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ぶっちゃけちゃいます!AIスタートアップのエクサウィザーズと介護業界のリーディングカンパニー「ヤマシタ」がJVを設立したわけとは!?

この記事は、エクサウィザーズアドベントカレンダー15日目の記事です。

はじめに

こんにちは!15日目のアドベントカレンダー記事は、エクサウィザーズでコーポレート統括のリード、今回ご紹介する子会社のエクサホームケアでは取締役を務めております、石野悟史が担当させて頂きます。宜しくお願い致します。

本日は、「AIの社会実装を促進するための子会社設立」についてお話させて頂きます。まずは自己紹介も兼ねまして、子会社設立までの経緯を簡単にご説明します。

私は、3年前に「AIを用いた社会課題解決を通じて、幸せな社会を実現する」をミッションに掲げていたエクサウィザーズに惹かれて転職してきました。

過去在籍しました企業では、多くの産業、国での経験もさせて頂けたので、日本の介護産業もしっかりとリサーチして展開を考えていけば大丈夫じゃないかと、今振り返るとしっかりとした「コンサル脳」で、絵に描いたような甘い考えでおりました。。。

しかし、エクサウィザーズに転職してきて介護の業界に実際に触れてみると、外からのリサーチと全然異なり、簡単に物事は進みませんでした。以下に出てくるサービス「CareWiz トルト」も、良いサービスのはずなのに、全然ユーザー候補に響かない。思いつく限りの施策を展開しても、あまり状況が変わらず「あーーー!!!どうしたらいいんだ!」状態が一定期間続きました。。。

そんな時でした。(←物語っぽいですね)

AI企業のエクサウィザーズ社員と介護リーディングカンパニーのヤマシタ社員(後に合弁会社(JV)のパートナー企業になります)がひょんなことから出会い、アイディエーションを始めたら「なるほど!そうやって考えると市場の見方が変わるかも!」と、目の前が一気に広がったのです!もちろんそれを実現まで持っていくには、パートナーは必須でしたので、合弁会社(JV)設立に進展しまして、少しずつ成長して今に至りました。

ということで、順風満帆ではなかったとあるサービスが、それでも社会課題解決に向かうべくどのようなパートナー企業と出会ったか、やっと立ったスタートラインについて、本日はご紹介させて頂きたいと思います。

順風満帆でなかった、そのサービス「CareWiz トルト」とは?

CareWiz トルト」は、スマホで歩行の動画を「撮る」だけで簡単に理学療法士のような見立ての歩行分析ができるアセスメントツールです(骨格姿勢推定AIで高齢者の歩行分析)。

在宅生活をされている高齢者をサポートするケアマネジャー、通所介護事業、福祉用具事業の方々が、高齢者の状態を正しくアセスメントし、適切なアドバイス、サービス提供を行う際に活用頂いております。

在宅生活されている高齢者の多くの方は「転倒」が原因で入院され、結果要介護度が悪化し、老衰にまで至る傾向があり超高齢社会の課題になっています。ユーザーの皆様が「CareWiz トルト」を使うことで、「転倒」を減らす「提案」の質が向上する。結果、高齢者の転倒を減らすことに貢献し、入院や要介護度の悪化の抑制に寄与、強いては増大する社会保障費の抑制への貢献も目指しております。

図3

後段で詳しく書かせて頂きますが、この「CareWiz トルト」をリリースしたばかりの時は、新しい価値提供ということもあり介護業界の方に簡単には導入頂けなかったです。。。

出会ったパートナーとは?合弁会社(JV)「エクサホームケア」とは?

次に、成長を加速させるきっかけにもなった企業である株式会社ヤマシタを紹介させて頂きます。ここでなぜちゃんと説明させて頂くのかは、次の章でご理解頂けます。企業の知名度の大事さ、、、。

株式会社ヤマシタは、福祉用具レンタル・販売とリネンサプライのノウハウを活かし、からだ、こころ、くらしの豊かさを届け続ける未来志向のリーディングカンパニーです。なんと、ヤマシタは1963年に創業!!医療機関やホテルを対象としたリネンサプライ事業からスタートし、1986年から福祉用具レンタル・販売事業を展開。現在では、売上高は約223億円。国内外合わせて71拠点を展開し、現在の従業員数は約2100人と介護業界の超有名企業です!

山下社長の記事です。ご参考までに。

冒頭にも案内させて頂きました通り、介護業界での社会課題解決はエクサウィザーズ1社では時間もかかってしまうので、上記のヤマシタ社との協業を強めるべく、2021年5月末に合弁会社(JV)の株式会社「エクサホームケア」を設立させて頂きました。

エクサホームケアでは在宅介護に注目し、「在宅介護にAIを利活用し、科学的介護を実践する」をミッションとして展開しておりまして、立ち上げ期の今は、「CareWiz トルト」を主に展開しております。設立後の成長は後段案内させて頂きます!

図4

そろそろ聞きたい。JV設立で何が変わったの?

CareWiz トルト」の成長になんでJVが必要だったのか?もともと多くの課題はありました、、、。そのいくつかを設立後の変化と共に赤裸々にご紹介させて頂きます。

①「ウィザード?エクサ?」知りません問題
介護事業所はまだまだアナログな作業が多く、スタッフの方も比較的高齢の方が多いです。ですので、営業活動では、デジタル以外の要素も多分にあります。そんななか、「お世話になっております。エクサウィザーズの石野と申します!」と電話させて頂いても、「ん?エクサなに?ウィザードさん?」と、まず社名が伝わらない。そして、知らない会社名なので管理者になかなか取り次いでもらえないことも、、、。悲しかったです、、、。

しかし、JVパートナーのヤマシタさんの名前を借りてからは全然違う展開に!「お世話になっております。エクサホームケアの石野と申します!福祉用具のヤマシタとパートナーを組んでおります」。すると、「あー、ヤマシタさんと!いつもお世話になってます!ちょっと待ってくださいね。管理者を呼んできます!」。え????今までと反応が違う!やはり介護業界では、身近な企業の信用力は大事なんだな、と痛感しました。

②「理想と現実」問題
「CareWiz トルト」は実は1年前からプロダクト内容は大きくは変えてないのですが、ここ数か月で業界での見られ方は明らかに変わってきました。

なぜかというと、訴求する機能の軸を変えたのもありますが、「あのヤマシタが使っている」というフレーズが印象を変えてくれているのです。どんなにエクサウィザーズが「スマホ一つで簡単歩行分析。これで転倒を防ぐサポートが可能」と言っても、「面白いね」止まりでしたが、エクサホームケアとして「スマホ一つで簡単歩行分析。これで転倒を防ぐサポートが可能。ヤマシタは歩行器選定に活用してます」と言うと、「え??ヤマシタが既に現場で使ってるの?」と信頼していただけるようになり、より新しい取組が身近に感じられトライアルへのコンバージョン率も一気に高まってきました。

もちろんヤマシタも徹底利用して頂いてるなかでプロダクトへのフィードバックを高速で頂けるので、改善も進んでいるのもありますが、業界内での横の意識がすごい。。。

③「ラストワンマイル」が大事問題
上段でも介護の業界はまだまだアナログな部分が多いと案内しましたが、だからこそラストワンマイルが重要になってきます。ラストワンマイルで、オフラインで実際にサービスを使っている人を見たことがあるのか?そこで紹介できる機会があるのか?これの有無で浸透は大きく変わります。

当業界の皆さんは、本当に日々たくさんの介護業務に従事されていて時間が限られるので、普段の業務中に触れてみると、「え?なにこれ?いいね!」とのきっかけづくりになります。

最近では、「CareWiz トルト」のユーザーがオフラインで他の事業所の方の前で使用して、「それ何?」という会話から問い合わせを頂くことも増えてきました。また、撮影された高齢者が、ご家族、利用している介護サービス事業者に、その解析結果を持参して「これにあったサービスを提供して欲しい」という動きも出てきたりと、ラストワンマイルでのバイラルの仕掛けをいかに作れるかが大事になってきました。その点では、全国に約60の拠点を構えているヤマシタは頼もしい限りで、今まさに一部地域で展開中です!

上記の課題は、一見些細なことに見えるかもしれないですが大きな課題でした。そのなかで、改めて感じたのが、「素晴らしいAIサービスを作る」だけでは社会課題解決はもちろん進まないということでした。実際に我々のサービスを使って頂く方々が増えてほしい時に、導入に至らないという課題を解消するために外部パートナーの方が必要で、その力を借りていくことが大事だったということでした。

やっと立ったスタートラインと今後の事業戦略

「CareWiz トルト」は、上記でも記載しました通り、リリースしてから本当に色々ありましたが、なんとか約1年で約300の介護事業所に導入され、最近では多くのメディアでも取り上げて頂けるようになりました!(1年前では考えられなかったです。。。)先週の12/8には、NHKおはよう日本でも取り上げて頂く機会もありまして、多くの反響を頂いています!

お陰様で今月のトライアル申込者は過去最大で、CSメンバーは嬉しい悲鳴を上げております。私たちと一緒に働きたい!と思った方は、DMください!カジュアル面談させてください!切実です。

また、ユーザーの声は感動するものばかりでして、個人的には「歩行状態の見える化で入居者の楽しみができ、ご家族への安心感が増大しました」という声は、涙が出る程でした。実際にユーザーの生活をより豊かに出来ていることが実感出来てチームもハッピーです。他にも多くのユーザーの声がありますので、お時間のある際に、ぜひ読んでみて頂けると幸いです!

図5

CareWiz トルト」はこのように着実にユーザー数を増やしてはおりますが、これはコアなファンの方々に寄るところが大きいです。リリース時からのユーザーが「CareWiz トルト」のコアファンになって頂き、最近ではオンラインイベントに登壇頂き、赤裸々トークをして頂けるので、新規ユーザーの方々は安心して使用にまで進めております。また、「CareWiz トルト」は、自治体との取組にもしっかりと取り組んで成果を出しているので、ぽっと出のサービスでなく「しっかり」したサービスなんだなと理解も得やすくなってきました!

図6
福祉用具事業所向けセミナーで3社が「CareWiz トルト」について対談!

今後は更に成長のスピードを早めるために、①当業界の特徴を活かしたオフラインxオンラインでの仕掛け②当業界の老舗プレーヤーとのパートナーシップ構築等を通して、多くのユーザーの方と出会っていく予定です!そして、そこで得たデータを利活用して③他産業の方々にも参入頂き、高齢者の方々の生活をより豊かにしていきたいと考えてます!

業界が変わるくらい面白い取組みと自負しておりますので、ご興味のある方はどしどしご連絡くださいませ!!

ご参考に、エクサホームケアで一緒に働いているみんなの声を一部紹介させて頂きます!

図7

「介護医療の業界はtoCやシンプルなtoBに比べてステークホルダーが多く、ビジネスモデルが複雑になりがちです。複雑なドメインをいかにシンプルなモデルに落とし込み、長期的に維持可能なシステムを設計していくかに日々苦心しています。ただ動くシステムを作れるのは当たり前で、さらに一歩先のシステム作りをしたい人はぜひ一緒にやってみませんか?」

図8

「補助金に頼らないケアビジネスを作ろうとしているためハードルは高いです。また、現在はSales-Led Growth寄りのサービスになっていますが、今後はCommunity-Led Growth、Product-Led Growthを合わせたサービスにしていきたいと思っています。そのため、自身でCommunity-Led Growth、Product-Led Growthなサービスを作りたい方ぜひ一緒に働きましょう!」

図9

「現場課題は共有点もあるし、多種多様なニーズを抱えています。専門職としての知識や経験を活かしてお客様と伴走することで、自分たちのプロダクトを活用し、効果を感じていただけた時は最高にやりがいを感じます!」

図10

「医療・介護現場で遭遇する「もっとこういう世界になったら良いのに」という想いを最短距離で実現できる組織です!ドメインナレッジをフル活用して、一緒に社会課題解決をしましょう!」

図11

「科学的介護をトルトから発信していきませんか。介護の最前線で働く方々の課題解決です。ユーザーに喜ばれやりがいのある仕事、そして楽しいチームメイトが待っています。一緒に介護業界でエクサウィザーズ旋風を巻き起こしましょう!」

図12

「介護業界はスピード感を持ってサービスを現場に浸透させるのが難しい業界であり、成功事例がまだない業界です。そんな中、エクサホームケアが持っているアセットと描いている戦略はそれができる可能性があります!業界にパラダイムシフトを起こすポテンシャルがあり、それができた時、確実に社会が変わります!」

さいごに

本日のnoteで、エクサウィザーズが社会課題解決を促進するために、どういう考え・想いでJVを設立したのかが少しでも身近に感じられて、ご理解の一助になれば幸いです。

当取組みのように、大手企業様との協業で培った知見や顧客基盤をもとに、大手企業様のアセットを最大限活用し、プロダクトの社会実装を高速で進められる仕掛けを創れることがエクサウィザーズの強みと考えてます。

社会を変えるにはまだまだ成長が足りません。これを読んで「自分の強みを活かして挑戦したいかも!」「社会課題解決を一緒にしたい!」と感じた方は是非とも連絡ください。一緒に社会をよりよくしていきましょう!!

エクサウィザーズは社会課題解決をミッションに掲げ、ここから逃げずにおりますので、社会実装を促進させるためにパートナーシップが必要と判断しましたら、JV、M&Aはスピード感を持って展開していこうと考えております(2021年では、AIプラットフォーム事業の強化にエクスウェアのグループ化も展開してます)。

その度に新しい挑戦があると思いますので、ぜひ一緒に創っていけたらと考えております!

明日は、遠藤さんにAI Frontier部について書いていただく予定です。

(更新しました)


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