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ExaWizards Spot #3 exaBase 生成AIのCS体制構築の秘訣 - 最強のカスタマーサクセスチームを目指して

生成AI事業のカスタマーサクセス(以下、CS) 体制を立ち上げるには、どのような組織作りを意識すべきか、エクサウィザーズの子会社である株式会社Exa Enterprise AIでCSチームのマネージャーを務める駒谷徹氏に、チーム作りのコツやカスタマーサクセスという職種の特徴について、お話を伺いました。

※本コンテンツは、収録された音声を学習モデルによって文字起こししたものを、編集したものです。

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今回のゲスト 駒谷 徹(こまや とおる)
Exa Enterprise AI exaBase生成AI事業開発部 部長(取材当時はカスタマーサクセス責任者)
ビービット、Repro、コミューンにてカスタマーサクセスやコンサルティング事業の立ち上げに従事。人のチカラとAIのチカラを両方信じている。好きな生成AIの使い方は音声入力で壁打ち。合唱が好きでエクサウィザーズ入社時にはAIで社歌(非公式)を作成。

インタビュアー高松 藍(たかまつ あい)
株式会社エクサウィザーズ リクルーター。ビジネス職・コーポレート・デザイナー採用を担当。

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圧倒的なスピード感と事業成長を体感、エクサウィザーズでのCS経験の醍醐味

高松:それでは早速、自己紹介をお願いできますか。

駒谷:エクサウィザーズの子会社であるExa Enterprise AIという会社で、法人向け生成AI「exaBase 生成AI」のCS責任者を務めています。SaaSが大好きで、過去3社でSaaSのサポートを中心に経験してきました。

高松:駒谷さんのお仕事について詳しく教えていただけますか。

駒谷:主に契約後のフォロー全般を担当しています。実際に契約を取ってくるところは営業のお仕事ですが、その後の社内での活用推進や生産性向上のサポート、利用人数拡大のご提案などが、主なミッションです。

高松:今後のカスタマーサクセスのチームづくりについては、どんな構想をお持ちですか?

駒谷:現在は、いわゆる「ハイタッチ」と言われるお客様と個別にお打ち合わせしてフォローしていくスタイルがメインですが、今後、「テックタッチ」や「ロータッチ」と言われる一対多でお客様をフォローする施策も強化できるように体制を整えていく必要があります。ユーザー会は初期から実施しており、毎月1回以上、オンライン・オフラインのハイブリットで実施しています。2024年7月には、参加人数が100名を超えました。

サービス開始から13ヶ月でARRが約9億円(2024年7月時点)に達しており、ものすごい急成長しております。日本のSaaS史上最速ペースと感じており、それゆえに「組織拡大と強化」が大きな課題です。

売上と成長への直接的影響、カスタマーサクセスの重要性


高松:Exa Enterprise AIのCS業務は他社と比べても特徴がありそうですが、詳しく教えてください。

駒谷:まず一番に、事業の売上や成長におけるCSの責任が非常に大きいことです。 生成AIの普及に伴い、「お試し利用」から全社展開へのスケールアップも大きな機会となっており、CSの成果が直接売上に影響することになります。

それが、面白いチャレンジでもあるのですが、覚悟を持ってやらないといけないということでもあります。私自身、過去3社のSaaS企業で経験してきましたが、比べ物にならないほどの責任の重さも感じます。
生成AIの普及に伴い、多くの企業が「お試し利用」から始めます。例えば、1万人規模の大企業が100人でお試し利用を開始すると、1IDあたり1,000円として月10万円の売上ですが、全社展開で3,000人に拡大すると月300万円になります。このような大規模なアップセルの機会がCSの肩にかかっていることとなります。

このような背景から、フィールドセールスやCSキャリアをお持ちの方であっても、Exa Enterprise AIでCSをやるということは、きっとまた1段階ステップアップした「スキル」や「マインド」を身につけられると思います。もちろんお客様の成功を願う心は共通して必要です。そこにプラスして、営業要素も強く持つことが重要です。無理な売り方をしてしまうと、後々のダウンセルにも繋がりますし、お客様のためにならないことは行う必要はありません。しかし、「お客様にとっての価値を徹底的に考え尽くし、自信をもって契約いただく」といった提案はすべきだと考えています。このようなスキルは、今後ハイタッチで「市場価値の高いカスタマーサクセス職」においては、標準的に求められるようになっていくと思います。

多面的な需要への対応「効率的な仕組み作り」の重要性

高松:実際に、当社のプロダクトはどのような人に利用いただいているのでしょうか?

駒谷:例えば小売系の企業様だと毎年「恵方巻き商戦」というのがあります。私も人生で初めてユーザー理解のために恵方巻きを予約したのですが、「予約を増やすための施策」についてexaBase 生成 AIに聞くと、20案ぐらいバッと出してくれます。

また、幼稚園の近くにあるコンビニやスーパーで使える売上増加施策として、園児のお絵描きを空きスペースに展示するという施策を出してくれます。実際にお客様からは「これ鉄板施策なんですよ」と言っていただいて、そこから企画書作成や実施スケジュール、想定問答集の作成まで、exaBase 生成AIがサポートします。 このように、特定の業種・業態向けの具体的な活用方法を考えていく必要があり、それが難しさでもあり面白さでもあります。

高松:昨年12月のAIフォーラムイベントで、お客様がセミナー登壇された際に「エクサウィザーズの方が講習会をしてくれて助かっています。」という趣旨のメッセージもいただきましたよね。

駒谷:はい、そのエピソードは嬉しかったです。大きなイベントのお客様の事例登壇で、「CSの講習会が、とても助かっています。」とお話してくださったのですが、事前に把握していなかったこともあり、驚きました。
こういうことは、日々やりがいになると思います。エクサウィザーズのCSは、本当にお客さん一人一人とお付き合いができているから、そういったフィードバックもいただけるポジションなんですね。まだ課題もあるのですが、そういったお客様との信頼関係をどんどん増やしていきたいと感じております。

高松:これまで、駒谷さんが3社の経験を経た中で、現在Exa Enterprise AIのCSを担当して特に楽しいと感じる点や特徴はありますか?

駒谷:まずは、事業の成長スピードが信じられないほど早いことです。生成AIがトレンドであることに加え、業種業態を選ばず、色んな部署の方から様々な配置で活用できるため、多面から引き合いがあります。これは初めての経験で、効率的に対応する仕組み作りが重要になると感じています。

求められるCSメンバー像は、価値提供へのこだわりと粘り強さ

高松:この記事は、当社に興味のある方や選考を受けてくださっている方も沢山読んでくださっています。面接や面談でよく聞かれる質問はありますか?

駒谷:よく聞かれるのは「なぜ分社化したのか」という質問です。スピード感を高めるためという理由が大きいですが、私自身も分社化をポジティブに捉えています。特に、エクサウィザーズは、AIを大企業にしっかり実装するために大きいアンテナをはり、社会を変革するという印象がありました。一方、SaaSとは事業モデルも違うため、SaaSビジネスに特化した文化や行動習慣を築くにあたり、分社化は良い動きだと考えています。

また、その他によく聞かれる質問としては、「AIのリテラシー」についての質問がよくあります。基本的には触ったことがある方が良いですが、2〜4週間真剣に向きあえば、ある程度は使いこなせるようになりますし、やる気があれば追いつけると思います。

そして、弊社について良く調べてくれる方から「プロダクトがコモディティ化するのでは?」といったご質問をいただくこともあります。これは鋭い質問だと感じており、私達もこの危機感を強く持っています。既に色々対策はしておりますが、事業戦略の根幹に関わる内容のため、面談の際に一部を開示させていただきます。まずは、面談をお持ちしております!

高松:2024年度でCSの採用が増える予定ですが、現在のCSチームの課題や足りない部分についても教えてください。

駒谷:今後ハイタッチの人数が多くなりますが、明確な答えがない中でもお客様に価値を提供し、企業が事業成果を創出するところまでこだわれる方に、ぜひチームに加わって欲しいです。大企業の課長レベルの方とのコミュニケーション機会もあるため、粘り強く推進できる方が活躍できると思います。

また、スピードが速いので、自ら能動的に動く方はご活躍いただけると思います。 許可を求めるよりも、良いと思ったら行動を起こせる人の方が向いているかもしれません。今、社内で「創業メンタリティ」という言葉が流行っているのですが、創業メンタリティを持っている方はきっと楽しめる環境になっています。

高松:スピード感とか、AIの知見ももちろん身につくと思いますし、エンタープライズ系の企業様に向けた営業のスキルも、しっかりつきそうですね。

駒谷:そうですね、正直けっこう大変な時もあると思いますが、しっかりやり切ると、「ハイタッチCSで市場価値が上がる」といった要素をほぼ全て網羅できると思います。また、数年後にはAIに関連したプロダクトは増えてくると思うので、今このタイミングから「AIのタグ」を自分に付けることは、かなりプラスですよね。

しっかりした提案力、そして本格的な営業力がCSにも求められ、そういうスキルを既に持っている人の年収は比較的上がりやすいという業界構造になってる印象があります。そして、 私たちはまさにそこに当てはまります。市場価値が高くなるハイタッチCSの要件を全て満たしていると思っています。

入社の決め手となった、魅力的な「事業」と「人材」

高松:駒谷さんご自身が入社された「決め手」も伺っても良いでしょうか。

駒谷: 実は、私はもともと入社するつもりはなく、正直なことを申し上げると、個人で独立してサービスを作るつもりでした。いくつかのキャリアの選択肢の中で、知り合いがエージェントだったということもあり、エクサウィザーズを受けることになりました。

お話をお伺いしてみると、事業が非常に面白いことと、人がとても魅力的で「こういうところで働いてみたい。」と感じました。 いろいろ話を聞いてみて、カスタマーサクセスの課題もかなり大きかったので、その分大きなチャレンジができると捉え、燃えました。

高松:「人がとても魅力的」というのは、具体的にどういったところが良かったですか?

駒谷「課題に対して、ピュアな人が多い」と感じました。あまり忖度をせずに、「説くべきことに集中してやる」という人が揃っているという印象を、面接で強く受けました。

また、実際に入社をしてポジティブだったことは、SaaS経験の2周目、3周目の人が同僚に多く、エクサウィザーズ自体は新規のSaaS立ち上げなのですが、SaaSの落とし穴等を何となく分かっている状態で始められるということが、働いていて気持ちいいと思っています。

最強のCSチームづくりの鍵となる、コミュニケーション機会の設計

高松:「最強のCSチーム」を目指して、どのような取り組みを考えていますか?

駒谷:少し遠回りに聞こえるかもしれませんが、「チームメンバーがご機嫌でいること」がまず一番だと考えています。CSはマルチタスクも多く、お客様から厳しいお言葉を頂くこともあるので、時にはストレスフルでハードな仕事のため、「自分が幸せであること」がお客様への良いサービスに繋がると考えています。

週1回の出社日には、ランチミーティングを設け、話しきれなかった業務の話をする機会を作っています。また、月曜朝には「ハッピーな出来事」だけを共有する定例会議を30分ほど設けています。こういったコミュニケーション機会の設計により、メンバーの気持ちのバランスをとるようにしています。

高松:他のチームとの関係性はいかがですか?

駒谷:非常に密接です。あらゆる部署としっかり連動していかないと、歯車が回らないビジネスだと考えています。

特にフィールドセールスとは、CSのサポート内容が商談の成否にも関わるため、密に連携をとっております。営業段階で求められているものを、カスタマーサクセスのサポート内容に入れていくということが今のフェーズです。CSは、営業メンバーがどんな売り方をしてきたとしても、「私たちがサクセスしてやるんだ」という気持ちを持ち、 フィールドセールスや営業メンバーは、「ちゃんとした売り方をすれば、カスタマーサクセスする」といった、お互いが敬意を持てる関係が一番事業成長すると考えています。

そういった関係性が無くなった瞬間に、トップラインが鈍化するということがよく起こると思っており、とても意識しています。

また、プロダクトチームとも企画段階から連携しています。お客様からの要望をまとめて伝えるだけでなく、新しい管理画面のデザインのユーザーテストにCSが参加するなど、プロダクト開発にも深く取り組んでいます。生成AI系プロダクトの面白い特徴なのですが、機能開発をしなくても裏側に仕込まれているプロンプト(生成AIへの指示)を変えるだけでプロダクトの品質が著しく向上することがあるため、非エンジニアがプロダクト作りに関わりやすい環境といえます。

株式会社Exa Enterprise AIでは「Enjoy Engineering」という標語を掲げているのですが、これは、プロダクトチームだけではなくBizサイドにも適用されます。「プロダクト改善が中々進まない」という課題はCSといった職種ではよくある話ですが、生成AI系のプロダクトに関わるのであれば、「自分でどうにかする」マインドが大事です。


高松:最近入社した方が、ユーザーインタビューをしているというお話も伺いましたが、CSのキャリアパスについてはどう考えますか?

駒谷:彼女は、元々UXリサーチの会社にいたため、業務でやってもらっているところはあるのですが、 「インタビュー実施」等は、カスタマーサクセスの付加価値を上げる一つのポイントになると考えています。

CSの次のキャリアを考えた時、マネージャーへのステップアップはもちろん、ハイタッチ、テックタッチ、Opsなど、CS内でも多様な役割があります。また、プロダクトマネージャー(PdM)へのキャリアチェンジも可能性があると考えています。PdMへのキャリア実績を最低限1名は作りたいと思っています。

高松:ありがとうございました。


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