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カスタマーサクセスの流儀は、“相手の期待と動機”に向き合い続けること。PdMを兼任する若手メンバーの挑戦

「相手の動機に向き合うことが、お客様が抱える本質的な課題の発見につながり、プロダクトのコアバリューを高めること、お客様を”成功”に導くことにつながると思っています」

「エクサウィザーズ」で活躍する”ウィザーズたち”を紹介するストーリー。

AI分析ツール「HR君Analytics(現名称:exaBase 予測・分析)」のカスタマーサクセス兼PdM(プロダクトマネージャー)を務める阿部一真さん。カスタマーサクセスを自分の“天職”だと話す彼が、カスタマーサクセスの道に歩むことになったのは、NTTデータでの経験と、同社に新卒入社するきっかけとなったアフリカへの一人旅でした。

なぜ、カスタマーサクセスが“天職”なのか。その根底にあるのは昔から変わらない阿部さんの”相手の期待と動機に向き合うGiveの姿勢”でした。

◾️  プロフィール

阿部一真 (あべ・かずま)

早稲田大学で社会心理学を専攻。DeNAへのインターンシップを通じて自身が実現したい世界への思考を深め、新卒でNTTデータに入社。Salesforceビジネス推進部署でCRM/SFA/MAソリューションのセールス・コンサルティングに携わり、カスタマーサクセスチーム立ち上げ時にはコアメンバーとして参画。その後、2020年にカスタマーサクセスとしてエクサウィザーズに入社。0→1フェーズの各プロダクトにおけるカスタマーサクセスのあり方を模索しながら土台を作り、2021年からはAI分析・予測プロダクト「HR君Analytics(現名称:exaBase 予測・分析)」のプロダクトマネージャーも務める。

アフリカへの旅で気づいた、「人が相互支援できる社会」のヒント

「お前、何かおもしろくないな。アフリカに行ったら、おもしろくなるんじゃない?」

その何気ない一言が、阿部さんを後に、カスタマーサクセスの道へ進ませる礎となった。言葉の主は、当時まだDeNAの社員であったミラティブ代表取締役の赤川隼一さん。同社でインターンをしていた大学3年生の出来事だった。

「元々、人の期待に応えて、感謝されたり、喜んでもらうのが好きなタイプなんです。とにかくGive、Give、Giveという。大学時代、塾講師と家庭教師のバイトを掛け持ちしていた頃は、生徒や親御さんの喜ぶ顔を見るため、休みを返上してでも教材を準備してましたね(笑)」

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そんな阿部さんにとって、赤川さんの“期待”に応えることに違和感はなかったのだろう。

「有言実行したら、DeNAで内定をもらえるかもしれない」。そんな就活生ながらの下心もあったというが、セネガルで日本料理店を立ち上げる人がいることをWebで見つけると、「バイトがしたい」とコンタクトをとって料理店の立ち上げに参加したり、セネガルに直行するのではなく、モロッコからバス・乗合タクシーを乗り継いで陸路を走破したりと、自分なりに「おもしろい経験」ができるよう考えていたという。

「どうやら、当時の赤川さんはいろいろな人に『アフリカへ行ってみれば?』と言っていたそうなんです(笑)。でも、実際に実行したのは僕だけだったと、帰ってきてから知りました」

人の期待にまず自分から応えていく。阿部さんのその姿勢は、就職先の選び方にも反映されている。

「人が相互支援できる社会を作るにはどうしたらいいか。それが、就活中の自分の軸でした。誰かの期待に応えたいとか、それに対して何かを返したいという気持ちって、自分の心に余裕がないと難しいですよね。じゃあ、心の余裕を持つにはどうすればいいか。

最初は食の領域を考えました。単に自分が、お腹が空いているとき、他の人のために頑張ろうという気持ちにならないからです(笑)。

ただ、アフリカに行って他のアプローチがあることに気付きました。アフリカの人たちは、僕のような見知らぬ日本人に、とても親切にしてくれたんです。どうして彼らが親切にしてくれたんだろう、と考えたとき、”時間”というキーワードが思い浮かびました。

アフリカに比べると、今の日本には時間的な余裕が少なすぎる。もっと時間に余裕を持つ人が増えたら、人に優しくできる、お互いに助け合える機会が増えるのではないか。そう思ったんです」

これまで当たり前のように人間が行っていた作業を見直して「本当に人間がやるべきこと」と「人間がやらなくてもいいこと」に分け、後者をシステムなどに置き換え、人々の自由な時間を増やすこと。それができれば、自分の考える社会、相互支援に満ちた世界に近づくのではないか──。そうした背景から、阿部さんは、NTTデータに入社を決めたのだった。

“天職”、カスタマーサクセスとの出会い

阿部さんが、NTTデータを就職先として選んだのは、「自由な時間、時間の余裕を作りたい」という理由だけではなかった。

「塾講師時代のように現場に立ち、目の前の人たちが喜ぶ姿を直に感じながら仕事をするのもやっぱり良いなと思っていました。ただ、エンドユーザーに近ければ近いほど、自分が関われる人の数は減ってしまう。

より多くの人に関わろうと思ったら、仕組み作りやプロダクト開発に携われる上流に行かなければなりません。この葛藤に悩んだ末、NTTデータを選んだのですが、まさか“カスタマーサクセス”という自分の天職に出会うとは思いませんでした」

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NTTデータで最初に配属されたのは、Salesforce関連ビジネスを行うチーム。当初は、営業と導入コンサルティングが主な仕事だったが、クライアントの増加に伴い、伴走型の支援、カスタマーサクセスが求められるようになった。

「カスタマーサクセスは僕にとって“いいとこ取り”な職種でした。実際にプロダクトの導入を推進している担当者の方と話ができるし、エンドユーザーの方とも話す機会がありました。それだけでなく、お客様からのフィードバックをプロダクトに還元できれば、1to1での課題解決にとどまらず、プロダクトを通じて1to Nの価値に変換し、多くの人に影響を与えることにもつながる。

つまり、目の前の人の期待にも応えながら、プロダクトの改善を通じて目指したい社会作りにも貢献できる。カスタマーサクセスという職種を極めることが、自分にとってベストなキャリアかもしれない、と思うようになりました」

当時、NTTデータにはカスタマーサクセス専門のチームはなく、阿部さんのチームも主な業務はセールス。もっとプロダクトと距離の近いところで、カスタマーサクセスの業務に携わりたい。そんな思いから阿部さんは、新しい舞台を探し始めた。

エクサウィザーズは、カスタマーサクセスチームを“サクセスさせる人”になるための最短経路だと思った

「カスタマーサクセスとは、“プロダクトの素晴らしさを届ける人”、だと思っています。どんなに素晴らしいプロダクトでも“届ける人”がいなければ、誰にも知られることなく消えてしまいます。

だから、将来的にカスタマーサクセスという職種自体の素晴らしさを広めたり、様々な規模のカスタマーサクセスチーム自体の立ち上げ・成功を支援できるようなキャリアを歩みたいと思いました。そこで、カスタマーサクセスの立場で、いろいろなフェーズ・業務・業界のプロダクトに関われる会社を探していました」

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そんな中で出会った会社の一つがエクサウィザーズだった。阿部さんが興味を持った2020年の初頭は、エクサウィザーズでは複数のプロダクトの芽が同時多発的に出始め、各プロダクトチームでカスタマーサクセス立ち上げの真っ只中。プロダクトごとにゼロからカスタマーサクセスの仕組みを作っていける状態だった。

当然、既にある程度仕組みが整っている企業で、その”いろは”を学ぶという選択肢もあったはずだ。経験もまだ豊富ではない中、なぜゼロベースの環境に飛び込んだのか。

「ダメだった、上手くいかなかった経験も含めて、将来の糧になると思ったんです。既に整っている仕組みをなぞっても、ただオペレーションをこなすだけでは自分にとっての学びが少ないなと。また、チームやプロダクトの規模が大きくなるほど役割が細分化されていることもネガティブな要素でした。領域を横断して業務に携わりたかった。エクサウィザーズはまさに求めていた環境だと思ったんです」

カスタマーの動機に向き合うことが、サクセスへの一番の近道

阿部さんが飛び込んだのは、あらゆる領域のデータ活用・分析・予測を支援するビジネス現場ユーザー向けのプロダクト「HR君Analytics(現名称:exaBase 予測・分析)」のチーム。カスタマーサクセスとしてオンボーディングやお問い合わせ窓口のシステム化、FAQ・マニュアルの整備を始め、カスタマージャーニーの作成、サクセスステップの構築、モニタリング指標の定義、個別のお客様向けコンサルティング支援など、必要なことは何でも取り組んだ。

「とにかくユーザーの気持ちになることを心がけていました。特に、入社して初めてプロダクトに触るときは、実際のお客様と感覚が同じであることを活かして、戸惑ったところや疑問に感じたところを細かくリストアップしていました」

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NTTデータ在籍時に比べ、クライアントの事業規模や業種の多様性が増し、それぞれにとって必要な支援も様々だ。初挑戦のことも多く、頭を悩ますこともしょっちゅう、と語るが、相手の期待に応え、喜んでもらいたいという姿勢は変わっていない。

「一番大事なのは、お客様が喜んでプロダクトを使ってくれているか、だと思うんです。別の言い方をすると、自発的に使いたいと思ってくれるか。手前味噌ですが、HR君Analyticsは価値のあるプロダクトだと思っています。でも、使う人が『使うのめんどくさいな』とか、『上手く活用できてないな』と思ってしまったら、お互いにとって不幸ですよね。

だから、お客様の動機がどこにあるかにフォーカスしてヒアリングをします。さらに言えば、それが自発的・個人的な動機なのか、上司や会社が決めたからやっているのかも気にするようにしています。

相手の動機に向き合うことが、お客様が抱える本質的な課題の発見につながり、プロダクトのコアバリューを高めること、お客様を”成功”に導くことにつながると思っています」

カスタマーサクセス×PdMの両輪でプロダクトを成長させ、人と人が助け合って暮らせる社会を目指す

ゼロからカスタマーサクセスの土台作りを進めて、早くも1年が経とうとしている。阿部さんは現在、カスタマーサクセスと並行してHR君AnalyticsのPdMも兼任している。

昨今、キャリアステップの一つとして注目度が高まっているPdM。カスタマーサクセス出身の阿部さんはどのような視点から、PdMとして活動しているのか。

「クライアントの数や売上は当然、ビジネスの成長指標として追っているものの、一方で顧客体験・カスタマージャーニー(お客様がプロダクトを使う一連の流れをモデルケースにしたもの)にはすごく気をつかっています。何が壁なのか、何を価値に感じているのか。そのポイントを自分で言語化し、プロダクトが提供できる体験価値を日々向上できるように心がけています」

PdMの立場であっても、第一に大事にするのは“相手の期待にどう応えるか”。

「お客様の課題や、私たちのプロダクトに求めていることを無視して、ただ導入先を増やすだけでは『結局、役に立たなかった』というネガティブなイメージが広まってしまう可能性もあります。そういった“すれ違い”を極力なくすための活動は、とても大切だと考えています。例えば、お客様の課題とデータ活用テーマを明文化し、私たちで解決に向けた支援が可能な課題なのか、お客様から出た課題が表面的な課題でなく、クリティカルな課題なのか、など、お客様の成功に向けた議論を行っています」

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ところで、阿部さんがエクサウィザーズへ入社した理由の一つは「カスタマーサクセスを極めること」だが、PdMとの兼務はどう感じているのだろうか。

「カスタマーサクセスは、お客様とプロダクトをつなぐという観点で、PdMと二人三脚になって推進する必要がある活動です。PdMがどんな役割を担うのか、どんな視点で物事を捉えているかを”体感”できていることは、自分のキャリアにおいて大きな意味があります。むしろ、兼任できる環境は相当恵まれているんじゃないでしょうか」

自分の天職としてカスタマーサクセスの道を極めながらも、「多くの人の心に余裕を作りたい、そして互いに助け合って暮らせる社会を作りたい」という当初の思いに変わりはない。そのためにも、まずはHR君Analyticsというプロダクトを磨き上げていくことに魂を捧げている、と阿部さんは締めくくる。

「HR君Analyticsは、AIの力でビジネス現場にいる一人ひとりの意思決定を支援するプロダクトです。AIに任せられる部分はどんどんAIに置き換えて時間の余裕を生み、多くの人に心の余裕をもってもらうことで、僕が目指している『人が相互支援できる社会』へ一歩ずつ近づけられればと思っています」

エクサウィザーズ では一緒に働く人を募集しています。興味のある方は是非ご応募ください!

文:福岡夏樹 編集/写真:稲生雅裕

(撮影の時のみマスクを外しています)

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