【春田さんに聞いてみた】DeNA会長・球団オーナーを経て、2周目のベンチャーの組織作りで意識している10のこと # 採用帰れま10 vol.05 イベレポ
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【春田さんに聞いてみた】DeNA会長・球団オーナーを経て、2周目のベンチャーの組織作りで意識している10のこと # 採用帰れま10 vol.05 イベレポ

DeNAの元取締役会長であり、現在エクサウィザーズの取締役会長を務める春田さん。投資家・経営者・球団オーナーなど、様々な視点を持つ春田さんは、2週目の組織づくりでどんなことを意識しているのか。

6月23日、「【春田さんに聞いてみた】DeNA会長・球団オーナーを経て、2周目のベンチャーの組織作りで意識している10のこと # 採用帰れま10 vol.05」と題し、春田さんの経営に対する向き合い方やスタートアップの人事に期待していることなどを伺いました。

この記事では、同日のイベントレポートをお届けします。

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(忙しい人向け10の学び)

DeNAの組織づくりの経験を踏まえて、エクサウィザーズで活かしていること

半田:自社イベントとはいえ、春田さんの会は緊張しますね(笑)。よろしくお願いします。

春田さん:よろしく(笑)。

半田:最初のテーマはDeNAの組織づくりの経験を踏まえて、エクサウィザーズで活かしていること。エクサウィザーズとDeNAだと、事業やフェーズ、社会状況も違うと思うので、一概に言うこともできないとは思うのですが、いかがでしょうか。

春田さん:まず、DeNAとエクサウィザーズ、どちらの組織を作る上でも大切にしているのが、主体性を持った人を集めること。というのも、基本的には入社した人には、やりたいことをやってもらいたいと思っているから。もちろん、会社の優先順位や枠組みの中で、という制限はあるけれど、できる限り、やりたいという気持ちを尊重したい。なぜなら、その方が結果として事業の成功確度が高いと思っているか。特にスタートアップなんて、成功するかわからないけど、やるべきことはわかっていて、そのために邁進するしかない状況なので、自主的に取り組みたい人が多い方が組織として強い、と思うんです。

一方で、エクサウィザーズを運営する上で挑戦しているのは、個の強さだけでなく、組織として強くなり、活躍できる人を増やすこと。前提として、どんな環境でも活躍できるかつ、主体的なメンバーを採用し続けなければならないと思っています。しかし、面接だけではわからないことがどうしてもある。働いてみたら、環境とマッチせずに活躍しきれなかったということもあるわけです。じゃあ、どうしたら活躍できる人を増やせるのかと考えると、やっぱり仕組みだなと。

半田:仕組みづくりを意識し始めたタイミングや出来事はあったんでしょうか?

春田さん:色々ありますけど、DeNAを卒業して外で活躍しているメンバーを見ると、働く環境をもっと良くできたら彼ら、彼女らがDeNAの中でよりパフォーマンスを最大化できたのでは、と思うことはありました。

半田:活躍する環境を仕組みで作っていく以外に新しく取り組み始めたことはありますか?

春田さん:自分たちが何を目指しているのかをより明確に示すようになったと思います。DeNAにいた時は、会社が大きくなることで社会に貢献できることがあるだろうと思っていたので、まずは組織として大きくなることを目指していました。

DeNAに入社してから20年以上経って、時代も変わって、今の若い世代の人たちがどんなことに関心があるのか考えてみると、社会貢献になることがしたい、という人がすごく増えていると気づいた。自分としても、新しい取り組みをしたいと思っていたこともあり、ちょっと青臭くなってみようと。それで、エクサウィザーズは、AIで社会課題を解決する会社だ、という旗を立てました。エクサウィザーズでは、その路線をずらすつもりもないし、それを実現しようと思っている人を増やしたいと思って、何度も何度も自分から会社のミッションを発信しています。

球団づくりと組織づくりの共通点

半田:組織経営における仕組みの話からのスタートでしたが、人が活躍する環境や入れ替わりに対する対応という点は、次のテーマである球団経営と組織経営の共通点や違いにもつながる部分がありそうです。

春田さん:まず、球団を経営することと、野球チームをマネジメントすることは全然違います。球団経営とは、株式会社横浜DeNAベイスターズの運営。つまり、会社の運営です。

野球チームのマネジメントというと、それは野球選手がどうやったら活躍するかを考えることになるわけです。おそらく、聞きたいのは、後者の野球チームのマネジメントだと思いますが、組織運営との一番の違いは、人数の制限があること。スポーツは興行ですから、パワーバランスが崩れたらダメなわけです。でも、会社経営は100人対10人で競っても良い。

半田:ビジネスの場合は成長していくことを前提にどんどん戦略を立てるけど、球団のマネジメントの観点だと、そもそもの前提条件が違うということですね。

春田さん:ただ、共通点ももちろんあって。それは、最初の話にもつながるけど、人が活躍する環境をどう作れるか、ということ。野球の場合だと、お客さんが100人の試合と1万人の試合では、やっぱり後者を経験している人の方が伸びるんですよ。それは、いい意味でプレッシャーがかかって頑張るから、というのもあるし、大舞台で活躍したい、という欲求に沿っている部分もある。ただ、どんな背景であれ、その環境を作れるかどうかが大事。

会社も同じです。違う点としては、社員それぞれが実現したいことが異なるので、何を大事にしているのかをちゃんと発信して、期待値のズレをなくすこと。

元々僕は人を採用するということに対して、基本的にはすごく保守的なんです。結局、選んでるのは本人で、会社は選ぶ材料を提供しているだけとはいえ、人を採用することは、すごく責任のあることだと思っているんです。

なので、一旦採用した人を、戦略のミスなど会社都合の理由で解雇するのは絶対したくないと思っています。だからこそ、環境づくりがが大事だと思うんです。

スタートアップで求められる人事や制度とは

半田:次のテーマは、スタートアップにおいて、必要とされる採用人事について。会社のフェーズや目的によって当然違う、という前提はあると思いますが、いかがでしょうか。

春田さん:一人目の人事を採用するのであれば、営業出身の人を採用します。スタートアップにとって、人を採用するというのは、会社の成長そのもの。どんどん人を採用しなければならない。ということは、自分の会社をどんどん売り込まないといけない。営業出身の人だと数字に対するこだわりや、達成するための貪欲さが強いから、初期のフェーズでは向いていると思います。

その後に、中の制度を整えるために制度づくりやマネジメントが得意な人を採用していくという流れかなと思っています。あくまで一個人の意見ですが。

半田:今、制度の話が出たのでお伺いしたいのですが、よく組織における50人の壁、100人の壁、という話があって、例えば、50人になったら制度設計をしましょう、と言われたりしますが、春田さんはこの壁の話をどう思いますか?

春田さん:僕は、あまり50人だから、100人だから、というのは意識していないですね。人数と言うのは、目標から逆算して決めるものだし、採用した50人が、どう採用されたのかでも異なる。むしろ制度を作ることで満足してしまわないかを危惧しています。

例えば、50人で評価制度を入れようとなったときに、5人の時入れなかったのはなぜか、10人の時入れなかったのはなぜかを考える。制度を入れなくても解決できないかを考える。もしかしたら対面で10分話せば解決する個人的な話かもしれない。

スタートアップの経営ですごく大事なのが、問題が起きた時、その原因が何なのかを突き詰めることだと思っています。原因が見つかったら、正解を探すのではなく、自分たちが選んだ方法をどうやったら正解にするのかを考えること。もちろん、うまくいかなくて、その時は失敗だとなってしまう時もあるでしょう。でも、その学びを受けて、どうしたら選んだことを正解にできたのかを考えること。その試行錯誤の連続が、スタートアップが生き残るために大事なんじゃないでしょうか。

一番大切なのは、「自分たちが今、何をすべきか」に向き合うこと

半田:最後に春田さんが組織づくりで大切にしてきたことをまとめとして10個の学びにまとめたいと思いますがいかがでしょうか。

春田さん:実は、この質問は難しいなと思っているんです。なぜなら、組織づくりは経営者がやるべきことの一つだと思っていて、これだけを意識してきた、ということはあまりないんです。

経営者がやるべきことは大きく五つに分けられると思っています。一つ目が売上を上げること、二つ目はコストを下げること、三つ目は人を採用すること、四つ目が組織をつくること。それで何よりも大事なのが、五つ目の未来に投資すること。

だから、組織づくりの話だけをすると、周りの状況や組織論などと比較して、今やっていることは正しいのか、今のフェーズでやるべきことは何か、という議論になりますが、経営という枠組みで捉えると、そこだけに終始する話ではないですよね。

DeNAの時も「自分たちが今、何をすべきか」を考えてやってきました。振り返って抽象化すると意識していたことがあるかもしれませんが、その当時はとにかく全力で目の前のことに取り組んでいた、という方が正しいですね。

半田:組織づくりは、会社経営の一部でしかない、ということですね。挙げていただいた五つ中の一つ、「未来に投資する」ということについて、視聴者の方から質問が来ています。会社の売上を上げることと、持続可能な社会を作ること、どちらも重要だと考えているのですが、未来に投資するとは、どういうことなのか、もう少し詳しく教えてください、とのことです。

春田さん:これは個人的に勝手に思っている前提で話しますが、「未来の投資」とは経営というスコープの中の話で、会社の未来への投資です。どうしたら会社を成長・持続させ続けられるのかについて考えるということ。

世の中の変化のスピードが早くなる中で、どこに投資をすればいいのか見極めるのはどんどん難しくなっています。特に上場をすると自分たちの収益をずっと上げ続けなければならない中で、今儲かっている事業から、別の事業に投資する判断をするのはとても難しい。なぜなら、収益を落とすかもしれないから。今も見据えながら、将来のことも考える。最近エクサウィザーズのアドバイザーとして就任された早稲田大学ビジネススクール教授の入山先生の言葉を借りるなら「両利きの経営」をするということ。

じゃあ、会社が伸びればそれで良いのかというと当然そうではない。質問してくださったように、ESG投資のような形で、サステイナブルな社会を作るための事業は社会の要請として求められています。これからの社会で会社の未来に投資するということは、ESG投資などを意識せざるを得ない。ですので、会社の未来に投資することは、結果的に社会の未来への投資につながるとだと考えています。

半田:社会貢献を達成するための手段としてビジネスを選んでいるのには理由があるのでしょうか?

春田さん:二つ理由があって、やっぱり、全く給料が出ない状態で事業を持続させるのは難しいと思うんです。個人で続けることはできるかもしれないけど、社会課題は基本的に多くの人を巻き込まないと解決できない。お金という誰にとっても価値があるものを、人が動くテコとして使う方が、今の社会の仕組みでは良いのではないか、と思っているんです。

これはボランティアを否定しているわけではありません。人の善意は素晴らしいと思っています。しかし、ただお金を与えるだけでは難しい側面もある。これが二つ目の理由でもあるのですが、もしビジネスであれば、例えばボランティアで作った下水道を存続させるためにカスタマーサポートを強化しようという発想になるかもしれない。社会貢献とお金はややもすると離れた概念として捉えられてしまいますが、ビジネスだからこそ解決できることもあると思っています。

半田:ありがとうございます。組織づくりの話だけでなく、ずっとビジネスに携わられてきたからこその学びがありました。そろそろ時間ということで、この辺りで終了とさせていただきます。改めて春田さんありがとうございました!

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