生成AIの実践活用事例〜店舗経営からマッチング事業まで、exaBase 生成AIがもたらす変革〜
こんにちは!エクサウィザーズでリクルーターをしている高松です。
サービスリリース開始1年でARRは10億円を突破し、T2D3を超えるペースで急成長している「exaBase 生成AI事業」の魅力に迫るべく、2名へのインタビューを実施しました。
本記事は以下のような方にとって、興味深い記事になるかと思いますので最後までご覧ください!
・exaBase 生成AIとは、実際にどのように企業導入されているのか知りたい方
・生成AI技術が苦手なことが気になる方
・Exa Enterprise AI社のカルチャーや入社メリットが気になる方
生成AI事業立ち上げの裏側
高松:軽く自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか?
駒谷:1社目はビービットという会社でデジタルマーケティングをやっていて、その後Repro、コミューンというSaaS企業2社でカスタマーサクセスをしていました。SaaSビジネスモデルについて理解を深め、自身での開業も検討していましたが、元同僚のエージェントからエクサウィザーズを紹介され、話を聞くうちに面白そうだと感じ、入社を決意しました。
エクサウィザーズに興味を持ったきっかけは2つあります。1つ目は、コミューンで生成AIをチームメンバーに活用してもらい、非常に良い成果を実感したことです。2つ目は、エクサウィザーズに知り合いが多く在籍していたことです。入社してからはカスタマーサクセスをメインでやっていましたが、体制変更があり、2024年の7月から事業部長になって、皆さんに頼りながら何とか頑張っています。よろしくお願いします。
高松:ありがとうございます。では稲次さんからも自己紹介お願いします。
稲次:稲次俊明と申します、よろしくお願いします。私は1社目に近畿日本ツーリストという旅行会社で法人企業への営業活動をメインにしていまして、その後サイバーセキュリティクラウドでIPOの経験や営業組織の立ち上げを経験しました。そして、セールスフォースで自身の営業力を高めたいと思い、SMBマーケットでの営業活動をし、セールスフォースでお会いしたお客様と縁があって半年ほど一緒にフリーランス活動をしておりました。その間もエージェントさんにはお会いし、いろんな会社を見ていました。そして本当にここしかないなと感じ、エクサウィザーズに入社することになりました。
高松:「ここしかない」と思ったのはなぜですか?
稲次:フリーランスという経験を経て、自分自身が経営者になる選択肢もゼロではなかったのですが、生成AI領域で新しい事業を立ち上げるタイミングのエクサウィザーズに出会いました。
人生は一度なので、 「社会に大きく貢献したい」「地方創生も含め社会課題を解決したい」という思いがあり、エクサウィザーズの「AIを用いた社会課題解決を通じて、幸せな社会を実現する」というビジョンに強く共感しました。
入社してみると、Exa enterprise AIとしての正社員の営業は私が1人目で、当時は本当にカオスな状況でしたね。入社してからは営業外も含めて何でもやり、2024年1月にグループリーダーに就任いたしました。
高松:ありがとうございます。それでは、この入社後を振り返ってみてどうですか?組織の立ち上げや仕組み化、採用、営業戦略などなど、思い出深かったことは何ですか?
駒谷:たくさん新しいことが起こりすぎて、全部は覚えてないのですが、稲次さんをはじめ、SaaS経験のある優秀な方が入ってきて、SaaSを伸ばせる組織になってきたかなと思います。ただ、生成AI市場は破壊と創造を繰り返していかないと、油断できない市場ですし、半年後には大きく状況が変わってもおかしくない市場です。今後も優秀な人を採用して強い組織を作って、プロダクト、マーケティング、セールスを全方位で強化していかなければなりません。
高松:ちなみに、一番覚えている大変だったことって何ですか?
駒谷:一番覚えているのは、大手企業の大規模な活用支援プロジェクトにアサインされた時ですね。当時はCSのグループリーダーをやりつつ、その案件もメインで受け持っていました。約3営業日で最終報告書をまとめなければいけない状況で、アドレナリンがドバドバでしたが、なんとか良い形になりました。結果的に、このプロジェクトは良い事例として各所で取り上げられ、大きな成果を得ることができました。その経験を振り返ると、当時の努力が実を結んだと感じます。
高松:稲次さんが思い出に残っていることは何ですか?
稲次:そうですね、同じくいろいろありました。2022年10月中旬から内定者業務委託をスタートし、11月に正社員入社しました。駒谷さんの部署であるカスタマーサクセスも10月から発足した部署ですが、すでに導入いただいているお客様はたくさんいらっしゃる状態で、あるべき成功状態、標準的な支援内容、そしてCSの採用要件を固めるところから始まりました。
当時のセールスグループは業務委託の方が多かったのですが、フリーランス時代のSMB組織立ち上げ経験は活かしながら、営業力強化などの取り組みを意識しながら進められ、いい経験になりました。
高松:市場の変化も激しかったですよね。戦略面で大変だったことはどんな事でした?
駒谷:本当に多くのことが起きました。生成AIはSaaSよりもマーケットが一段大きいところがあるため、自社でセミナーを開催すると500人以上の申し込みが来ることも珍しくありません。大手企業と共同でセミナーを開催すると、1000人以上が参加することもありました。またグローバル企業も本気を出してくる領域でもあり、日本ではOpenAI社とマイクロソフト社が先行して市場に参入しています。だからこそ私たちは日本の土着の強みをしっかり作る必要があると思っています。
高松:営業組織として、市場の変化に振り回されたことはありますか?
稲次:市場の変化を実感する場面は多々ありました。例えば、2022年11月の展示会では生成AIに関連するブースは非常に少数でした。しかし、2023年6月の展示会ではブースの数が大幅に増加し、多くの企業が生成AIに注目していることを実感しました。生成AIの市場認知度は高まってきたものの、企業にとっての必要性が十分に理解されていない部分があり、その価値を適切に伝えることが課題であり、同時に面白さでもあります。
駒谷:稲次さんと私が入社したタイミングでは、多くの企業が「会社をDX化させるために何かやらないと」と考えており、セキュリティ面で安全な当社プロダクトに目をつけて導入してくださるケースが非常に多くありました。しかし生成AIプロダクトが市場にどんどん増え、アーリーアダプターではない企業も生成AIに興味を持ってくださるようになったため、なぜ生成AIを導入するべきなのかを丁寧に説明する必要性がグッと増しましたね。
多様な業界での生成AI活用事例
高松:では、実際に生成AIがどんな利用事例があるか伺ってもいいですか。
駒谷:例えばスーパーマーケットやアパレルなど店舗型業態だと「エリアマネージャー」や「スーパーバイザー」と呼ばれる方に利用いただいています。
スーパーバイザーは複数の担当店舗を回り、店長さんに経営アドバイスやフォローをするのですが、実際に店舗経営のご経験が豊富な方ばかりではないため、付加価値を出すことが難しい場合があるんです。経営アドバイスに並行して、クレーム対応やその他のトラブル対応に追われるので、売上を伸ばすための企画を十分に考える余裕がないこともしばしば。
また店舗の経営は、地域の特性に大きく影響を受けます。例えば高齢者の多い地域では通路を広くすると売上が上がったり、学校や町内会など地域に根ざしたコミュニティの代表者と1対1で関係構築することが安定的な売上を作るのに大事だったりするようです。
そこで通常業務と、地域の特性をマーケティングして付加価値の高い経営アドバイスを両立させるために当社のサービスを利用いただいています。
例えば、小学校が近い店舗では保護者をターゲットにした施策を考えるとします。
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小学校が近くにあるスーパーで、保護者をグリップするための施策を5つ考えて
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と生成AIにプロンプト(=生成Aiへの指示文)を打ち込んでみると、こんな結果が出てきます。
この結果は、現実的なアイデアもあれば、会員専用プログラムのように店舗独自でやることは難しいアイデアも返ってきます。ということで、さらに生成AIに聞いてみると、もっと違った回答が返ってきます。
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小学校が近くにあるスーパーで、保護者をグリップするための施策を5つ考えて
店舗だけで意思決定できる施策だけにして
施策の概要、メリットデメリット、想定効果1-5段階で表でまとめて
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例えば4番目の「学校関連イベントとの連携」は、比較的鉄板のアプローチです。料理教室や子供向けコーナーなどはハードルが高いものの一考の余地はあるかもしれません。
ということでさらに具体化してみると
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2番を具体化したいので、企画書を作ってください
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今まではスーパーバイザーや従業員が合間を縫って対応していた企画が、誰でもチャレンジできるようになりました。
上記は一例ですが、私たちは実際に店舗現場で活躍する本職の方々にインタビューをさせていただいたり、公開されている採用サイトや求人票に載っている「業務内容」「1日の仕事の流れ」などを見たりして、どうやってexaBase 生成AIを利用してもらえたら良いだろう?と企画し、お客さんと議論しながら利用方法をどんどん増やしていっています。
ちなみにexaBase 生成AIではプロンプトはテンプレートとして登録することもできるので、いつでもどこでも誰でも簡単にテンプレートを利用して、企画書作りができます。
このように現場で磨いた知見をプロダクトに反映させることも重要です。直近は店舗業態に特化してカスタマイズを施した「exaBase 生成AI for 店舗」をリリースしており、続々と導入が決まっております。
高松:社内でコンテストを実施いただいた利用企業様もいらっしゃいましたよね。
駒谷:そうですね。現場からユースケースを拾っていこうという目的でコンテストをしましたね。例えば、エクセルを全然使ったことがない社員さんから、おにぎりの販売集計を自動化するためにVBAやマクロを書いたプロンプトが提出され、それが全国の支店に展開されるということも起こりました。
ユースケースをもとに部門別にプロンプトを作成すると、業務が本当に変わっていきますね。
高松:このコンテストでは50代の社員3名が、社長賞を受賞されたんですよね
駒谷:駒谷:ベテランの方々が受賞されたのは印象的でしたね。生成AIの効果を最大限に引き出すには、現場の知見を言語化してAIに落とし込むことが重要です。例えば、近くの小学校に何か提案できないかといった思いつきが出ることが必要ですし、営業のトークスクリプトを作る際にも営業のフレームワークを知っておくことが必要です。
現場のノウハウを明確にし、それをプロンプトに落とすことが重要なのですが、そのためにはAIのテクニックだけではなく、丁寧にヒアリングを重ねて業務のコツを引き出すこともカスタマーサクセスをする上で大切になってきます。
高松:稲次さんは、どんなお客様が思い出に残っていますか。
稲次:そうですね。某電機系企業様での面白い事例があります。その企業様が販売するテレビスタンドがあり、移動のしやすさと震度7に耐えられることが売りの商品でした。それを単にセールスポイントとして売るのではなく、どのような生活シーンで価値があるかを提案することでよりお客さんに魅力が伝わりやすくなります。
料理中に簡単に移動して台所からでも見れたり、在宅で業務をする際に簡単に移動させてディスプレイにもできたり、そういった「もの」から「こと」への提案で顧客体験を向上させることができます。そのためのトークスクリプト事例をさくっと生成AIに出してもらうことが可能です。
高松:そういえば鉄道系のお客さんも増えましたよね。
駒谷:鉄道系の企業様は非常に上手に活用いただいておりますね。鉄道は地域性の強い業界のため、あまり競合しないという特徴があるようです。そのため私たちの知らないところで、自社の利用事例を他の鉄道会社さんにもシェアいただいていたようで、それが良い評判として広まり、鉄道業界で素敵なご縁が生まれました。あとは、商社なんかにもどんどん導入いただいていますね。
稲次:最近の事例では、マッチング事業を展開する企業様にも導入いただきました。顧客の体験をよくするために生成AIを利用するにはどうしたらいいのか、に着目して提案をさせていただきましたね。
生成AIの不得意分野と、サービスの競争優位性強化
高松:逆に、生成AIの課題点は何がありますか?
駒谷:ありますよ。生成AIは営業/マーケティングで一番効果が出やすく、次にプログラミングやコードを書くところ、その次に研究開発などで論点出しや過去研究を読み込んだ事例出しなど、成果が出やすいところがあります。一方で、例えば経理業務のような間違えてはいけない数値を扱ったりワークフローの自動化などが求められたりする業務には、日常業務でフル活用してもらうためにもっとプロダクトの進化が必要だと思います。
ただ、使えないと思っていた業界や職種で、ユースケースが見つかることも多々あります。例えば製造業ではミス再発防止策の提案や、品質管理などでご活用いただいています。新しい商品を出す時に、自社で設定している品質管理規程の基準を満たした商品になっているのか確認するために利用してもらっています。お客さんとの会話の中からユースケースをしっかりと発掘して提案に活かすことが、生成AIを利用した業務効率化を推し進めるために重要だと考えています。
稲次:今後は独自のカテゴリーを作り上げ、競争優位を築いて、自分たちのユニークな価値を強化していく必要もありますね。
高松:例えばプロンプトテンプレートは人気ですよね。
駒谷:WebサイトやSNSで「テッパン」と紹介されるプロンプトは多いですが、実際には業務に使いにくいものも少なくないですからね。ちなみに当社の新卒社員もプロンプトテンプレートを考えたりしていて、「やったことない仕事を振られた時の進め方を教えてくれるプロンプト」など新卒らしい発想で面白かったですね。さまざまな視点からプロンプトを作ることで、いいものができるんですよね。
Exa Enterprise AIとはどんな組織か
高松:組織として目指していることはありますか?
駒谷:いろいろな破壊と創造を連続させてスケールアップしていく事と型化していくことを両立させる必要があると感じています。ARRは約1年で10億を突破しましたが、さらに進化するためには組織を構築しなければなりません。ゼロから1を生み出す能力を持ちつつ、型にはまることを恐れない組織が必要です。
他にも、プロジェクトを並行して複数走らせているので、企画ごとにオーナーシップを持って戦略を考えられる人材が複数必要になってきます。ミニ事業部長がたくさん生み出せる組織にしたいですね。
稲次:営業の話で言えば、営業力はますます求められると思います。お客様のビジネスモデルを理解しているかは非常に重要なスキルですね。あとは変化が激しい業界なので、それを楽しめる方が適していると思います。
高松:今このExa Enterprise AIに入社するメリットはどこにありますか
駒谷:劇的な成長市場での経験を持っている人とそうではない人は、キャリアが別れるんじゃないかと思います。そんな環境に身を置けるというのはプラスなんじゃないかと思います。
また生成AI×SaaSの市場はどんどん拡大していて、SaaSもAI銘柄になっていく方が評価されてきている状況になっていると思います。そんな生成AI×SaaS市場に身を置くことで今後大きな時価総額を作っていける可能性があるのは面白いですよね。
他にも、生成AIのプロダクトはエンジニアでなくても積極的に関与できる点も面白いです。プロンプトなどエンジニアが関与しない領域で商品の価値を大きく変えることが可能です。なので、自分でプロダクトの価値をあげていける所も特徴的ですよね。
稲次:そうですね。市場価値を高めるというよりも、自分自身で新たな市場価値を創出する経験ができます。市場価値ってスキルや給与など観点は様々ありますが、敷かれたレールだけではなくレールを作ることもできると思っています。
なので具体的にこうしたいがある人よりも、ビジョンを持っている人の方がいいかなと思っていて。ビジョンから逆算して色んなことが経験できるし、色んなポジションを作っていけるので、生成AIの市場変化を楽しみながら新しいものを作りたいという人の希望も叶えられる事業かなと思います。
高松:業界の知識や顧客へのディープダイブが重要だと思いますが、現在狙っている業界やドメインはありますか。
稲次:現時点では、特定の業界にフォーカスしているわけではないですね。
高松:では、どんな人と一緒に働きたいと考えていますか。
駒谷:私たちが求めているのは、業界の経験以上に、言語化スキルや相手の望むことを捉える能力が高い人です。業界知識があっても、優れた仕事の進め方を思いつけないことがありますし、そういう能力が活躍を左右すると思います。
高松:それでいくとSaaSプロダクトはいかに汎用的に価値提供できるかを大事に開発されることが多いですが、この生成AIプロダクトは一定の汎用的な利用方法がありつつ、業界や職種に特化した利用方法もあるため、ソリューション提案も求められますよね。
駒谷:そうですね。特にAIだからこそ、SaaSの中でソリューション提案ができる部分が面白い。マーケティングテクノロジーやARPUが高いSaaSなどの経験者は相性が良いかもしれないですね。
高松:なるほど、興味深いです。最後に、駒谷さん、稲次さんが大切にしているカルチャーやバリューについて教えてください。
駒谷:創業者メンタリティを大切にしています。アントレプレナーシップ、起業家精神とも訳せる言葉ですね。新卒社員にも大きな案件を任せていたり、誰でもオーナーシップもって働ける組織を目指したいです。
稲次:我々が大切にしているのは、「コトに向かう」姿勢、User&Speedファースト、そしてenjoy engineeringしてモノづくりを楽しむことの3つです。さまざまなニーズに応じたモノづくりを行い、モノづくりを楽しむことを重視しています。
駒谷:つくる・売るの両方をやりたい人には合っていると思います。これからも内部カルチャー作りと活躍する人材の育成に力を入れていきたいと思います。
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