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次世代の医療&介護・ライフサイエンス&ヘルスケアのあり方の実現に向けた挑戦

この記事は、エクサウィザーズアドベントカレンダー11日目の記事です。

こんにちは。株式会社エクサウィザーズの執行役員でCare & Med Tech事業部長をしております羽間です。

3年半前に入社し、当社の中でも大きな事業割合を占める医療・介護、ライフサイエンス・ヘルスケア領域の立ち上げから事業責任者として活動を推進してきています。学生時代は京都大学情報学研究科で企業との共同研究を中心に多変量解析や機械学習の応用研究に従事し、就職したA.T.カーニー株式会社で経営コンサルタントとして幅広い産業とテーマを経験した後、27歳のときにエクサウィザーズに参画しました。私自身に関するストーリーは、以前こちらでお話したので、ご参照下さい。

今回は、私のチームで目指す事業ミッションや取り組み概要、これからやっていきたいことに加えて、組織・チームのあり方や実際についてお話しようと思います。

事業部のミッション


エクサウィザーズのミッションは、「AIを用いた社会課題解決を通じて、幸せな社会を実現する」ことです。その中でも、医療・介護、ライフサイエンス・ヘルスケア領域では、「皆それぞれにとって価値のあるヘルスケアの実現を通じて、自分らしく生きられる世界を目指します。データとAIを活用したプロセスと仕組みを構築することで、より良い意思決定と行動を支援します」ということを掲げて事業を拡大させてきました。

このように、エクサウィザーズは、社会課題解決×AIサービスの事業プラットフォームとして、各リーダーがミッションを自ら掲げて事業を起こし、財務・事業・組織のオーナーシップを担うスタートアップの集合体のような経営スタイルをとっています。

私は元々取り組みのあった介護や自治体関連の取り組み、医療領域のイノベーション創出の取り組みに加えて、自ら立ち上げを行ってきたライフサイエンスやヘルスケア領域の取り組みを総合的に統括しています。余談ですが、名前が健康に至ると書いて康至(こうじ)なので、このWell-beingに関する領域は自分のライフミッションではないかと思っています(社内では言いすぎて、もういいからと呆れられています)。

話が逸れました。Care & Med Techは、サイエンスやアカデミックなテーマから、医療介護の現場や日常生活までの非常に幅広いテーマが関係している領域です。

また、政策や法規制等の業界ルールを理解しておく必要もありますし、多様な業界のステークホルダー構造を踏まえた企業活動を推進していくことが求められる、とても複雑性の高いドメインだと言えるでしょう。

一方で、社会課題と産業課題が密接に絡み合っており、とても取り組み意義が深い領域だと言えます。私たちの事業部では、ミッションを実現すべく、目的意識(パーパス)に沿って数多のステークホルダーの方々とのコラボレーションを同時並行的に促進しています。例えば、医療従事者・研究者、製薬企業、医療機器メーカー、介護関連事業者、データプラットフォーマー、自治体・国など多岐にわたります

いま事業部で定めている課題設定の領域は、「要介護化の予防・介護度の重症化予防」「従業員のWell-being実現」「データドリブンな次世代型企業の共創」「ヘルスケアシステムの効率化と高度化」の4つです。

それぞれ大きなテーマではありますが、チームメンバーでパーパスを確認し合いながら、自由闊達に新たなイノベーションを起こすチャレンジを続けています。それぞれの活動を成り立たせること自体が難しいドメインではありますが、うまく全体を見渡しながら、既存事業の成長、新規サービス・事業の企画、新規プロダクト開発への投資、アカデミアとの共同研究や学会活動、自治体・国や臨床現場での取り組みを通じた実績・エビデンス作り等を総合的に推進しています。

図2
図3

取り組み概要とこれからの方向性


4つの各領域に関する取り組みの概要とこれからの方向性についてお話したいと思います。

デジタルヘルス(フィジカルヘルス)


要介護の予防・重症化予防
に関する取り組みとして、デジタルヘルスを取り上げます。要介護化の要因として7割程度が身体機能に関連していることもあり、私たちはフィジカルヘルスの切り口から複数ラインのサービス開発に取り組んでいます。高齢者の運動機能を着眼点として、ペイシェント・ジャーニーの入口(評価・変化の検知など)と出口(介入・リハビリなど)をデジタル技術とAIを用いて全体をカバーするような事業を作っていきます。

図4

現在は、製薬企業(アステラス製薬)・国立長寿医療センター荒井理事長・順天堂大学とのプロダクトに関する共同の取り組みや、自社事業としての遠隔リハビリをはじめ、医療機関や医療機器メーカー、医療資材事業者の方々とのコラボレーションを複数進めています。

社内のメンバーとしては、BizDev、プロダクトマネージャー、機械学習エンジニア、ソフトウェアエンジニア、そして理学療法士・作業療法士の資格を持つ専門家の多職種チームで取り組んでいます

また、自治体において、弊社のプロダクトを使うことで、運動療法の専門家ではなくても高齢者にサービスを提供できるようにする地域サポーター構想の実証等も推進しています。

これからも多様なステークホルダーとのパートナーシップの構築を通じて、フィジカルヘルスのエコシステム構築を進めていきます。将来的には、世界中の人々の身体機能・運動機能をデータベース化し、その人にとって最善の治療・機能改善を提供できるようにする仕組みの構築を目指したいと思っています。

図5

働く人のWell-being


コロナ禍によるリモートワークの進展や中長期的な働き方多様化のトレンド等の背景から、メンタルヘルスやWell-beingに関する課題意識が高まっています。当社では、マイナスからゼロに改善していくためのメンタルヘルスに加えて、ゼロからプラス、つまりより良い状態を目指すという意味でのWell-being実現に向けた取り組みも含めた活動をしています。

その一環として、デジタルプログラムと専門家(セラピストやカウンセラーなど)の人によるケアを組み合わせたブレンド型の伴走型サービスを開発しています。このテーマについては、住友生命保険相互会社とWell-beingを実現するための新規サービスの共創に挑戦しています。

様々なパートナーシップを構築することで、これからも新たな市場の開拓を進めていきたいと考えています。ユーザ向けや専門家向けのサービスアセットを活用したユースケースは他にもあると考えており、BizDev メンバーとは新たな事業機会の創出も並行して進めています。

図6

創薬×AI


事業立ち上げ時のシーズでもあった創薬研究におけるAI活用も着実に取り組みを進めてきています。単にAIモデルの開発や、特定のテーマに関する探索的な解析を行う取り組みだけを行うのではなく、顧客の創薬研究における成果につながる活動を包括的に支援します。

例えば、自社で保有するWebアプリのプラットフォームを起点に、一連のAIに関するプログラムをAPIモジュール化しており、顧客側で既に導入されている標準的なソフトウェアと連携して実際に研究プロジェクトで使えるようにしたり、そもそもの業務フローの改善機会の抽出・活動への落とし込みを伴走支援したり、デジタルに関するケイパビリティの内製化を促進するための教育パッケージの作成や人材育成の仕組み作りを支援したりしています。

AIと相性の良いテーマとして、低分子創薬、細胞や組織、動物実験に関する画像解析、構造化された情報の解析・予測モデル構築等がありますが、当社は全てにおいて取り組んでいます。この度、COVID-19のパンデミックを通じて、改めて日本における医薬品産業の重要性が認識されたと感じています。

これからも創薬×AIの活動を通じて、1%でも成功確率が高く、1秒でも早くより良い医薬品が必要とする人の手に届くように、プラットフォームとプロフェッショナルサービスを組み合わせて、総合的な支援を強化していきます。

図7
図8

ヘルスケア企業のDX推進


創薬領域に限らず、ヘルスケア企業におけるデジタルトランスフォーメーションの流れは不可逆なものとなっています。当社はそれらの企業でデジタル領域を牽引するCXOやリーダー陣との対話と協業を積み重ねています。どの方々も日々複雑な課題について真摯に向き合いながら、改革の推進をされています。

当社としては、「新たな在り方」を共に作るべく、現場ですぐに使える業務効率化プロダクトから、新規の社内ツールやサービスの企画・開発、全体のデジタル戦略の策定や実行推進の包括的な伴走支援、人材育成に関するアセスメントから育成まで、あらゆる側面で支援しています。これからも単なる「ベンダー」ではなく、ビジョンとパーパスを共にした改革パートナーとして、新たなサービスラインの開発と提供による成果の創出に注力していきます。

図9

組織のあり方とメンバーの動き方


上述のような事業開発を促進すべく、自分なりに組織・チームの在り方を次のように言語化しています。

・多様な領域で専門性のあるメンバーが知見を継続的に獲得・集約し、大目的に向けて自分の力を最大限に活かしてチームワークすることで、1+1を2より大きくできるチーム

・より良い顧客関係・事業・社会を作るため、個々人が "Cool Head, Warm Heart, & Mutual Respect" の精神で、活動を前進・加速させることに対して全力を尽くすチーム

・職業人として当たり前のことを当たり前にやり遂げること、一方でユーモアを忘れないことのバランス感覚を持つ、しなやかなチーム


現在のチームメンバーは各領域の専門家が集まっています。例えば、製薬業界に関していうと研究・開発や営業マーケティングそれぞれの専門性を持つメンバーで構成されており、大体どんなテーマでもチームメンバーの誰かに聞けばある程度の知見を持っている体制を作りました。

最近は生命保険や医療領域のサービスに知見があるリーダー・メンバーもいて、日々ナレッジ基盤・組織能力が強化されています。また、そのようなメンバーは自身のこれまでの経験や知識を梃に、自分なりの事業テーマを意思を持って設定し、それをみんなで協力しながら実現しにいくような連携をしています。もちろん、「これまでの強み」にしがみつくという意味ではなく、新たな機会とチャレンジをたくさんしてもらい、自らの領域と幅をどんどん広げていってもらいます。

図10

新たなサービスアイデアについてのディスカッション(※撮影時のみマスクを外しています)

エクサウィザーズでは、他のBizDev メンバーに限らず、エンジニアやデザイナー、医療・介護の専門職等の他職種との連携が必須であり、テーマに応じたメンバー全体のプロデュースとディレクションに関する責任とオーナーシップを発揮していきながら成果を追求します。

ここまでの話しぶりだと、面接時にも言われることがあるのですが、専門性に関する敷居が高い印象を持たれるかもしれません。

でも私は、専門性だけが強みではなく、強みはそもそも相対的なものであり、自らの意志と行動で作っていけるものだと考えています。そもそも私もこのドメインの経験はなかったですが、今は事業責任者をしておりますし、ヘルスケア領域で急成長を遂げたベンチャー企業のトップが必ずしも元々その領域の専門家であったわけではなく、このドメインの課題解決とビジョンに向かって好奇心と行動力で持って結果を出していくことこそが重要だと考えています。

毎週金曜日のチームWin Session(チームで一週間の出来事を振り返ったり、Nice Playを褒め合ったりする会)では和気藹々と冗談も織り交ぜながら楽しみつつ、1on1ではメンバーの業務やプライベートに関する相談や対話を通じて、人としての側面をとても大事にしています。

また、小さいお子さんがいらっしゃるメンバーもいるので、朝や夕方の家族の時間をしっかり確保できるようにうまく調整しながら仕事を回しています。私も共働き夫婦ですが、妻と在宅ワークが被るシーンが増えた結果、以前よりもコミュニケーションが増えてワークとライフの両方を大事にして楽しみながら事業にチャレンジをし続けられています。

図11

金曜日のWin Sessionで一週間の振り返りや新メンバー加入時の自己紹介などを行っています

図12

リアルで会える時期は、集まれるメンバーで焼肉などを食べてエネルギーを蓄えていました

おわりに


今回は、事業ミッションをはじめ、取り組み概要や組織・チームのあり方と実際についてお話してきました。チームメンバーは自分なりのこだわりや好奇心が強く、日々新しいアイデアが出てきて本当に楽しく切磋琢磨しています。

これからも引き続き大きな挑戦を繰り広げていきたいと思っているので、ちょっとでも面白そうかも?と思った人はお声がけください!!

明日は、北林さんにDX人材育成プロダクト部について書いていただく予定です。

(更新しました)


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