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ExaWizards Spot #2 - 介護業界の課題解決に取り組むCareWizシリーズ - 高齢者の自律的な活動を支援するテクノロジー

エクサウィザーズのビジョンや、働くメンバーの魅力をお伝えするコンテンツ「ExaWizards Spot」。今回ご紹介するCareWizチームは、「AIと仕組み」の実装を強みとして、介護業界の課題解決に取り組んでいます。CareWizシリーズの一つ「CareWiz トルト」のエンジニア  兼 プロダクトマネジメントを担当する佐藤知哉さんに、プロダクトの思想や機能開発の進め方についてお話を伺いました。

※本コンテンツは、収録された音声を学習モデルによって文字起こししたものを、編集したものです。

今回のゲスト 佐藤知哉
株式会社エクサウィザーズ CareWiz事業部 CareWiz部 エンジニアリンググループ グループリーダー
2017年3月電気通信大学大学院、情報理工学研究科情報・通信工学専攻修了。2017年4月エキサイト株式会社入社。2020年5月株式会社エクサウィザーズにソフトウェアエンジニアとして入社し、企業へのAI導入案件や、AIプロダクトの開発に従事。現在はCareWiz トルトのテクニカルリードを担当。

インタビュアー  佐藤賢吾
コーポレート統括部 採用部 部長(経歴は収録時点のものです。)
筑波大学卒業後、2016年4月株式会社サイバーエージェント入社。NLP、ML、AI領域のリサーチャー、データサイエンティストの採用を担当。2019年3月にエクサウィザーズへ参画し、エンジニア採用を担当後、採用部部長として従事。


CareWizシリーズの思想と課題解決へのアプローチ

––今回は、介護領域のプロダクト提供を行うCareWizチームから、佐藤知哉さんに来ていただきました。まずは、自己紹介をお願いいたします。

佐藤:エクサウィザーズでソフトウェアエンジニアとして働いており、CareWizシリーズの一つであるCareWiz トルトのプロダクトマネジメントも担当しています。元々は私自身テックリードだったこともあり、現在はテックリードの方と協力し、技術的な部分のサポートも行いながら、プロダクトの改善やリリースを進めています。

––CareWizの思想や、解決しようとしている課題について、教えていただけますか?

佐藤:エクサウィザーズでは、AIとシステムの仕組みの実装を強みとして、多様性のある超高齢社会の実現を目指しています。CareWizシリーズでは、テクノロジーを活用して、介護事業所の経営者や現場の方が抱える課題を一括で解決したいと考えています。

CareWiz トルトは、介護業界の課題を面で解決していく上で、営業支援に効果的なプロダクトを提供しています。AIが高齢者の身体動作を解析し、現在の身体状況を可視化して、自律的な活動に向けたリハビリメニューの提案を行うアプリケーションです。

具体的には、デイサービスのスタッフの方に、高齢者の方の身体活動の動画(歩く姿や話をしている姿をスマートフォンで撮影していただき、それをCareWiz トルトにアップロードしていただくと、解析やリハビリメニューの提案が実現されます。

CareWiz トルトの機能と「営業支援」としての役割

––ビジネス課題の解決と身体機能のアセスメントは、どのようにつながるのでしょうか?

佐藤:CareWiz トルトは、デイサービスのリハビリにも組み込んでいただくことを想定しています。高齢者の方の身体状況を可視化したレポートを見せることで、リハビリの効果を示すことができます。

また、ケアマネジャーにレポートを見せることで、ご利用者さまのモニタリングがしやすいという利点に繋がりますし、このような事業所の運動機能の訓練等への取り組みのアピールは、結果として新規利用者の獲得サイクルを作ることもできます。また、デイサービス以外にも杖や歩行器を高齢者の方に販売したりレンタルしている福祉用具貸与事業者にも営業支援につながるサービスとして提供しています。

––歩行解析ではどのような分析をしているのでしょうか?

佐藤:高齢者の方に5メートルほど歩いていただき、その姿を動画で撮影します。その動画からAIを活用した「骨格推定」技術を用いて人間の骨格を抽出します。骨格の座標の移動推移から歩行状態を可視化しています。

骨格推定には既存のライブラリを活用していますが、CareWiz トルトの強みは、座標から得られた「時系列データ」を特徴量に変換する点です。歩行速度や左右のふらつき、片足への加重など、独自の知見を踏まえて実装しています。

特徴量から歩行状態を5段階評価で点数化し、点数に至るまでの間接的な特徴量も判別しています。

このロジックの構築には、介護事業所や介護施設での経験を持つ理学療法士や作業療法士のメンバーが大きく貢献しています。彼らは歩行リスクについて詳しく知っているエキスパートで、エンジニアと協力して試行錯誤を繰り返しながら今の形に落ち着いています。

お客様の声を反映し、事業の拡大とカスタマーサクセスを両立する機能開発

––機能開発の優先度づけはどのような観点で行っていますか?

佐藤:現在、全国約1000事業所(2024年7月時点の実績)にお使いいただいているCareWiz トルトでは、お客様からのご要望をもとに開発を進めています。多くの事業所から上がる要望は、市場のニーズを反映していると考えられます。事業開発や営業、カスタマーサクセスのメンバーが既存顧客にヒアリングを行い、機能の必要性を確認します。最終的な優先度は、プロダクトマネージャーと事業開発が判断し、技術的な観点からの判断は私が行います。

一方、少数の事業所からの要望は個別のニーズを満たすだけにならないように、サービス全体の質を考慮して時間をかけて仮説検証を繰り返し検討を進めています。

優先度づけの大きな判断軸は「事業の拡大」と「カスタマーサクセス」です。事業で利益を出すことが目下の目標であり、サービス提供を始めたばかりなので、「いち早く到達できるか」を重視してはいますが、短期的な営業というよりは、中長期的なプロダクトの成長を見越しての投資と言う観点もあります。また、介護サービス提供者にとっての使いやすさや高齢者の方とのコミュニケーション向上など、総合的な満足度を重視しています。

短期的な開発と中長期的な開発のバランスは、事業状況に合わせて調整し、売上げの状況や解約率などを見ながら、リソースの投下先を判断し、週次・月次でピボットしながら方針を変えています。生成AIの登場などにより状況が変わることもあり、ベンチャー的な動き方で対応しながら、CareWizチーム全体で取り組んでいきたいと思います。

––ありがとうございました。

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