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【ハッカソン優勝者インタビュー】 ハッカソン参加を通じて再認識した「本当にやりたいこと」

こんにちは。株式会社エクサウィザーズ 新卒採用チームです。

エクサウィザーズでは2025年卒のエンジニア志望学生向けに『教育・保育DXの未来を創る!画像解析プロダクトハッカソン』を開催し、「教育・保育現場を支援するための画像解析技術作成」をテーマに取り組んでいただきました。

この記事では、画像解析ハッカソンで優勝した菱沼 秀和(ひしぬま ひでかず)さんにハッカソンでの経験についてお話をお伺いしました。

優勝者プロフィール

菱沼 秀和(ひしぬま ひでかず)
九州大学大学院 医学研究院 医学専攻 系統解剖学分野 博士3年生
九州大学で基礎医学の研究者養成コースであるMD、PhDコースを選択し、学部(5年次)休学、博士課程へ編入。現在は発生学の分野で、特に画像処理を用いた深層学習を活用した研究を行っている。

機械学習エンジニアというキャリアへの興味から、エクサウィザーズのハッカソンを知る

Q:今回のハッカソンに参加するに至ったきっかけを教えていただけますか?

菱沼さん: 
就活当初から機械学習エンジニアを志望しており、インターンシップやハッカソンなどの機会を探していました。しかし夏の間は研究で忙しく中々参加出来ませんでした。
そんな中でエクサウィザーズのハッカソンを見つけ、10月開催で研究も落ち着いている時期であり、かつ私が研究でも活用している画像解析技術に特化したものだったため、興味を持ちエントリーをしてみました。
ハッカソンへの参加自体は初めてでしたが、私自身教育・保育業界への課題感もあり、挑戦してみたいと思いました。

元々抱いていた教育・保育業界への深い課題感

Q: 今回のハッカソンは教育・保育の現場を支援するための画像解析技術というのがテーマでしたが、ハッカソンに参加する前から教育・保育業界についての課題感は持っていたのですか?

菱沼さん:
はい。 例えば保育の現場だと待機児童の問題や、そもそも保育士の仕事自体がかなりハードワークでありワークライフバランスが取れていないといったことはニュースで見聞きしていました。また、実際に自分が子どもを持った際には子育て環境は必ず考慮に入れたいため、小学校や保育園、特に小さい子が通う保育園の課題には以前からより強い関心を持っていました。

保育士さんの業務をサポートする画像解析サービスを企画

Q:画像解析に特化したハッカソンや今回のような技術コンペに参加されたのは今回が初めてとのことですが、具体的にどのようなサービス・技術を提案されたのでしょうか。

菱沼さん:
 私の提案は、保育士が目が行き届いていない危険な場所を動画データから発見し、そこに子供がいた場合にアラートを出す、というものです。具体的なアプローチとしては、人の顔がどの方向を見ているかを検出し、視界が行き届いていないエリアを特定する、といった想定でサービスを作成しました。

Q:サービス作成の過程で苦労した部分や、技術的なハードルをどのように乗り越えたのか具体的に教えていただけますか?

菱沼さん:
顔の方向を推定できるモデルを選び出すことが難しかったです。また、顔の検出の精度に起因する顔の方向の推定にも課題がありました。これらの課題は現時点で改善は難しいため、より優れたモデルを探し、追加で360度の視野を学習させる必要があると考えました。

プレゼンテーションの様子

ハッカソンを通じて学べた、研究とビジネスの違い

Q: ハッカソン期間中、現役のエンジニアメンバーからフィードバックやアドバイスを受ける機会がありましたが、どんなアドバイスが印象に残りましたか?

菱沼さん:
 まず今回のような短期間のハッカソンに参加するのが初めてでしたので、2日間でどれだけ内容を詰められるのか、というアウトプットイメージについて全体の方向性を決める最初の段階でアドバイスをいただきました。
具体的には、「保育現場のあらゆる危険な状況にアラートをかける」という大目標を掲げたときに、すべてを2日間で実装しようとすると結果としてどれにも集中できないという状況になるため、この2日間で何を達成するのか?を具体的に定めたほうがよいというフィードバックでした。今まで研究を中心にしてきた中で、短期間で最大限の成果を出すという観点からの指摘は新しく学びが大きかったです。
ビジネスの世界に挑戦する中で、基礎となる観点だと思うので、私自身今後も意識をしていきたいです。

また、「顔の検出においてどのモデルを使うのが良いか」を検討する段階において、もともとは処理に時間がかかるような回りくどい手法を取っていましたが、「より無駄が少ない生産性の高い手法があるのではないか」とご指摘いただき、改善につながったことも印象に残っています。

Q:最終プレゼンテーションでもメンターからの質問やフィードバックを受ける機会がありましたが、それらを踏まえて新しい気づきはありましたか?

菱沼さん:
2日間の限られた時間の中で、画像の判定において簡略化した部分がありますが、実際にサービス化するとなると画像から手前・奥・床という3次元の空間の認識を行う深度推定がないと精度が低くなるのではないかという指摘を頂きました。
また、アラートを出すのはリアルタイムである必要があるので、精度を維持しながら処理も早く行うということがどれぐらい実現可能なのか、というところは最もクリティカルな指摘であり学びにつながりました。

ハッカソンで得た学びは今後のキャリア選択にも活かすことが出来た

Q: ハッカソンで得た学びや経験は、今後のキャリア選択や就職活動にどのように活かせると思いますか?

菱沼さん:
ハッカソンで最も得らえた経験は、「短期間で技術的なアウトプットにチャレンジする」という経験です。限られた時間内で私が何ができるのか、自分の力量を知ることができました。
また、機械学習エンジニアの業務に対するイメージも変わりました。例えば機械学習エンジニアの方は、自分がすでに有している知見や技術スキルを駆使してキャリアを深めていくいくというイメージがあったのですが、そうではなく、毎回取り組んでいるプロジェクトの中で、知見を常にアップデートして、常に勉強しながら仕事に取り組まれているという、勉強とアウトプットを例外なく全員が続けているということが非常に大きな刺激となりました。この経験を生かし、自分の専門分野である医学に限らず、新しい分野にも挑戦していきたいです。

ハッカソン参加学生

社会課題を解決するモノづくりに挑戦したい

Q:ハッカソン参加が菱沼さん自身のキャリアの可能性を広げるきっかけとなったとのこと大変嬉しいです。最後に、今後のキャリアの展望について教えていただけますか?

菱沼さん:
今回ハッカソンに参加して、改めて自分がものづくりが好きだ、ということを認識できました。自分の手を動かすことで、まだ世の中にないプロダクトやサービスを生み出して行くことに興味を持っています。
現時点で私は医療畑出身ということもあり、医学の知見を活かすことができれば社会に対して最も貢献できるのではないかと考えています。
ただ今回のハッカソンに参加したことで、画像処理という共通の手法について知見があれば、様々な分野に応用して貢献できることが沢山あることに気づけました。
将来的には強く課題感を抱いたテーマでどんどんチャレンジしていきたいと考えています。

菱沼さん、ありがとうございました!優勝おめでとうございます!
今後のご活躍を心から楽しみにしております!

エクサウィザーズについて

私たちは 『AIを用いた社会課題解決を通じて、幸せな社会を実現する』 をミッションに掲げるスタートアップです。

元DeNA会長の春田 真と、元リクルートAI研究所 所長の石山 洸が2017年に立ち上げました。

創業7年ながら、医療・介護、金融・保険、インフラなど幅広い領域のAIサービス開発を手掛け、2021年末には東京証券取引所マザーズ市場(現:グロース市場)へ上場しました。

グローバルトップファーム出身者や未踏クリエーター、Googleに自社をバイアウトされたエンジニアなどユニークなメンバーが在籍しており、「世界で最も有望なAIスタートアップ100社」(CB Insights発表)にも選出されています。

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