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大学院進学を辞めてエクサウィザーズで機械学習エンジニアに。インターンが変えた私のキャリアパス

エクサウィザーズで機械学習エンジニアとして活躍する隅田さんに、インターン経験や現在の業務内容、将来のビジョンなどについてインタビューしました。生成AIの登場で変化する業界の中で、自身のキャリアをどのように描いているのか、貴重なお話を伺いました。

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隅田大勇(すみだ たいゆう)
株式会社エクサウィザーズ MLエンジニア
工学院大学情報学部卒業後、2023年にエクサウィザーズに新卒で入社。「行動予測を用いた介入の効果」などをテーマに研究。入社後は主に金融領域で構造化データを用いた予測モデルの構築やグラフデータを用いた推薦などのプロジェクトに携わる。

インターンでの経験から、大学院進学をやめてエクサウィザーズへの入社を決意

ー学生時代にはどんなことに取り組んでいましたか。また、プログラミングを始めたきっかけを教えてください。
隅田:大学は情報学部で、行動経済学から計算論的神経科学・神経科学の分野まで幅広く扱っている研究室に所属していました。研究室のテーマは人間の意思決定をモデリングして、意思決定の仕組みを明らかにすることでした。私がやった研究は主に2つあって、1つは因果探索という手法を使った特徴量エンジニアリングを、もう1つは人が繰り返す意思決定への介入についてを検証していました。

研究以外では、KaggleやSIGNATEなどのデータ分析コンペによく参加していました。プログラミングは高校生までは全くやったことがなくて、大学で情報学部に入ったのがきっかけで始めました。21世紀で一番セクシーな職業と言われていたデータサイエンティストか機械学習エンジニアになりたいと思い、そこから色々勉強し始めました。

ー就職活動はどのように進めましたか。また、インターンの経験について教えてください。

隅田:大学1年生からデータサイエンティストか機械学習エンジニアになりたいという目標を立てて勉強してきたんですが、大学3年生くらいになると、自分のレベルでそういった専門職になれるのかという不安がありました。そもそもこの職種は修士号取得者が前提の人がほとんどです。だから私も大学院に行こうと思っていました。

一方で、就活も経験しておこうかなと思い、そんな時にたまたまエクサウィザーズのサマーインターンを見つけて参加することになりました。実際に実務経験を積んでみたら、自分はこの職業に合っているんじゃないかという実感が持てて、だいぶ自信がつきました。

インターンでは、実際のプロジェクトに参加させてもらえました。化粧品メーカーの新製品開発の案件で、化粧品の肌触りの良さを原料の配合から予測できるかを調べるのが私のタスクでした。課題設定をした上でデータを分析してモデルを作ったり、その結果を可視化したりと、一連の流れを体験できたのが面白かったです。

このインターンを経験したことで、大学院に進学しなくても、学部卒業後に十分な活躍ができると確信しました。実際の業務に取り組む中で、大学で学んだ知識が現場で役立つことを実感し、自信につながったからです。
また、優秀な方々の人柄の良さに触れ、この会社で働く魅力を強く感じました。

さらに、インターンでプロジェクトに参加する機会を通じて、データ分析やレポーティング、予測モデルの作成と可視化など、実践的な業務を経験できたことが非常に刺激的で楽しかったです。この充実感が、入社を決意する大きな要因となりました。

生成AIの登場で変化する業務内容と役割

ー入社後はどのような業務を担当されてきましたか。また、入社前とのギャップはありましたか。

隅田:入社して1ヶ月ほどは新卒研修があり、その後は社内の業務改善のようなR&Dをしていました。ちょうど生成AIが出てきた頃だったので、それを使って何かできないかと色々試していましたね。

例えば社内の煩雑な手続きの効率化や、出張申請のFAQをGPTに入力してフローチャートを書かせたり、階層クラスタリングの分析結果をGPTに解釈させて専門知識のない人にも分かりやすく説明できるものを作ったり。あとはプロンプトチューニングを効率化するために、ベイズ最適化を使って少ない試行回数で良いプロンプトを見つける方法の検討などもやってました。

8月からはM&Aや事業承継ニーズ予測のプロジェクトが始まり、半年くらいはそのPoCから改善までを担当しました。テーブルデータの前処理や機械学習モデルの実装を中心に、ほとんど任せていただきました。

入社1年目に関しては、あまり入社前とのギャップは感じませんでしたが、ここ1年でだいぶ変わってきたなという印象はあります。私がインターンをしていた頃と比べると、昔ながらの構造化データを扱う案件は減ってきています。生成AIの登場によって、簡単にアプリケーションが作れるようになり、プロダクト化する案件が増えてきたため、ソフトウェアエンジニアリング寄りのスキルが必要とされるようになってきている印象です。

多様性と自由な挑戦の文化が魅力

ー社内の働き方や制度面について教えてください。
隅田:プロジェクトの合間に、自由に新しい技術を試したりできる環境があることは魅力的です。その時間を使って論文を読んで実装してみたり、本業では優先順位が下がってしまうような実験的なことにチャレンジできるのは、エンジニアにとってはすごくありがたいです。そうした時間で作ったデモを社内の「作ってみた」チャンネルに投稿すると、リーダーの方から「いいアイデアだね」と言ってもらえます。

この「作ってみた」チャンネルは、エンジニアに限らず誰でも自由に投稿できる場所で、最近だとGitHubのコードを解説するGPTアプリを作った投稿がありました。こういう文化は今も残っていて私はいいなと思っています。  

機械学習エンジニアから見た、生成AIがもたらす変革とこれからのキャリア

ー将来のビジョンについて教えてください。
隅田:エンジニアとしてのキャリアでは、もっと機械学習の技術を深めていきたいというのが一つの目標ですね。ただ一方で、社会の流れ的にソフトウェアエンジニアリングのスキルも不可欠だと感じています。機械学習モデルを作るだけでは実際のプロダクトまで届かないので、そこまで持っていくためにはソフトウェア開発の知識も必要になります。だからそういったスキルは、徐々に身につけていこうかなと考えています。

ー今後挑戦したいことはありますか。

隅田:技術的には、現実世界とインタラクティブなシステム、例えばタクシーの配車アプリみたいなものを作ってみたいですね。レコメンドとかM&Aとか広告の分野だと、どうしても現実世界との結びつきが薄い印象があります。だからある意味簡単にできるんですけど、物理的な世界に直接干渉するとなると、また違った難しさがあると思います。地図上で物が動いていって、それをAIが予測しながら最適化していくみたいな。そういう技術は面白そうだし、今後のキャリアの選択肢としてチャレンジしてみたい分野ではあります。

こういったドメインへの関心は、ある意味で生成AIの次を見据えているからかもしれません。つまり技術的により難しい課題は何だろうと考えた時に、そういう分野が浮かんでくるんですよね。だから、そこで求められるような技術やスキルを身につけていくのも、これからのキャリアの選択肢として考えています。

ー最後に就活生へのアドバイスをお願いします。

隅田:機械学習エンジニアに求められるスキルが変化しているのを意識して欲しいです。生成AIの登場で、従来型の機械学習エンジニアに求められることは変化しています。社内外の色んなエンジニアと話すと、生成AI以降は何が来るのかっていう話題が結構出ます。生成AI自体は技術的にはもうある程度完成されていて、後はAPIを叩いてUXをどう良くしていくかという話がメインになりつつあります。実際、社内でも生成AI関連のプロジェクトが増えていますが、これらはソフトウェアエンジニアのスキルが求められます。

だからこそ、情報工学の知識を身につけることをおすすめします。ソフトウェアテストの技法だったり、ソフトウェアエンジニアリングのスキルだったり。機械学習を専門にしたい人でも、そのような技術を持っておいて損はないはずです。

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