元DMM.comラボのCDOが、余暇を埋めるのではなく、「余暇を増やそう」と思った理由
「これまでは、エンタメ事業として、“ユーザーの時間の奪い合い”をしてきました。だからこそ、今度は誰かの余暇を増やすことで、人生を豊かにする仕事がしたいと思ったんです」
「エクサウィザーズ」で活躍する“ウィザーズたち”を紹介するストーリー。今回は、長年勤めたDMM.comを辞め、「誰かの余暇を増やしたい」とエクサウィザーズに飛び込んだ赤坂さんが登場します。
「手に職をつけたい」の一心で、DMMの1人目“未経験”デザイナーとして入社
“未経験デザイナー”としてDMMへ飛び込んだのは、20年前のことです。
きっかけは、当時働いていた工場の倒産。アシスタント的な立場だったので「自分には、まだ手に職がない」と焦ったんですよね。「手に職をつけるならデザイナーが良いな、デザイナーとして雇ってくれる会社はないか?」と、転職先を探していたところ、たどり着いたのがDMMでした。ちなみに、なぜデザイナーだったかというと「モテそうだと思ったから」(笑)。
入社した2000年ごろのDMMは、創業してまだ1年ほどしか経っていませんでした。本社は石川県にあり、社員数も20〜30名ほど。そんなDMMが、スタートさせたばかりだったインターネット事業のデザイナーを探していたのです。
今となっては想像できませんが、当時の募集条件は「未経験可」、求人公開先は「ハローワーク」。それに飛びつくようにして応募し、なんとデザイナー1人目として入社できました。
入社後はデザインのいろはを覚えながら、インターネット事業部としてプロダクトをつくったり、運営したりしていました。そうやって、デザイナーとしても独り立ちできるところまでスキルを磨いていったのです。
その後、DMMはぐんぐんと成長し、デザインチームも徐々にメンバーが増加。未経験デザイナーだったはずの僕はマネージャーとなり、メンバーの採用活動などにも加わっていくようになりました。
デザイン部立ち上げの裏で目指した、デザイナー視点のインストール
DMMがゲーム事業や3Dプリンタ事業など次々に手がけていくなか、僕にとって最大のミッションとなったのが、DMM.comラボのデザイナーとして「デザイン部を立ち上げること」。
当時は、石川県の事業所にデザインチームがあり、東京本社の依頼に従ってデザインを進めていました。誤解を恐れずに言うと、デザインチームは「他チームから指示された仕事だけ」をすることが多かった。
僕としては、事業の上流からデザイナーが関われる仕組みを作りたいと思っていました。そこで、デザイン部立ち上げと同時に「デザイナーと他チームメンバーがディスカッションできる場づくり」も目指したのです。
とは言え、このときは「デザイン」に対する社内認知が低く、あまり信頼を得られていない状態。まずは、社内に「デザイナーは何をするのか」をわかってもらう必要があります。
まず、始めたのが、デザイン領域内外に関わらず、売上を伸ばすための業務に参加すること。エンジニアリング周りであろうと、インフラ・情報周りであろうと参加し、「これだと操作に迷います」「ここには説明を入れましょう」など、ユーザー視点でのアドバイスもしました。
なかでも一番うまくいったのは、デザイナー以外のメンバーを巻き込んだデザイン周りのレビュー会。デザイナーはどの部分をどれくらい重要視し、どこまで考えているのか。手を動かすタイミングはどこなのか。他のチームに参加してもらうことで、デザインチームへの理解が深まりました。
デザイン部立ち上げが認められて、コーポレートデザインも担当しました。具体的には、会社内のデザイナーのミッション・バリューの構築、採用の見直し、組織ビルディングなどを行いました。
デザイン組織も200名近い組織となり、体制も整ってきた段階で、会社のホールディングス化と大規模な組織変更が行われ、ゲーム事業体であるDMM GAMESのクリエイティブを担ったのがDMMグループでの最後の仕事でした。
エクサウィザーズで一番驚いたのは、皆が「社会課題を解決したい」という想いを持っていること
未経験デザイナーとして入社、デザイン部立ち上げ、海外向けゲーム事業の組織改編…。気がつくと僕は、40歳を迎えようとしていました。これまではDMMで20年間、エンタメ業界にどっぷりと浸かり、幅広い経験をしてきました。
ただ、ポジションの関係から、自分の発想や思考外のことを要求されなくなりつつあり、「今のやり方のままで、この先10年、20年も戦えるはずがない」、「環境を変えたほうがいい」と考え始めていました。
そんな折に、エージェントから紹介していただいたのがエクサウィザーズでした。いろいろ調べてみると、凄腕エンジニアやデザイナーがどんどん入社していると知り、社会的なルールや構造が変わっても戦える体制を作ろうとしていると感じたんですよね。ここなら、自分のスキルにもっとレバレッジをかけられそうだなと。
エクサウィザーズに惹かれた背景には、もう1つの理由があります。それは、全ての事業が社会課題に向き合っていること。年齢を重ねていく内に、日本の未来を気にせずにはいられないようになりました。より暮らしやすい世の中を作るつくる仕事に、自分も加わりたいと思ったんです。
時間の奪い合いから、余暇を増やして人生を豊かにする挑戦へ
「一人ひとりの“1日の余暇”を増やしたい」。これが、いま僕がやりたいことです。
まだ入って数ヶ月ですが、どんな議論にも「どちらがより社会課題を解決できるか」が根底にあることに驚きました。そんなやりとりが普通に行われている様子を見て「この会社は本気なんだな」といっそう気合が入りました。
これまで僕が20年間エンタメ業界でやってきたのは、1人の時間を奪い合うこと。だからこそ、次は限られたパイを奪い合うのではなく、むしろ「余暇を増やし、人生を豊かにすること」がしたい。そのために、世の中の不便さなど、人の余暇を奪っているものをなくせないかと考えているんです。
とはいえ、具体的に何ができるのかは模索中なのですが、エクサウィザーズであればなんでも実現できる気がしてならないんですよね。
エクサウィザーズ では一緒に働く人事を募集しています。興味のある方は是非ご応募ください!
文:福岡夏樹 編集/写真:稲生雅裕
(撮影の時だけマスクを外しています)