ExaWizards Spot #5 介護業界の事務作業をなくし、売上を伸ばすAI×SaaSとは?
エクサウィザーズのビジョンや働くメンバーの魅力をお伝えするコンテンツ「Exawizards Spot」。第5回は、CareWiz事業部の松下さんをお迎えし、介護業界の現状やAI×SaaSの魅力、そして今後の展望についてお話を伺いました。
※本コンテンツは、収録された音声を学習モデルによって文字起こししたものを、編集したものです。
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高松:今回は、「介護業界の事務作業をなくし、売上を伸ばすAI×SaaSとは?」というテーマをお送りしたいと思っております。本日のゲストは、CareWiz事業部の松下さんです。松下さん、よろしくお願いします。
松下:よろしくお願いします。
高松:早速ですが、自己紹介をお願いしてもよろしいですか?
松下:皆様改めましてよろしくお願いいたします。松下です。現在、エクサウィザーズでは、CareWizという介護業界向けにサービスを展開している事業部で、サービス全体を取りまとめる部長とグループ会社の取締役をしています。
高松:今回は、「なぜ今、介護業界でAI×SaaSなのか」というテーマをお送りしたいと思っております。それでは、事業部の説明をお願いしてもいいですか?
松下:はい。CareWiz事業部は介護業界のあらゆる経営課題を解決することを目的に、AIを活用したサービスを展開している事業部です。現在は5つのサービスを展開しています。売上向上支援の「CareWiz トルト」、請求・会計支援の「CareWiz タクスト」、採用支援の「CareWiz オシゴト」、情報収集支援の「CareWiz タヨルト」、災害/感染症対策支援の「CareWiz BCP」です。
高松:この5つの事業を30人程度で運営していて、さらに新規事業もいくつか構想していたりしますよね。
松下:はい、それぞれのミッションを明確化して、効率的な事業運営ができ始めていると思います!
介護業界で事業を展開する背景
高松:介護業界に向けてAIのビジネスをするイメージがあまり湧きにくい方も多いとおもいますが、なぜ松下さんは介護業界で事業を展開しているのですか?
松下:結論から申し上げますと、介護業界こそ中小企業の生産性向上のロールモデルにできると考えているからです。
高松:もう少し詳しく聞いても良いですか?
松下:はい。少子高齢化に伴い、日本の生産年齢人口が減少しているというのはご存じだと思います。その対策として多くの産業で、デジタル化を通して生産性向上が行われていることもご存じだと思います。しかしながらこのデジタル化、大企業では進んでいるものの中小企業ではなかなか進んでいない現状があります。実際に中小企業庁の調査でソフトウェア投資額、比率に大きな差があることが示されています。この差を解決することを目指しています。
高松:たしかに中小企業と大企業ではソフトウェア投資額に差がありますね。しかしこの中小企業の課題を解決するのになぜ介護業界に絞っているのでしょうか?
松下:キーワードが3つあります。バーティカル、社会課題、市場のアツさです。
まずバーティカルですが、ここでのバーティカルは意味としては業界・業種に特化することです。中小企業が多い業界、例えば介護、建築、製造、飲食などどの業界もそれぞれ業界特性があります。
日々システムに使い慣れていない中小企業の皆様にシステムをご利用いただくためには、ノンストレスで使える = 業界特性に特化して展開することが重要です。我々もホリゾンタルのシステムでは提供できない快適さを提供するために、バーティカルを選択しています。これが介護業界という1つの業界に絞っている理由の1つ目です。
高松:なるほど。中小企業にシステムを浸透させていくためには業界に特化することが重要なんですね。では製造や建築などではなく、なぜ介護なのでしょう?
松下:2つ目、3つ目のキーワードがその解になります。2つ目の理由は、社会課題です。エクサウィザーズは「AIを用いた社会課題解決を通じて幸せな社会を実現する」というミッションを掲げています。私たちは、今、介護業界の抱える課題が我が国の優先的に解決すべき社会課題の1つだと考えています。特に介護業界の人手不足は顕著で、2040年にはおよそ57万人の介護人材が不足すると言われています。
介護人材が不足することで、例えば、満足な介護が受けられず孤独死が増えたり、親の介護のために働けない人が増えたり、本当はもっと元気にいられた人が寝たきりになるなど、とても生きづらい社会になってしまいます。業務効率を上げることでそもそも必要な人数を減らすことや、売上を上げることで賃金UPやシステム投資予算を作ることで持続的な形でこの課題を解決し、誰もが生きやすい社会を作ることが求められています。
高松:なんとなく介護業界が大変だというのはニュースでも聞きますが、改めて考えてみると57万人も人出が足りなくなるなら、なんとかしなければいけないですね。
松下:そうなんですよ。そして3つ目が市場のアツさです。社会性だけでなくビジネス的にチャンスが大きいため介護業界を選びました。介護業界は少子高齢化が進む日本で珍しくまだ市場規模が伸びている業界です。介護を受ける方の人数は2000年は218万人であったのに対し、2024年は706万人と3倍以上に伸びています。これだけ伸びている業界は珍しく、まだしばらく伸びることが想定されます。
さらにシステムが本当に浸透していない業界なのも理由です。システムが浸透していないので、紙や表計算ソフトでの対応が中心になっています。例えば、請求書は表計算ソフトで作り、印刷して封筒に折って入れて送付しています。採用も紙や電話中心ですし、他企業とのやりとりもFAXです。しばらく成長する業界でこれだけ市場が空いているので、すべて弊社のシステムで代替できればかなり大きいビジネスになります。
介護業界におけるAIビジネスの展望
高松:なるほど。介護業界は業界自体が急拡大しているのにシステム浸透度が低いので、参入チャンスが大きいということなのですね。では、どうやって介護業界にシステムを浸透させていくのでしょうか?
松下:システム投資枠が小さく、デジタルに慣れていない業界ですので「AIで事務業務をなくす、空いた時間で売上向上をAIが支援する」ことで浸透させていこうと考えています。
高松:具体的にどういうことでしょうか?
松下:介護業界にシステムが浸透しない主な理由として、使える人がいないことと予算がないことが挙げられます。この二つを一気に解決できるのが「AIで事務業務をなくす」な訳です。具体的には、AIで事務業務自体をなくせば、介護現場の人はシステムを使って業務する必要がないですし、事務業務自体がなくなれば人件費が浮くのでシステム投資も無理なくできるわけです。そしてさらに、空いた時間で売上向上ができれば利益が生まれさらなるシステム投資ができるので、より効率も上がる好循環になる訳です。
高松:かなり実現の難易度が高い印象があります。本当にできるのでしょうか?
松下:できます、というよりすでに一部できています。例えばCareWiz トルトは両方できています。まず、CareWiz トルトは動画か音声をアップロードすることで、AIが歩行機能、口腔機能の分析を行い、どのような身体状態でどのようなリハビリをすれば良いかがわかるサービスです。それにより、体験入会からの成約率向上や、リハビリサービスのクロスセルが可能になります。
実際にトルトを導入して売上が5%伸びた介護事業所があります。また、トルトは分析結果から行政に提出する書類(リハビリ計画書)を自動作成してくれるので、現場が書類を作る時間を大幅削減しています。
高松:実際に事務削減で売上UPしているサービスがあるのはすごいですね。他にもたくさんサービスを展開していますよね。
松下:はい。他にも介護の請求/会計業務をAIが代行するCareWiz タクスト、採用業務をAIが代行するCareWiz オシゴト、介護保険制度をAIが教えてくれるCareWiz タヨルト、災害/感染症対策を簡単にできるCareWiz BCPなど業界の特化し、業務をなくすサービスを提供しています。これからもサービスを拡充し、介護業界のあらゆる事務業務をなくし、売上を伸ばすAIサービスを展開していくつもりです。
高松:多くのサービスがありますが、直近の事業目標は何になりますか?
松下:3年でAIが事務を代行し、AIが売上向上を支援することを介護業界で当たり前にします。今はまだ、紙や表計算ソフトで事務を行っていたり、人手不足で販促活動に時間を使えていない業界です。我々がAIを用いてどちらも支援することで「介護業界が最近アツいらしい」と言われ、多くの人が介護業界に希望を持てる状態を作りたいですね。
AI×SaaS×マルチプロダクトを実現する組織
高松:今お話にあったようにかなりサービスをリリースされていますが、どれくらいの頻度でリリースしているのでしょうか?
松下:直近で言うと、23年4月から24年7月の間に6つのサービスをリリースしました。さらに1年以内に複数のサービスをリリースしたいと考えています。
高松:すごいスピードですね。つまり2年ちょっとで9つもサービスがリリースされるということですね。どうやって事業作りの着想を得ているのですか?
松下:実は自分達で考えると言うより、お客様から「AIだったらこういうのないの?」とアイデアをいただき作り始めることが多いですね(笑)。介護業界でAIを真剣にやっている会社は珍しいので、いろんな相談をよく受けます。お客様からいただいた内容で、市場感と戦略と照らし合わせ問題がなければ、実際に進めていきます。
高松:まさかのお客様からの要望で新サービスができていくんですね。どれくらいの期間で作れるものなんですか?
松下:ものにもよりますが、やるぞ!てなってから、3ヶ月でニーズ調査、要求整理、開発ロードマップ策定までいきます。そして開発が始まったらMVPリリースまで4ヶ月くらいですね。リリースのちょっと前から先行営業を開始し、リリースして2ヶ月以内には初期顧客がいる状態にしています。場合によってはやるぞ!てなった段階で、要望をいただいたお客様が初期顧客になっている場合もあります。
高松:すごいスピード感ですね!このスピード感で新規サービスを出しつつ既存サービス運営もしていますが、15人程度しか正社員がいませんよね。。どうやってチーム運営をしているんですか?
松下:少ない人数で新規サービスができる理由と、既存サービスが運営できる理由がそれぞれあります。
高松:ぜひぜひ詳しく聞かせてください。
松下:少ない人数で新規サービスができる理由は、開発にはBizサイドも入り込んで要求整理、MVP改善ができているのが大きいと思います。開発初期段階からお客様の声をBizが伝えているので最短距離で売れるものができますし、Bizサイド/Devサイドのコミュニケーションがスムーズで意思決定が早いです。また、介護業界特化なので、企画段階、リリース直後でもなんとなく「お客様にはこう言われるんだろうな」と予想しながら開発/販促ができており高速化につながっています。
高松:なるほど。Bizサイド/Devサイドのコラボレーションと、業界特化による仮説精度の高さにより少ない人数で新規サービスができているんですね。
松下:少ない人数で既存サービスが運営できる理由は、業界特化のサービスで顧客体験が磨かれているのでCS工数が本当にかからないことが大きいです。現在、サービス合計で1,300事業所ほどお客様がいますが、お客様のCSを2名で担当しています。また、手前味噌ですが仕組み化が上手なのもあると思います。マーケター〜CSまで共通のシステムを利用して運営していたり、社内のエンジニアと連携して業務効率化システムを自社開発したりしています。
高松:1,300事業所を2人で担当...すごいですね。また、業務効率化システムを自社開発して効率化していることにも驚きました。
松下:業務効率化システムの自社開発もBizサイド/Devサイドのコラボレーションの賜物ですね。
未来の仲間にメッセージ
高松:ここまで色々と伺ってきましたが、どんな仲間と一緒に働きたいですか??
松下:ここまでお話ししたように、爆速でみんなが動いています。今自分が携わっている新規事業も、自分とセールスとエンジニアと高松さんでやってるくらいです(笑)。ですので、事業を大きくするためならなんでもやってみたい、変化が激しい中で青春がしたいという仲間に来てもらえたら嬉しいですね。
高松:CareWizメンバーと一緒に事業作りに参加させてもらって、スピード感とみんなが楽しみながらお仕事をしているなと感じていますね。
本日は貴重なお話をありがとうございました。エクサウィザーズの今後の展開が非常に楽しみです。次回のPodcastもぜひ楽しみにしていただけると嬉しいです。松下さん、本日はありがとうございました。
松下:ありがとうございました。
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