原動力は「より良い社会を遺す」こと。医師になるかもしれなかった少年が、エクサウィザーズにたどり着くまで
「死ぬまでに世の中をより良くしたい。それが私の原動力です。“どの会社に身をおけば、より広範囲に良い影響を与えられるか”を軸に会社を選んできました。エクサウィザーズへの入社理由も同様です。ここでなら社会を良くできると思ったんです」
エクサウィザーズで活躍する“ウィザーズ”を紹介するストーリー。
今回紹介するのは、経営企画部長として全社戦略策定、機関運営、資本政策などを牽引する守屋さん。20代の頃、「わが愛する友よ、われわれが死ぬときには、われわれが生まれたときより、世の中を少しなりともよくして往こうではないか」という天文学者ハーシェルの言葉に影響を受け、キャリアの核を見つけたそうです。
自分のスキルが最も活かせる形で、社会をより良くしようと奮闘する守屋さんが目指す未来とは。
親の後を追うのでなくて、“社会を良くする”キャリアを模索
親戚に医者が多かったこともあり、子どもの頃は漠然と医者になると思っていました。ただ、高校生になって改めて考えたときに、「医者は向いてないな」と思い、家族と相談した結果、次は弁護士を目指すことにしました。大学二年生の頃はダブルスクールをして勉強に励んでましたが、どうにも法律を面白いと思えない(笑)。
自分は何をすべきか考えた結果、新卒ではNTTドコモに入社。外資系コンサルティングファームのベイン・アンド・カンパニーを経て、エクサウィザーズにたどり着きました。
自分の好きなこと、強みや世の中にとって価値の高い領域を見極め、仕事内容を変えてきましたが、キャリア選択の根底にあるのは、「世の中を良くしたい」という思いです。エクサウィザーズへ入社を決めたのも、その志があったから。
このような考え方が生まれたのは、ちょうど学生時代が「失われた20年」と言われた時期に重なっていたからだと思います。当時から明確にやりたいことを言語化できていたわけではないですが、停滞している日本社会の状況になんとなく課題を感じていました。大学時代に1年間、ロンドンへ留学し、改めて外から日本を見た時、海外との経済成長の差や、同時に日本の持つ良さを再認識したことも大きいですね。
「死ぬまでにより良い社会を遺したい」と、やりたいことのイメージが湧いたのは、キリスト教思想家、内村鑑三さんの著書「後世への最大遺物」との出会いです。
この本の中で引用されていた、イギリスの天文学者ハーシェルの「わが愛する友よ、われわれが死ぬときには、われわれが生まれたときより、世の中を少しなりともよくして往こうではないか」という一節に触れ、「自分にとっての生きる意味はまさにこの言葉だ」と認識したのを覚えています。
当時はガラケーの時代だったこともあり、広範囲で社会に良い影響を与えられる業界はモバイルであると思い、その中で最も先進的だったNTTドコモに新卒で就職を決めたんです。
より「経営に近い立場」を求め、IR、経営企画、そして戦略コンサルへ
ドコモに入社してから最初の半年間はショップでの接客や販売、その後の2年半はドコモショップ向けの営業を担当しました。
ショップ向けの営業は新鮮で、やりがいもあったのですが、当時はソフトバンクがiPhoneを発表し、KDDIもそれに続く形でiPhoneの販売を開始し、モバイル業界に大きな変革が起きている時期。iPhoneをリリースしていなかったドコモは次第にシェアを奪われていき、株価も下落する一方でした。
「この状況を変えるには、経営から変えるしかない」と思い、コーポレートへ異動。IRとして当時の経営陣とともに投資家を始め社外の方とのコミュニケーションに奔走し、内側から業績回復の糸口を探りました。
「より経営に近いポジションから会社を良くしたい」と考え、働きながら早稲田大学大学院でMBAも取得。経営企画にキャリアチェンジし、全社戦略の策定などにも従事しました。
しかし、「社会を変えるためにもっとできることはないか」という思いが強まり、経営層へ直に影響を与えることができる戦略コンサルティングファームへ転職を決意します。
ベイン・アンド・カンパニーに決めたのは同社の「常にクライアント、社員、コミュニティに対して正しいことを行う」という信条に共感したから。会社を本当に正しく変革するのであれば、時として経営者と真っ向からぶつかる必要もあります。ベインは会社と社会にとって本当に正しくて良いことは何かを追求している。であれば、本質的な経営課題に向き合い、社会を良くできると思ったんです。
ベインでは、常にストレッチした期待値に向け、毎月全く新しいチャレンジに向き合うことになりました。大変でしたが、プロフェッショナルとしてあらゆる面で鍛えられたと思います。
特に印象的だったプロジェクトは、3年で売上が半分になったある企業の事業を改革したプロジェクト。3ヶ月にわたり、ありとあらゆる課題を洗い出し、戦略から組織まで全てを一新することでV字回復を図る案件だったのですが、難易度が高かった分、顧客の事業に与えるインパクトも大きいものでした。
エクサウィザーズは、ようやく出会えた「ワクワクできる」スタートアップ
ベインでは、常に次のステージへ上がることをめざした結果、在籍していた4年間の間に3回昇格をし、シニアマネージャーとしてプロジェクト全体をリードするようになりました。そこで新たなチャレンジのフィールドを求め、スタートアップへ転職することを決めました。
というのも、ベインに在籍する間に、日本でもスタートアップがスケールする土壌が整ってきたな、と感じたんです。アメリカでは以前からGAFAMに代表されるような新興企業が続々と生まれ、社会に大きな影響を与えていて、ようやく日本もそこに追いついてきた。このタイミングで「スタートアップに人生をベットした方が、より社会を良くできるのでは」と考えたのです。
そこで出会ったのが、エージェントから紹介されたエクサウィザーズ。実は4年間ずっとエージェントと話はしていたのですが、なかなか自分のワクワクできる企業に出会えなかったんですね。
自分のキャリア選択の軸は「どれだけ良い社会を遺せるか」。TAM(Total addressable market:獲得可能な最大市場規模)の大きさと、ビジネスとしての成功確率が判断基準の一つになりました。
エクサウィザーズのミッションは「AIを用いた社会課題解決を通じて、幸せな社会を実現する」こと。つまり、あらゆる社会課題に紐づく市場の総計がTAMになる。そして、ミッションを実現するために優秀なメンバーが揃っていて、会社のフェーズを鑑みても、自分のバックグラウンドも活かせる。
そうした観点から包括的に考えて、チャレンジングでワクワクできる環境だと思ったんです。
個々の「Will」を叶える環境を活かし、世の中をより良くしたい
現在、エクサウィザーズでは経営企画部長として全社戦略策定、機関運営、資本政策などをリードしています。当社は200名規模の会社ですが、10個以上のプロダクトを同時進行で開発しています。それぞれを成功に導く戦略や仕組みを考えることが僕に課せられたミッションです。
正直、この規模でこれだけのプロダクトを進めている会社はほとんどありません。それだけ優秀で想いを持った社員が集まっている証と言えるでしょう。
エクサウィザーズには「こんな世界や社会を実現したい」という明確なWillを持った、得意分野も専門性も異なる多様な人材が集まっています。一人ひとりが想いを実現しようと思えば、実行できるだけの環境があり、プロダクトの芽が出ればリソースもついてきます。
恵まれた環境をフルに活かすためにも、僕自身が事業をさらにスケールさせるスキルセットを磨き、エクサウィザーズをドライブさせる人材として成長することは必須。
その結果、エクサウィザーズから世の中を良くする新しい価値が生まれ、社会課題の解決につながり、「より良い社会」を遺すことができればと思っています。
文:田尻 亨太 編集/写真:稲生 雅裕
(撮影の時のみマスクを外しています)