エクサウィザーズの叡智の結晶 国内最大級のAI/DXプラットフォーム「exaBase」とは
はじめに
前川(知):はじめまして!エクサウィザーズ執行役員の前川知也です。
学生時代にWebサービスを立ち上げ、事業譲渡の後にBCGに入社。その後エクサウィザーズに入社し、HRTechの事業立ち上げ等を経て、現在はexaBase事業部長としてAI/DXプラットフォーム「exaBase」の事業開発に取り組んでいます。
9日目の今日は、「exaBase」機械学習モジュールのプロダクトマネージャーの板橋さんと共に、エクサウィザーズが開発に注力している「exaBase」についてお伝えします。
板橋:はじめまして、プロダクトマネージャーの板橋です。
エクサウィザーズでは約2年間、Care &Med Tech事業部でプロダクト開発に取り組んできました。
今年の夏ごろからは、Care&Med Techプロダクトの開発と並行して「exaBase」の開発にも取り組んでいます。
「exaBase」とは何か?なぜ必要か?
まず前川から、「exaBase」の意義と概要についてお話しします。
前川(知):エネルギー問題や生産年齢人口の減少など昨今の重要な社会課題は、サプライチェーンの再構築や社員の生産性改善など、企業活動と切っても切れない関係にあります。昨日ご紹介したAIP事業部では、クライアントの企業とともにAIを利活用することで、企業活動の変革を通じた社会課題の解決を目指しています。
一方で、企業によるAIを利活用した課題解決はまだまだ始まったばかり、全体のほんの一部に過ぎません。
下の図は、独立行政法人情報処理推進機構(以下IPA)の『DX白書2021』の調査で、企業のAIの活用状況を日米で比較したものです。米国では実証実験を含め6割以上の企業がAIによる利活用を進めているのに対し、日本ではまだ3割程度に留まります。ダブルスコアという衝撃の結果です。
(出典:IPA「 DX白書2021」2021年10月 図表14-5)
下の図は同じくIPAの調査で、AI等を用いたDXに必要な人材が、企業にどの程度充足されているかを示しています。日本では実に8割以上の企業で、リソースが不足しており、ボトルネックとなっているのです。
(出典:IPA「 DX白書2021」2021年10月 図表13-2)
「exaBase」はこうした現状を打破し、AIの利活用を通じた企業変革をさらに加速させ、成果を創出するために必要なAIやサービスを集積したプラットフォームです。
「exaBase」には、エクサウィザーズが年間300件以上のプロジェクトを通じて開発した様々なアルゴリズム・AIモデルが、APIやSaaS等の形で蓄積されています。
いわばエクサウィザーズメンバーの叡智の結晶です。特許の出願数も100以上に上ります。
エンジニアが開発した技術を「exaBase」のモジュールとして構築することで、よりスピーディーかつ再現性を持ってAIによる課題解決を実現を目指しています。
また「exaBase」には、レゴブロックのような側面もあります。各モジュールをレゴブロックのように色々と組み合わせて使うことで、これまでにない課題解決を可能にするAIを生み出すことができます。
ここで板橋さんから、具体的な事例をご紹介してもらいましょう。
「exaBase」具体事例~動画表情解析モジュール~
板橋:代わりまして板橋です。『DX白書2021』は何度見ても身が引き締まりますね。私たちに託された責任は重大です。
さて、レゴブロックのような「exaBase」の使い方の例として、ソフトバンク株式会社と取り組んだ採用動画解析の事例をご紹介します。
この取り組みは、採用選考の動画データをもとに候補者の評価を予測するといったもので、動画解析・音声解析・構造化データ解析と様々な専門性が求められました。
通常であれば各領域のエンジニアによる開発が必要になるのですが、「exaBase」の動画表情解析モジュールと構造化データ解析モジュールとを組み合わせることで、短期間で大きな成果を創出することができました。動画選考にかかる工数が約85%*削減され、熟練の担当者によるよりきめ細かな選考が可能になったのです。
(*リリース当時の発表よりもさらなる工数削減を実現)
続いて、この動画表情解析モジュールについて、もう少し具体的にご紹介します。
動画表情解析モジュールは、「カメラを向いて相手に何かを伝えようとしている動画」を解析できるWeb API基盤です。被撮影者がバストアップのアングルでカメラに向かって話している動画をWeb APIに投げると、さまざまな特徴量を返します。
動画にはフレームごとの画像データと音声データが含まれています。画像には会話の特徴として表情や視線など、いわゆる「目で見て捉えられる特徴」が含まれています。また、音声には「何を話しているか」だけではなく、声の大きさやトーンなどの話し方の特徴が含まれています。
昨今の機械学習技術では、「画像から表情を判断する技術」、「発話音声を文字列に変換する技術」などそれぞれの特徴量を捉えることができる技術は発展してきています。ですがユースケースを考えると、解析に必要な特徴量を得るためにこれらの各個の技術要素を組み上げて実装することは大きな手間となります。
動画表情解析モジュールでは、これらの特徴量抽出が一つのモジュールとして用意されているため、Web APIに動画を投げるだけで何十もの特徴量を得ることができるようになっています。
他にもexaBaseチームでは、この動画表情モジュールをベースに「exaBase 1on1」などの新たなSaaSプロダクトも開発しています。
「exaBase 1on1」はWeb上での1on1 ミーティングの動画から上司・部下のコミュニケーションを解析するもので、リモートワーク下のマネジメントに課題感を抱える企業を中心にご利用いただいています。
ちなみに、こうした「exaBase」のモジュールは、社内ではコードネームをつけて呼んでいます。コードネームは薬草やスパイスの名前から引用しているのが、10の18乗の”魔法使い”を意味するエクサウィザーズらしいところです!
「exaBase」の広がり&一緒に作る仲間大募集!!!
前川(知):板橋さん、ありがとうございます。個人的にはコードネーム”Basil”が好きですね。
さて、今日ご紹介した「exaBase」の機械学習モデルのモジュールは、実は「exaBase」の一部分にすぎません。AI利活用で成果を創出するために必要な機能として、現在チームでは下記のスコープまで含めて「exaBase」の構築を進めています。
これらは別々に実装・整備するのではなく、全体感を持って構築する必要があります。各要素の実現に求められる技術は多岐にわたっており、各方面で突出したエクサウィザーズのメンバーが結集して構築に取り組んでいます。
一方でまだまだ仲間が足りません!切実です。
各領域のエンジニアはもちろん、企業での利活用を企画・推進するビジネスメンバーを含め、全方位で仲間を募集しています。
例えば機械学習モデルモジュールの拡充では、プロダクトやソリューションとして事業が成立する「ちょうど良い」粒度での汎用化が必要です。粒度の設定には事業性を見極められるビジネス的な要素と、使える形にするためのエンジニア的な要素の両方を持ちながら検討を進めています。
難易度は正直高いですが、これからのエクサウィザーズの成長の中核を担う重要な要素で、最高にエキサイティングです。
企業が「exaBase」を用いて、あたかもレゴブロックで遊んでいた頃のように、創造的で前向きにAIによる社会課題解決に取り組むことができれば、きっと明るい未来が作れると信じています。
ぜひ一緒に作り上げましょう!皆さまのご応募お待ちしています!
明日は、長谷川さんにAIプラットフォーム西日本事業部について書いていただく予定です。
(更新しました)