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その先のUIをデザインする [Designer x Designer]

AIを用いて社会課題を解決するエクサウィザーズのデザイナーに、ともに働くデザイナーがインタビューをする企画[Designer x Designer]。

第一回は、経験豊富なUIデザイナーの佐久間さんに、コミュニケーションデザインを担当する川上がインタビュー。プロダクトデザイングループに所属する二人ですが、コロナ禍もあり長時間の会話は初めて。今回は、佐久間さんが考えるプロダクトのUIについてお話を伺いました。

◾️プロフィール
佐久間 由太加(さくま・ゆたか)

エクサウィザーズ プロダクトデザイングループ UIデザイナー。大学卒業後、Web制作会社に入社。コーポレートサイトなどのWebデザインに携わる。その後、動画検索サービスを運営するベンチャーに転職。その後、ミクシィで新規事業のアプリのUIデザインを手がけた後、ヤフーへ。FinTech事業の立ち上げを経験。その後、ソウゾウ(メルカリグループ)でメルペイなどの新規プロダクトの立ち上げに関わり、エクサウィザーズへ。社会課題を解決する複数のプロダクトに携わっている。
過去のnote https://note.exawizards.com/n/ne3115eeec8e1


デザインをつくるのではなく、使われるものをつくる


ーー以前のインタビュー記事を拝見しました。前回から約1年、当時は腕を四本にして働いているようなもの(笑)ということでしたが、現在はいかがですか?

当時は様々なプロダクトの立ち上げに参加していたので、やることが多かったですが、今は「ハナスト」という、介護スタッフの間接業務をAI x 音声入力でサポートするプロダクトで、お客様の意見などをもとに磨きこみをかけています。
ハナスト https://carewiz.ai/hanasuto/

ーー以前から、プロダクトやUIのデザインをしていたのですか?

古い話ですが、最初は制作会社にデザイナーとして在籍していました。その当時はWebサイトでUIデザインといった言葉はそれほど使われていなかった記憶です。担当していたものは企業のコーポレートサイト中心でした。

その中で自分は「表面的なデザインの綺麗さ、質感の表現」みたいな部分に重きをおいて、Webデザインをしていました。デザインを「見るもの」として評価してもらいたいって言う気持ちで仕事をしていた様に思います。

入り口はそうだったんですが、 事業会社に転職してWebプロダクトに関わっていくうちに、そうじゃないということが色々と分かっていきました。

ーー具体的に、どんなことが分かってきたのですか?

そのプロダクトが、世の中でどう使われるのか、使われるものとしてどう優れているか、優れているものになっているか、そういった関心が強くなりました。

制作会社にいた頃は、クライアントが考えているビジュアルやイメージをどのようにWebサイトで表現するかを中心にデザインしていました。企業が持っている商品カタログをWebサイト化というパターンが多かったと思います。

いくつか案件を担当していくうちに、納品したWebサイトがお客様にどう使われて、どんな効果があったんだろう?という疑問が湧いてきて、クライアントを通してではなく、ダイレクトにお客様と関われる仕事がしたいと思う様に変わっていきました。

その後、動画検索を開発しているベンチャーに転職して、使われるためのサービスとしてPVや滞在時間、直帰率などを意識し始めて、人に使ってもらうためにはどんな工夫がデザインに必要か、またその当時はiPhoneが普及し始め、様々なデバイスでどういう体験が優れているのかなども考え、お客様に体験を届けるためのUIを意識し始めました。

ハナストとUIデザインの画像


音声UIをアシストするための画面UI


ーー今はどんなプロダクトに関わっていますか?

「ハナスト」というプロダクトに集中しています。話すだけで介護記録がとれて、介護施設の人たちの間接業務の時間と負担を減らし、施設の利用者様と向き合う時間をもっと増やしたい。というコンセプトのプロダクトです。
ハナスト https://carewiz.ai/hanasuto/

ーーどういったUIデザインなのでしょうか?

介護記録の業務をする上で、今まで、紙やペン、机に座ってPCで入力といったものを、スマホを使って、音声で発話すると、AIが解析し、介護スタッフさんの手をできる限りふさがず、簡単に記録ができるということを目指したものです。

理想は音声だけですべてを完結させたいのですが、今の段階では、初めて使う方にとって「言葉を話すと、AIがどういう処理して、どういう結果が返ってくるか」のイメージが湧きにくい状況と思っています。

例えば、スマートスピーカーで日常の何かをお願いする時、シンプルに「トイレットペーパーがないから注文して」と1つのことを指示するのが一般的なイメージだと思いますが、介護の記録では、様々な種類や言い方が必要になるため「こう話すと、どう記録されるのか」まだ想像がつかないのではないかと思っています。

ーーなるほど、そこでUIが必要になるわけですね。

まだまだ試行錯誤の段階ですが、画面を見ると、どう発話したら良いのか、カンペの様に使い方がわかる。そういったアシスト的な役割のUIが必要だと思っています。

例えば、食事の記録の場合、「HeyWiz(ヘイウィズ) 記録 山田様 食事 全量摂取」と、発話します。すべての言い方を覚えてしまえば良いのですが、食事、排泄、バイタルなど十種類以上の言い方があるため、最初から使いこなすことが難しく、覚えるまではアプリの画面を見ながら発話方法を覚えていける様なUIを考えています。

ハナストのUIデザインの画面
ハナストのUIデザイン


エクサウィザーズのプロダクトにはその先のUIがある


UIデザインは、画面のデザインをすることだけではなく、ユーザーとの接点「インターフェイス」のデザインをするのだと、エクサウィザーズで改めて感じることができました。

現在担当しているハナストだけでなく、エクサウィザーズには、優秀なエンジニアや面白いプロダクトが沢山あって、今まで思いつかなかった発想や技術など、AIを軸に様々なサービスをこれからも産み出していくことになります。

その時々にユーザーが使いやすく、プロダクトを上手く表現する方法は何なのか、頭を柔らかくして考えることがデザインチームの役割だと思っています。今までは画面操作が本当にわかりやすいのかを考えることが多かったですが、エクサウィザーズのプロダクトにはその先のUIがある。そういった発見は新しく、チャレンジしがいがあると思っています。

ーー画面UIはわかりやすい反面、視覚を独占するので、場面によってユーザーフレンドリーではなくなるのかもしれませんね。その先のUI、楽しみです。


ドメインエキスパートがいるプロダクトチーム


ーー開発のプロセスやチーム体制はどうなっていますか?

ビジネスやエンジニアも含めた10数人のチームで取り組んでいます。さらに、介護の現場で働いていたドメインエキスパートまでもチームに存在する。それがとてもいいんです。DXが進んでいないドメインの、どういった課題を解決していくかの解像度が高い。そして、さまざまなサービスをつくってきた人たちがコラボレーションする。

プロダクトオーナーも介護業界に携わった経験が豊富で、PMを中心としたリサーチ、エンジニアも含めてチーム全体で体験を設計し開発を進めているチームです。

ーープロダクトづくりの全てのプロセスに関われる。楽しいですね。UIデザイナーの一番の役割はなんでしょうか?

「ハナスト」に限ったことではないと思いますが、一番の役割は、イメージを具体化することだと思います。見たり触ったりできるものをすぐにつくる。それがスピード感のあるプロダクト開発には必要です。

プロダクトの骨格をみんなでつくって、みんなで壊す。ボツになりそうなものもなるべく形にするようにしています。誰かの頭で考えている段階では良さそうだったけど、ちゃんと形にすることで問題点を明確にできるし、チームの納得感にも繋がると思っていて、完成されていないものを議論の場に持っていくことはプロダクトの質に繋がっていくのではないかと思っています。


使われるだけじゃだめ。そのプロダクトに意義を感じたい


ーー使われるプロダクトを作りたい。なぜエクサウィザーズを選んだのでしょうか?

AIとデザインはどう関われるんだろうという興味がありました。デザインでAIは作れませんが、AIをよりよく使ってもらうために、デザイナーとしてどういうことができるんだろうという興味です。

そして、社会課題をサービスで解決しようとしているところです。人が困ってることの助けになろうと真剣に取り組んでおり、介護や医療など、テクノロジーがあまり浸透していない領域に、自分が携わることができたらどうなるんだろう。本当に困っている人達にとって役に立ち、使われるサービスを作りたい。という思いがありました。


経験豊富なデザイナーが自由に考えて、先導していって欲しい


今、経験豊富なUIデザイナーが足りません。いろいろなプロダクトが立ち上がっていく中で、サービスの質、体験をもっとあげていきたい。グロースのために正確に磨き込んでいきたい。全てのドメインにフラッグシップサービスを作っていきたい。そのためには経験豊富なデザイナーたちが、経験をもとに自由に考えて、先導していって欲しいです!

ーー経験をアイデアにできる柔軟なデザイナー。ぜひ一緒に働きたいですね!今日はありがとうございました。

ありがとうございました。


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