個人差が大きいことが特徴です。そのため、生物学の研究のみならず、機械学習等のアプローチによって腸内細菌の動態全体を解析することが重要であると考えるようになったのです。
ちょうどその頃、科学技術分野における教育、人材育成などを手かげるリバネス社主催の学生と企業の交流イベントで社長の石山さんと出会い、「腸内細菌×機械学習」についてディスカッションする機会がありました。そこでの会話から、腸内細菌研究の成果の社会実装には、AIや機械学習によるアプローチが選択肢を広げるという示唆を得たのです。このことがきっかけとなり、「腸内細菌研究と機械学習のビジネスを学ぶことで将来に活かせる」と思い、エクサウィザーズでのインターンに参加しました。
業務内容
微生物と機械学習に関する案件の解析補佐や、トレンド調査等を中心に行いました。具体的に行ったこととしては、
1. イチから機械学習の勉強
インターン開始当初は、Pythonのコードは書けたものの機械学習の知識はほとんどゼロの状態でした。そのためはじめの数カ月間は、メンターの井上さんのサポートのもと、おすすめの書籍に沿って機械学習の基礎をたたきこみました。これによって、機械学習のコーディングを学んだほか、解析の目的に合わせた機械学習手法を検討できるようになりました。
2. 精進料理による腸内細菌の変動の解析補佐
修行中のヒトは精進料理を食べるほか、お勤めを行うなど、修行僧でないヒトとは異なる日常を送っています。生活習慣の変動を反映する腸内細菌を、修行前後で比較することによる新規知見の獲得を目指して始まったプロジェクトにも少し参画させていただきました。(関連記事)
このプロジェクトで私は、腸内細菌を調べるタイミングや腸内細菌以外の調査項目の検討など、研究計画のための調査を行いました。探索的なテーマの案件を、ビジネスとして進めていく過程を間近で見られた点は貴重な経験でした。
3. 家畜動物の腸内細菌と成長の関連性の解析補佐
家畜動物の腸内細菌や体重等のデータから、成長に寄与する因子の解析補佐を行いました。クライアントとのプロジェクトであったため、クライアントの要望も踏まえた上で、解析の目的を鑑み、手法を検討しました。
このときインターン生活の中で初めて実データを扱ったため、学んだことを実践できた機会としてとても記憶に残っています。また、井上さんとのやり取りの中で、機械学習エンジニアによるデータの扱いを見ることができたのも良かったです。
社員との関わり・ワークスタイル
インターン期間中は、井上さんと週1回程度の進捗報告会やプロジェクト会議に出席するなど、修論執筆などの研究と兼ね合いを取りながら勤務していました。
各プロジェクトでは井上さん以外の社員の方々とも関わる機会がありました。修行僧の腸内細菌プロジェクトでは社長の石山さんや社長室の中嶋さん、AIプラットフォーム事業部の林さんとともに、修行僧の腸内細菌のデータとどんな情報を掛け合わせれば次のビジネスに示唆を与える結果を得られるかなどを議論しました。家畜の腸内細菌叢解析プロジェクトではAIコンサルタントの吉本さんと、ビジネスと親和性の高い細菌叢解析の事例を議論したことが印象的です。
また、エクサウィザーズでは定期的な勉強会が開催されています。私も勉強会に参加させてもらい、このようなアウトプットの機会を通して直接業務では関わりのない社員の方々とも関われたことが記憶に残っています。私はインターンを始めて一年程経った頃、機械学習の勉強のまとめとして「腸内細菌解析における機械学習手法応用の背景や事例」という題のほか、日本微生物生態学会の参加報告として、「微生物解析における機械学習手法応用のトレンド」という題で発表しました。
学び、今後にどのように生かしていくか
インターンには研究の一歩先、ビジネスを学ぶつもりで参加していましたが、終わった今は研究の基本姿勢を学んだという印象が強いです。それは、「解析結果や調査結果から何が言えるのか、どのように応用できそうか」を常に考えることが求められていたためです。当たり前ながら、アウトプットとセットで考えることは研究もビジネスも同じであると気づくことができました。
終わりに
コロナ禍にフルリモートで始まったインターンでしたが、インターン前に立てていた目標以上の収穫を得ることができたのは、採用部の佐藤さんをはじめとする社員の方々から、井上さんという心強いメンターをつけていただいたおかげです。また、多くの出会いをもたらしてくださいました社長室の中嶋さんや、お世話になった社員の皆様に感謝を申し上げます。
エクサウィザーズでの経験を基盤として、まずは研究に邁進し、成長を続けていきたいと思います。将来は、世界中のヒトの体質改善のための献立を予測・提案するAIを作り、“幸せな社会の実現”の一端を担えるようになりたいです!
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