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AIとIRの融合、グローバル経験を活かしたプロダクトマネージャーの挑戦

このアドベントカレンダー(概念)は、株式会社エクサウィザーズの子会社であり、生成AIサービスの開発や販売に特化した株式会社Exa Enterprise AIについて、各メンバーがリレー形式でそれぞれのミッションや想いについて執筆するものです。

今回、新規事業・exaBase 生成AI事業がサービスリリース開始1年でARRが約9億円規模に到達し日本屈指のスピードで成長するSaaSとなったこと、そしてデロイト トーマツ ミック経済研究所の「法人向け生成AI導入ソリューションサービス市場動向 2024年度版」に関して2023年度のマーケットシェア1位を獲得したという、2つの素晴らしい成果も祝して、各メンバーが記事をお届けします。プロダクトやメンバーの魅力をより多くの方に知って頂けましたら幸いです。

前回の記事は、サービスデザイナーの村田さんの「コンサル部門から事業部門カスタマーサクセスへ。あるサービスデザイナーの挑戦」でした。今回は、プロダクトマネージャーの要木が執筆します。

株式会社Exa Enterprise AI IRアシスタントグループ・要木 詩奈

プロダクトマネージャーとしての新たな道

私は幼少期を東南アジアで過ごし、日本よりも海外生活の方が長かったため、英語の方が母語に近い感覚があります。しかし、日本国籍でもあり、「日本のカルチャーを知りたい」という思いがありました。

高校生の頃、自分のウェブサイトを作ることにハマり、SNSの世界に魅了されていました。そこで自分でSNSを作ってみようと考え、大学では環境情報学部に進みました。私たちが住む場所そのものを環境ととらえ、そこに根差したテクノロジーとは何かを学びました。インターネットガバナンスのセミナーに参加したり、プログラミングを学んだりと、様々な経験を重ねました。

大学時代には、東南アジアの洪水問題に取り組み、現地調査を行い、プログラミングを活用してハザードマップを作成しました。卒業後、一社目ではもともとユーザーとして大好きだったプロダクトの会社でアプリ開発に携わりました。新規事業に参画する機会に恵まれ、プロダクトマネージャーとして新しいプロダクトの立ち上げに尽力しました。

AIと社会貢献の融合、エクサウィザーズ入社の決め手

エクサウィザーズへの入社を決めた大きな理由は、AIのプロダクトマネージャーとして働ける点と、社会課題の解決を目指すというビジョンに共感できたことです。

大学時代、ジャパニーズスピーカーではない人々を支援するサービスの研究を行った経験から、困難に直面している人々に課題解決の方法を提供することの楽しさを感じていたので、同じ方向のビジョンを抱えていることは、私にとって魅力的でした。

また、前職ではしっかりと複数の承認プロセスを通したり、実際に着手するまでに確認を重ねることも多いと感じていたので、「スピード感を持って開発できるかどうか」を重要視していました。さらに、英語力を活かせる環境も考慮しており、エクサウィザーズはこれらの条件を全て満たしていました。

選考時のメンバーはジャパニーズスピーカーのみでしたが、実際に入社してみるとチームメンバーには英語を母語とする人が多く、良い意味でギャップを感じました。また外国籍のメンバーがダイバーシティ&インクルージョン領域をリードしており、多様性に対する取り組みも実感しています。

AIがIRを変える「exaBase IRアシスタント」の挑戦

私は、IR(インベスター・リレーションズ)分野にAIを活用するプロダクト「exaBase IRアシスタント」の開発を担当しています。IRという分野にAIを持ち込むという挑戦的なプロダクトですが、まだまだ道半ばであり、お客様からの様々な要望を伺いながら、より使いやすいプロダクトを目指して日々改善を重ねています。

マイルストーンやプロダクトビジョン、ロードマップの作成からエンジニアへの要件の伝達、チケット管理などを幅広く行っています。最近まではプロダクトリリースの時期に作っていた計画に沿ってプロダクト開発を進めてきましたが、2024年夏以降は次のステップのビジョンを立て直す作業に入っています。

難しく感じる点はいくつかあります。類似プロダクトがない分野なので、ベンチマークする対象がなく情報収集の方法から検討する必要があります。例えばビジョン策定の際は、ネット上の情報だけでなく、セールスを通じた顧客ヒアリングやユーザーインタビューの方法も工夫して、活発に実施しています。

他にも、AIプロダクトならではの難しさがあります。

前職ではBtoCだったこともあり、競合プロダクトがある中で、ユーザーの不満を減らすことを意識したプロダクト作りが中心でした。一方でBtoBのexaBase IRアシスタントでは、直接顧客から要望を伺うことができます。そのため「こんな機能がほしい」など高い期待値を寄せていただくことも多々あります。そのご要望の中には「AIだったら、どんなことも簡単な指示で叶えてくれるのではないか」と、過度な期待を抱かれているケースもあり、期待と大きなギャップに繋がらないよう注意が必要です。

一方、プロダクトを作る中で面白い発見もたくさんあります。exaBase IRアシスタントの主な顧客は上場企業のIR部門の担当者です。当初はすべてのIR関連業務を1人で担当するケースが多い中小企業にニーズがあると考えていましたが、いざプロダクトをリリースしてみるとエンタープライズ企業からの引き合いも多数あり、IR組織の規模に関わらず幅広い需要があることがわかってきました。

ちなみにエクサウィザーズならではの強みは、ドメインエキスパート(特定の業界や分野における深い知識と経験を持った専門家)の方々と協力してプロダクト開発ができる点にあります。ユーザーの本当の課題を把握しやすく、それに基づいてプロダクトの方向性を定めることができます。

ユーザーにインパクトのあるプロダクトを届けるため、日々チャレンジを続けています。

開発(ギア)、戦略(グラフ)、顧客ニーズ(チャットバブル)など、プロダクトマネージャーが扱う複数の要素を空中でジャグリングしているように生成AIで画像生成してみました!

使いやすさの追求、顧客ニーズに応える

exaBase IRアシスタントの大きな機能の1つである議事録機能の開発は、リソースが限られる中で顧客ニーズにマッチした製品を短期間でリリースする必要があり、大変な作業となりました。単に会議内容を書き起こすだけでなく、IR業界の常識を組み込み、適切な表現で仕上げることを目指していたためです。

具体的には、書き起こした議事録をIR担当者が振り返りやすいようセクション分けを意識したフォーマットを取り入れました。また、議事録音声の中から投資家からの質問を抽出し、なぜその質問をしたのかの背景情報も追記できるようにしました。

Q&A機能開発では、投資家ごとに重視するポイントが異なったり、一般常識とは違ったIR領域ならではのしきたりがあったりと、AIの特性を意識して検討することに苦労しました。

たとえばある投資家から「開示の充実度が増えた」という肯定的なコメントがあったとします。しかしIRの知識が乏しいとAIは「開示数をもっと増やすべき」とネガティブに解釈してしまうケースがありました。そのため投資家の関心事をカテゴライズし、的確なニュアンスを汲み取れるようにし、人間が感じている意図やIRのスタンダードを反映させてプロダクト作りを進めていくことが必要不可欠でした。

ほかにも、対応すべき音声・動画ファイルが多様である点にも悩まされました。プロダクト運用コストの観点からも、この選定は重要だったため、音楽関係企業で働いたことがあるメンバーにヒアリングを行い、最も一般的に利用されるファイル形式を選定しました。

リリース後はさらに機能を拡張し、日本語と英語が混在する音声にも対応できるよう開発を行いました。大手企業のIR担当者は、年間数百件の会議の半数以上を外国人投資家と行うケースもあり、この対応は必須だったのですが、サンプルとなる日本語と英語が混在した動画がなかったため、自分で英語と日本語を組み合わせた音声データを作成して、音源の作成もしていました。

AIの特性を意識した開発で顧客要望を具現化することで、現在、議事録機能は高い評価を得ています。結果的に受注が連続する形となり、やりがいに繋がっています。

多様性の力、国際色豊かなチーム構成

エクサウィザーズでは、多様なバックグラウンドを持つメンバーが在籍していますが、私のチームにも日本国籍以外のメンバーが多数在籍しており、国際色豊かな環境です。また、映画、投資、ファイナンス等、様々な専門分野のプロフェッショナルが集まっているのも特徴です。

チームではナレッジシェアを大切にしており、隔週でナレッジシェア会を開催しています。デバッグの情報共有からAIモデルのハンズオン体験、LT(ライトニングトーク)と、様々な形式で知見を共有し合っています。
メンバー一人ひとりが「情報をオープンに共有する」ことを心がけており、知識や経験を惜しみなく伝え合う風土があります。

そしてもう一つの大きな特徴は、「ものづくりが好き」なメンバーが多いことです。新しいプロダクトやサービスを一からつくり上げるプロセスを、みんなで協力し合いながら楽しんでいます。

アイデアを形にするための熱意と協調性、そして多様な知識と経験を気軽に共有し合える環境が、このチームの大きな強みになっていると感じています。

エクサウィザーズは、AIの可能性を最大限に活かす環境

プロダクトマネージャーの役割は、AIを活用するプロダクトと従来のプロダクトで大きく異なってきています。これまではテック経験がなくてもプロダクトマネジメントは可能でしたが、AI分野に特化したプロダクトマネージャーになるには、早い段階からAI技術に携わることがカギとなります。

今後、ほとんどのプロダクトがAI技術を活用するようになると予測されます。そうなれば、プロダクトマネージャーとしてのキャリアアップを考える上でも、AIへの深い理解は必須スキルとなるでしょう。早期からAIに触れ、知見を深めておくことで、将来的な市場価値を高められると思います。

エクサウィザーズでは、exaBase IRアシスタントに代表されるように、今までにない切り口からプロダクト開発に挑戦しています。そのため、大きなチャレンジの機会を経験することができました。AIの可能性を存分に発揮できる新しい価値創造の場所です。

プロダクトマネージャーを目指す皆さん、ぜひエクサウィザーズに参画し、AIを武器に新しいプロダクトの創造に挑戦してみてはいかがでしょうか。

次回の記事は、執行役員/人事責任者・半田さんの「社員30名から売上100億へ。一人目人事から社員を見続けてきて感じる『急成長企業で活躍する人材の4つの特徴』」です。お楽しみに!

この記事を読んで、当社に少しでも興味を持ってくださったら、以下のツールからカジュアル面談も可能です。AIのレコメンド機能を利用して、面談相手を見つけてみてください。(AIのレコメンド機能だけを楽しみたい方もぜひ!)


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